『NCIS』ダッキー役デヴィッド・マッカラム、90歳で永眠

米CBSの大ヒット犯罪捜査ドラマ『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』にシーズン1より出演してきたドナルド・“ダッキー”・マラード役のデヴィッド・マッカラムが、老衰のため亡くなった。90歳だった。長年本作で活躍した彼の訃報を、米TV Lineなど複数のメディアが報じている。

当初は放送局に拒否されるも…

ここ数シーズンは毎回姿を見せるわけではなかったものの、一番最近では昨年春に本国で放送された『NCIS』シーズン20の最後の2エピソードにリモートで出演していたデヴィッド。今月25日(月)に、ニューヨーク・プレスビテリアン病院で自然死として永眠したことが伝えられた。

『NCIS』の現エグゼクティブ・プロデューサーであるスティーヴン・D・バインダーとデヴィッド・J・ノースは、声明で以下のようにコメントを発表した。「20年以上もの間、デヴィッド・マッカラムは賢く、風変わりで、時に謎めいたダッキーを演じ、世界中の視聴者に愛されてきました。しかし、デヴィッドと一緒に働いていた人たちは彼のことをもっと愛していました。彼は学者であり、紳士であり、常に優雅で、完璧なまでのプロフェッショナルであり、ジョークも大好きでした。初日からこれまでずっと彼と仕事ができたことを光栄に思います。彼は、いつだって我々の期待通りのことをしてくれました。まさに伝説的な存在でした。そして彼は私たちの家族であり、とても残念です」

CBSの広報担当者は以下のように述べた。「デヴィッド・マッカラムの逝去に深い悲しみを覚えるとともに、CBSが長年にわたって彼のホームであったことを光栄に思います。デヴィッドは才能あふれる俳優であり、作家であり、世界中の多くの人々に愛されていました。彼は素晴らしい人生を送り、その遺産は彼の家族、そして映画やテレビでの数え切れない時間として、永遠にこの世界に生き続けるでしょう。彼が足を踏み入れた部屋やセットのサウンドステージを明るく照らした、その温かくて愛すべきユーモアと、たまに語ってくれた人生における輝かしい物語がもう聞けないと思うととても寂しいです」

デヴィッドの子どもの一人であるピーター・マッカラムは、父親を「とても親切で、クールで、忍耐強く、愛情深い父」と表現し、こう付け加えた。「父は、科学と文化が大好きで、その情熱を知識に変える真のルネサンス人でした。彼はその気になれば交響楽団を指揮することもできたし、『NCIS』での役作りのために何十年も勉強していたため、必要であれば本当に検死を行うこともできたのです」

ピーターは、デヴィッドが56年間連れ添い、今月半ばに結婚記念日を迎えたばかりだった妻キャサリンにも言及。「(父の死後に)病院からアパートに戻り、寝ようとする母に大丈夫かと尋ねました。母は、大丈夫だと言いましたが、“でも、一緒に年を取っていければ良かった”とだけ言いました。私たちの母は79歳で、父は90歳になったばかりでした(※9月19日が誕生日)。その素直な感情は、父と母の美しい関係と日常生活がいかに活気に満ちていたか、そしてなぜ90歳になっても父は全然老けていなかったかを示していると思います」

米Hollywood Reporterが先日掲載した、放送20周年記念の『NCIS』を振り返った記事の中で、監督のジェームズ・ホイットモア・ジュニアは2003年当時に行ったデヴィッドのキャスティングについてこう回想している。「CBSは、(デヴィッドのことを指して)“こんな年寄りの俳優はキャスティングできない”と言っていました。そしたら(『NCIS』の共同クリエイターである)ドン・ベリサリオが、“(デヴィッドを)起用しないなら、この番組はやらない”と言ったんです。彼はそれくらい真剣でした。それでCBSも折れて製作できたのです。もちろん、デヴィッド・マッカラムは最高でした」

『NCIS』では、リロイ・ジェスロ・ギブス役のマーク・ハーモンがシーズン19の初めに降板したため、デヴィッドはレギュラーとしては最後のオリジナル・キャストだった。1933年生まれの英国出身俳優であるデヴィッドは、『NCIS』のほかには、米NBCで1964年から1968年まで放送された『0011ナポレオン・ソロ』シリーズの秘密諜報員イリヤ・クリヤキン役でも知られていた。

20年にわたって作品を支えてくれたデヴィッドの冥福を祈りたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:米TV Line

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