「サンサやアリアも自分を見つけていったのは素晴らしいこと」『ゲーム・オブ・スローンズ』インタビュー【2】

米HBOで2011年より始まり、この春放送された最終章をもってついに完結した『ゲーム・オブ・スローンズ』。それを記念して、最終章放送前に行われたキャスト&スタッフのインタビューをお届けしていこう。今回登場するのはメイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク役)ソフィー・ターナー(サンサ・スターク役)。喧嘩をすることも多かった姉妹を演じたものの、実際はとても仲が良い二人に、そのケミストリーが始まった瞬間や、お気に入りのエピソードについて語ってもらった。(本記事は、ネタばれを含みますのでご注意ください)

――お二人の友情についてお聞きしたいのですが、もう10年も友人ですよね? どのようにして始まったのですか?

メイジー:『ゲーム・オブ・スローンズ』のケミストリー・オーディションで初めて会ったの。それまでに二人のサンサ役とオーディションをやったわ。

ソフィー:私は控え室でその子たちのことをじっと見ていたの。

メイジー:そう。彼女たちは良かったけど、ソフィーの番になったら世界が変わった。

ソフィー:そうなの?

メイジー:意気投合したの。そのシーンはすごく良くて、私たちの間には素晴らしいケミストリーがあった。とにかく楽しかったわ。カメラにも伝わっていたはずよ。そんな感じだったわ。

ソフィー:そんな感じだったわね。

メイジー:それが私たちの友情の始まりだった。

ソフィー:そうね。

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――撮影最終日はいかがでした? ご自分が演じるキャラクターにお別れを言うのはどれだけ辛いものでしたか?

ソフィー:とても辛かった。

メイジー:そうね。撮影最後の数日間の写真を見ると、とても懐かしいの。最高に楽しい日々で、昨年はアイルランドで素晴らしい夏を過ごせた。最後の数週間、数カ月間は最高のお天気に恵まれて、誰もが陽気な気分になった。今回は長時間にわたる過酷な撮影だったけど、そのご褒美が素晴らしいお天気だった。セットでみんなでアイスを食べたのよ。

ソフィー:そんなのはあれが初めてだったわね。

メイジー:衣装を脱ぎ捨てて、サングラスをかけて腰かける。大好きな仲間に囲まれて、最高に素晴らしい最終章の撮影を一緒にしている。とにかく最高の雰囲気だった。写真を見ると、その当時の感情がよみがえってくるの。鼻にかかった埃ですら愛おしく感じるわ。

ソフィー:分かるわ。懐かしいわね。私は泥や雨が恋しく感じるくらいよ。

メイジー:衣装を着て汗だくになるとか、ね(笑)

ソフィー:そうそう、汗だくになって臭くなっちゃう(笑) 馬の糞が背中一面についたりするんだもの。

メイジー:文字通りにね。

ソフィー:そうなの。でも、とにかく最高の思い出ね。

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メイジー:これほど生々しくてリアルな作品は他にはないかもしれないわ。この作品はそれを目指していた。私たちは確かにあの地にいて、あんな風に果てしなく広がる大地を目の当たりにして、とても美しいと思ったの。

ソフィー:そうね。

メイジー:凍えるかと思うほど寒かったけど、あれほどの環境に身を置くというのは撮影でしか経験できないものよ。

ソフィー:控え室は輸送用のコンテナだった。

メイジー:その中に座っていると、ダヴォス役のリアム(・カニンガム)がやってきて「中で一本吸わせてくれ」と言うから、みんなで「駄目!」となったの。

ソフィー:「リアム! それは駄目よ!」ってね(笑)

メイジー:嫌なことさえ良い思い出になったわ。

ソフィー:そうね。

メイジー:以上が、今日私たちが答えた中で最も誠実な回答よ(笑)

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――素敵ですね。世界中でヒットした作品の一員となるのはいかがでしたでしたか?

