『フレンズ』『SATC』『SHERLOCK』『ドクター・フー』キャストも…2023年に亡くなったドラマスター【後編】

2023年ももうすぐ終わり。今年もドラマ界で活躍した人を中心に、惜しまれながらこの世を去ったスターたちを、一部ではあるが前・後編に分けてあらためて振り返りたい。

マイケル・ガンボン

9月28日、肺炎の発作を起こして82歳で逝去したマイケル・ガンボン。映画『ハリー・ポッター』シリーズの最初の2作でダンブルドア校長を演じたリチャード・ハリスの死を受けて、2004年公開の3作目から同役を演じた。映画のイメージが強いが、キャリア初期をはじめドラマにも多数出演しており、1990年代前半には刑事ドラマ『メグレ警部』に主演。『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが手掛けたドラマ『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』にも参加していた。ハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフをはじめとした同シリーズの共演者たちも追悼メッセージを寄せている。

フィリス・コーテス

DCのスーパーヒーロー、スーパーマン/クラーク・ケントの恋人であるジャーナリストのロイス・レインという有名なキャラクターをTVドラマで初めて演じたフィリス・コーテスが10月11日、96歳で息を引き取った。1951年に制作された低予算映画『スーパーマンと地底人間』でスーパーマン役のジョージ・リーヴスの横で初めてロイス・レインを演じ、これがヒットしたことで翌年スタートしたTVドラマにジョージとともに続投した。フィリスは1994年には『新スーパーマン』のシーズン1でテリー・ハッチャー演じる新たなロイス・レインの母親エレンに扮していた。

パイパー・ローリー

2022年はカルト的人気を誇る『ツイン・ピークス』シリーズのキャスト、スタッフが6人も亡くなったが、2023年10月にはキャサリン・マーテル役で知られるパイパー・ローリーがその後に続いている(享年91)。同役の演技で2年連続でエミー賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞を受賞。アカデミー賞でも3度(『ハスラー』『キャリー』『愛は静けさの中に』)候補になった。25年後に製作された続編『ツイン・ピークス The Return』には出演しなかったものの、様々な人気ドラマでゲストを務めた。『ツイン・ピークス』のデイル・クーパー捜査官役カイル・マクラクランは、共演当時の写真をSNSにアップし、彼女との思い出を語っている。

ヘイドン・グウィン

英国女優のヘイドン・グウィンは10月20日、少し前に診断されたガンのため66歳で死去。人気ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』シーズン1第3話「大いなるゲーム」でフェルメールの贋作を取り扱う画廊の責任者ウェンセスラスを演じていた。ほかには、英国王室をパロディにした『ザ・ウィンザーズ』にカミラ役でレギュラー出演したほか、同じく英国王室が主題の『ザ・クラウン』でゲストを務めた。舞台でも活躍しており、今年新たな作品に出演予定だったが、9月に「突然起きた個人的な事情」により辞退していた。

マシュー・ペリー

10月28日に届いた、『フレンズ』のチャンドラー役で知られるマシュー・ペリーの突然の訃報でハリウッドが悲しみに暮れた。ロサンゼルスにある自宅のプールで溺れている姿で発見されたマシューは54歳だった。『フレンズ』でマシューとともにメインキャストを務めた5人はもちろん、ゲスト出演したスターたち、ジュリア・ロバーツ、ジョージ・クルーニー、チャーリー・シーン、ジョン・ステイモスらも彼の死を受けてコメントを寄せている。

エヴァン・エリングソン

『CSI:マイアミ』でホレイショの息子カイル、『24 -TWENTY FOUR-』ではジャック・バウアーの甥ジョシュを演じた元子役のエヴァン・エリングソンは、11月5日(日)にカリフォルニア州フォンタナにある自宅のベッドルームで死んでいるのが発見された。35歳。死因は誤ってフェンタニルを過剰摂取したためだと後日報じられた。およそ20本の映画・ドラマに出演したものの、2010年を最後に俳優としては活動していなかった。

フランシス・スターンハーゲン

70本を超える映画やドラマに出演した93歳のベテラン女優、フランシス・スターンハーゲンは11月27日に自宅で安らかに息を引き取った『SEX AND THE CITY』でシャーロットの最初の夫トレイの母バニー・マクドゥーガルを演じてエミー賞候補になったほか、医療ドラマ『ER 緊急救命室』のカーターの祖母ミリセント役、犯罪捜査ドラマ『クローザー』の主人公の母親ウィリー・レイ役などでも知られる。

アンドレ・ブラウアー

『ブルックリン・ナイン-ナイン』のレイモンド・ホルト署長役で知られるアンドレ・ブラウアーは、12月11日に永眠(享年61)。当初死因は明かされていなかったが、数ヵ月前に肺ガンと診断されたと、後日広報が発表。ドラマ・映画で様々な作品に出演してきた彼に対して、『ブルックリン・ナイン-ナイン』の共演者をはじめ多くの業界人がその死を悼んだ。

アンドレはフランク・ペンブルトン刑事に扮してエミー賞主演男優賞に輝いた『ホミサイド/殺人捜査課』のほか、精神科医ダリル・ノーランを演じた『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』にも出演。ションダ・ライムズが手掛けるNetflix新作ドラマ『The Residence(原題)』は撮影途中だったことが伝えられており、メインキャストの一人を演じていた彼に代わる俳優を探すのか、彼が演じたキャラクターを消すのかといった問題も起きているという。

ジェームズ・マキャフリー

『レスキュー・ミー ~NYの英雄たち』のジミー・キーフ役やビデオゲーム「マックス・ペイン」シリーズで主人公の声を担当しているジェームズ・マキャフリーは、ガン闘病の末に65歳で死去。12月17日、ニューヨークの自宅で家族や友人に見守られながら旅立った。友人だったケヴィン・ディロン(『アントラージュ★オレたちのハリウッド』)が「君を知ることができて幸運だった。恋しいよ」とツーショット画像に添えて綴っている

リチャード・フランクリン

1970年代前半に人気ドラマ『ドクター・フー』で3代目ドクター、ジョン・パートウィーの横でマイク・イェーツ大佐を演じたリチャード・フランクリンは、12月25日に死去(享年87)。クリスマスの早朝、眠った状態で安らかに息を引き取った。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『フレンズ』©Warner Bros. Entertainment Inc.