マーベル、『24』『NCIS』『ブレイキング・バッド』キャストも…2023年に亡くなったドラマスター【前編】

2023年ももうすぐ終わり。今年もドラマ界で活躍した人を中心に、惜しまれながらこの世を去ったスターたちを、一部ではあるが前・後編に分けてあらためて振り返りたい。

アニー・ワージング

『24 -TWENTY FOUR-』のルネ・ウォーカー役で知られるアニー・ワーシングは1月29日、ガンにより45歳という若さで息を引き取った。『24』のジャック・バウアー役キーファー・サザーランドをはじめ、『BOSCH/ボッシュ』『スター・トレック:ピカード』キャストなど、ともに仕事をした多くの人が早すぎるその死を悼んでいる。

リチャード・ベルザー

長寿の犯罪捜査ドラマ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』にシーズン1からシーズン17までジョン・マンチ役で出演していたリチャード・ベルザーは、2月に合併症により78歳で亡くなった。リチャードは、初めてマンチを演じた『ホミサイド/殺人捜査課』のほか、『X-ファイル』や『THE WIRE/ザ・ワイヤー』にも同役で出演。オリビア・ベンソン役のマリスカ・ハージティ、クリエイターのディック・ウルフなどの『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』関係者をはじめとした多くの業界人がその死を惜しんでいる。

トム・サイズモア

200本を超える映画・ドラマで活躍したトム・サイズモアは2月中旬に脳の動脈瘤で倒れて緊急搬送、2週間後の3月3日に昏睡状態のまま61歳で息を引き取った。『プライベート・ライアン』でトム・ハンクス演じる主役を支える副官役で深い印象を残した。ドラマでも『HAWAII FIVE-0』『ツイン・ピークス The Return』『コブラ会』などの人気シリーズに出演していたが、2016年には『ザ・シューター』撮影中にスタントマンを車に轢いてしまい相手に訴えられたり、当時の恋人へのDV容疑で逮捕されたりとトラブルも多かった。

ランス・レディック

3月に心臓病により60歳で急死したのは、映画『ジョン・ウィック』シリーズのシャロン役で知られるランス・レディック。ドラマでは『THE WIRE/ザ・ワイヤー』『FRINGE/フリンジ』『BOSCH/ボッシュ』など多数の作品で存在感を放っていた。

レイ・スティーヴンソン

マーベル映画『マイティ・ソー』シリーズでのソーの仲間ヴォルスタッグ役や、日本でも大ヒットしたインド映画『RRR』のスコット・バクストン提督役で知られるレイ・スティーヴンソンは、59回目の誕生日の4日前に当たる5月21日に亡くなった。ドラマファンには、歴史ドラマ『ROME [ローマ]』のティトゥス・プッロ役や、犯罪ドラマ『デクスター』のアイザック・シルコ役、SFドラマ『スター・ウォーズ:アソーカ』のベイラン・スコール卿役でおなじみだろう。

彼が亡くなる直前まで取り組んでいた新作映画『Cassino in Ischia(原題)』は、後釜としてドミニク・パーセル(『プリズン・ブレイク』)を起用している。

トリート・ウィリアムズ

ハリウッドでおよそ50年にわたって活躍してきたベテラン俳優のトリート・ウィリアムズは6月、交通事故に巻き込まれて命を落とした(享年71)。1975年のデビュー直後からスティーヴン・スピルバーグ、セルジオ・レオーネら大物監督と仕事をし、2002年から全4シーズンにわたって『エバーウッド 遥かなるコロラド』にアンドリュー・“アンディ”・ブラウン医師役で主演。その後『ホワイトカラー』でマット・ボマー演じるニール・キャフリーの父親、『シカゴ・ファイア』ではテイラー・キニー演じるケリー・セブライドの父親に扮した。亡くなる少し前には、刑事ドラマ『ブルーブラッド ~NYPD家族の絆~』にゲスト出演していた。

映画・ドラマ・舞台で活躍していたトリートの死を受けて、ビッグスターを含む多くの業界人が追悼の言葉を寄せている

ジュリアン・サンズ

65回目の誕生日を迎えた直後の今年1月、趣味である登山中に行方不明になった英国俳優ジュリアン・サンズ(『眺めのいい部屋』『24 -TWENTY FOUR-』)は、6月に遺体が見つかり、死亡が確定した。ジュリアンは経験豊かな登山家だったが、行方不明になった当日の山の状況は雪崩の可能性がある危険なものだったという。雪崩や嵐の影響で捜索活動は難航していた。

アラン・アーキン

60年以上にわたって活躍し続けたオスカー俳優のアラン・アーキンは6月29日、カリフォルニア州カールスバッドにある自宅で息を引き取った(享年89)。1950年代にフォークバンドのリードシンガーとなったことをきっかけに演技の道に入り、2006年の映画『リトル・ミス・サンシャイン』で孫娘を応援する祖父を好演してアカデミー賞助演男優賞を受賞。2018年からは2シーズンにわたってコメディドラマ『コミンスキー・メソッド』に出演し、エミー賞候補になった。同作で共演したマイケル・ダグラスなどが彼のプロ意識と人となりを称賛している。

アンガス・クラウド

青春ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』で麻薬売人フェズコ・“フェズ”・オニールを演じていたアンガス・クラウドは、7月31日に薬物の過剰摂取のため25歳の若さで旅立った。同作で俳優デビューを飾った彼は、前の週に父親を埋葬したばかりだったという。

ハーシャ・パラディ

大人気ドラマ『大草原の小さな家』で教師のアリス・ガーベイを演じたハーシャ・パラディの訃報が届いたのは8月下旬。脳に腫瘍を抱えていた彼女は、バージニア州ノーフォークにある自宅で78歳にして息を引き取った。3シーズンにわたって出演していた『大草原の小さな家』では最後、火事で命を落とすという役柄だったが、かつて本人は消防団とともに安全に撮影が行われたこのエピソードがお気に入りだと答えていた。

マーク・マーゴリス

大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』でヘクター・“ティオ”・サラマンカを演じ、『ベター・コール・ソウル』にも同役で出演、エミー賞にもノミネートされたマーク・マーゴリスは10月3日に83歳で永眠。『ブレイキング・バッド』と『Your Honor/追い詰められた判事』で共演したブライアン・クランストンらがマークの才能と気さくな人柄を称えている。

ロン・セファス・ジョーンズ

大ヒットドラマ『THIS IS US/ディス・イズ・アス』のウィリアム・ヒル役でエミー賞を受賞したロン・セファス・ジョーンズは、長年患っていた肺疾患のため、8月19日に66歳でこの世を去った。2020年に両方の肺を移植していたロンは『THIS IS US』撮影の最終日、体調が万全でない彼のことを現場でキャストやクルーがどのようにサポートしてくれたかを涙ながらに語っていた。ウィリアムの実の息子ランダルを演じたスターリング・K・ブラウンをはじめとした共演者が追悼の意を捧げている。

デヴィッド・マッカラム

大ヒットドラマ『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』にドナルド・“ダッキー”・マラード役でシーズン1より出演し、若かりし頃は『0011ナポレオン・ソロ』のイリヤ・クリヤキン役でも知られたデヴィッド・マッカラムは、9月25日に老衰で亡くなった(享年90)。『NCIS』レギュラーとしては最後のオリジナルキャストだった彼の死を受けて、リロイ・ジェスロ・ギブス役のマーク・ハーモンをはじめ多くの関係者がその死を悼み、2024年2月には『NCIS』シーズン21で彼の追悼エピソードが放送されることも決まっている。

(海外ドラマNAVI)