メイジー:私は今でもまだ...。

ソフィー:理解できないのよね。

メイジー:そう。

ソフィー:私もそうよ。

メイジー:実感するのは難しいものね。視聴率などの数字を知らされても、ファンがとても興奮して、コスプレしてくれたりしても、これが私たちにとって全人生だったわけだから客観的に見られないの。私たちはこれしか知らないから。もしかしたら(出演するのが)他の作品だったかもしれないし、それも大ヒットしたかもしれない。私は『ストレンジャー・シングス』のキャストとも仲が良いんだけど、あの作品も爆発的にヒットしたわ。ともかく、『ゲーム・オブ・スローンズ』が空前のヒットとなったのは最高にワクワクすることなのよ。

ソフィー:共演者を、他の人たちが見ているような目では見られないこともあるわね。私にとっては「彼は私のお兄さん、彼女は妹、この人は親友」という風なのだけど、他の人にとっては素晴らしいキャラクターたちだから、「会えてすごく嬉しい!」となるのよね。

メイジー:そうなの。「彼らは実際にはどんな人なの?」とよく聞かれるけど、私にとっては普通の友人なので、そういうのは分からないわ。

ソフィー:そうね。

メイジー:ある人物についてイメージが作られた結果、(出会った時の)ファンの瞳が興奮で輝いているのを見るのは嬉しいものよ。ただ、そうはいっても、みんなと同様に私たちも模索しているに過ぎない。ここまで大ヒットしたことがいまだに信じられないけど、同時にとても嬉しいことでもあるのよ。

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――ここまで大人気だと、先の展開について秘密を守ることにどれだけのプレッシャーを感じるのでしょう?

メイジー:秘密を守ることもそうだけど、うまく演じなくてはならないことにもプレッシャーを感じたわ。原作のアリアは素晴らしいから、第一章での演技をみんなに褒めてもらえたのは光栄だったけど、その後がどんどん大変になっていった。様々な意見があるの。ただ、ストーリーを秘密にするということでは、どういうエンディングか、もしも私がどもりながらたどたどしく説明したところで絶対面白くは聞こえないもの。みんなにがっかりされるだけだから、このストーリーを守りたい。ふさわしい形でみんなに楽しんでもらえるように秘密を守りたいと思うわ。

ソフィー:そうね。音楽、脚本など、最高の形で見てもらえるように、ね。

メイジー:それから涙と、ね。

ソフィー:それから撮影も。

メイジー:炎と氷、美と破壊もそうよ。

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――演じていて最も楽しかったシーンは?

メイジー:楽しい、か...。

ソフィー:あまりにもたくさんありすぎるからね。

メイジー:そうなのよ。

ソフィー:全員が集結するシーンはいつでも楽しいわね。『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャストは本当に面白いから。

メイジー:大掛かりなシーンだと大勢いるから、休憩時間が楽しいの。

ソフィー:待ち時間がかなりあるから。

メイジー:待ち時間が長いから、全身衣装を身に着けたままでニンテンドースイッチをやったりして、そういうのを見るのは面白いわ。そんな些細なことが楽しかった。衣装姿でタバコとバナナを手にしているような写真が私の携帯にたくさんあるの。最高に笑えるのよ。

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――エピソードということで言うといかがでしょう? ベストエピソードはどれですか?

メイジー:第六章の第10話(「冬の狂風」)ね。サーセイがベイラー大聖堂を爆破するのは、あのエピソードだったと思うけど...。

ソフィー:ああ、あれは第六章の第10話よ。

メイジー:あのエピソードは大好きよ。音楽も素晴らしいし、とにかくシーン全体が大好きなの。まるでイントロのようでもあるけど、エピソードの半分もの長さなの。瞬きをする間に30分も経っていて、あっという間に過ぎてしまう。その世界に没頭するの。音楽も最高で、ピアノが使われたのはあれが初めてだった。というのも、それまでは当時存在した楽器だけを用いる趣向だったから、弦楽器や打楽器が中心だったけど、あの回では初めてピアノが使われた。(クリエイターの)デヴィッド(・ベニオフ)とダン(D・B・ワイス)はそれに大反対だったけど、いろいろ試してみた結果、最終的にピアノでということになった。そこで、えーっと...あの人は何という名前だったかしら。ラミン! そう、作曲家のラミン・ジャヴァディは私のお気に入りで、彼が再び音楽を担当することになったのだけど、とても美しいの。子どもたちの聖歌隊も可愛かったわ。

ソフィー:私のお気に入りのエピソードは「ブラックウォーターの戦い」(第二章第9話)ね。あんな戦いのシーンは観たことがなかった。これまでのどんなものとも違っていた。あのエピソードで監督を務めたミゲル・サポチニクの視点はとてもユニークで、どのシーンもすべて大好きなの。

メイジー:「落とし子の戦い」(第六章第9話)のことじゃないの?

ソフィー:そう!「落とし子の戦い」だったわ。戦いが多すぎて...。私が挙げたかったのは「落とし子の戦い」の方よ。ただただ、見事に撮影されたと思うの。演出も(ジョン・スノウ役の)キット(・ハリントン)の演技も、何もかもが素晴らしいわ。

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――サンサとアリアは最も成長を遂げた興味深いキャラクターだと言えます。ご自身も一緒に成長していったかと思いますが、このようなキャラクターの進化をどう考えていますか?

ソフィー:素晴らしかった。10年間も同じ役を演じる機会なんて他にある? 信じられないわね。しかも13歳から22歳にかけてなんて。

メイジー:誰かの娘役で一話だけ出演するなどではなく、私たちのストーリーがあって独自のキャラクターだった。

ソフィー:最初から大人のような役だった。

メイジー:実際の若い女の子がそうであるように、サンサやアリアも自分自身を見つけていった。それは素晴らしいことだったわ。

ソフィー:とても奥が深かった。

メイジー:この作品が私たちをそう扱ってくれたの。デヴィッドとダンは私たちのキャラクターを称えようとしてくれた。こんな素晴らしい作品で、役者としてそのような機会を与えてもらえるのは稀なことよ。

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――アリアとサンサはどう変化していきましたか? そしてそんな役と別れなければならないことにどう思われますか?

ソフィー:サンサは大きく変貌した。最初は世界をバラ色のレンズを通して見ているナイーブで純粋な少女だったけど、想像を絶する苦難を経験していった。囚われの身となり、いいように操られ、家族を奪われた後、強く、何事にも屈しない、堂々としていて、どんな困難をも乗り越え、誰とでもやり合える女性になった。このゲームにおいて、最も巧みに人を操ることができるようになったの。彼女のストーリーを演じることができて光栄だったわ。

メイジー:アリアは痛い目に遭って学んだと思う。サンサもそうだったわね。何を望むかということには気をつけなければならない。それに付随する代償には注意しないと。戦いというのはエキサイティングで楽しいものだという考えだったけど、アリアはそれに永遠に影響されることになる。戦うことへの好奇心こそ彼女の長所だったけど、もはや純粋ではいられなくなってしまった。そういったことを口にしてもとても純粋なのが、アリアが人々から愛される理由だったのに、今の彼女ときたら...何かを企んでいるのよね(笑) でも、ある意味で誰もが共感できると思う。

成長することで、自分の下す決断や、自分がどんな人物になりたいかにおいて大胆になるものの、"ああ、時にはそういうのは得策ではないかもしれない"と気づく。彼女の幼い側面を演じるのが恋しくなることはあるけど、それを最近のシーズンでも少し取り入れようとしたわ。アリアは女優としての私を形成してくれた。長年ずっと自分の一部を投影しようとしてきたの。彼女のようなキャラクターを演じることはもうないでしょうね。自分のやってきたことが誇らしいし、彼女のことが恋しくなると思うわ。

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――このような役を演じたことは今後の作品選びに影響を与えますか?

メイジー:そうね。"これは酷い"と思うような出来の脚本を読んだわ(笑)

ソフィー:『ゲーム・オブ・スローンズ』は私たちにとって初めて出演した作品だったけど、最高の脚本家やプロデューサー、そしてキャラクターに恵まれ、初めての演技で力強い女性キャラクターをやらせてもらえたので、他の脚本を読んでいて"なぜこのキャラクターはこんな風に描かれてしまうの?"と疑問に思ったりするわ。

メイジー:そうね。

ソフィー:"なぜこれと、これと、これを入れないの? なぜこんな構造になっているの?"なんて思うもの。

メイジー:ストーリーが複雑でないものがあるわ。映画だとすべてを1時間半にまとめなければいけないからTVシリーズとは少し違うものだけど、時に台本がすごく長いのに、どんでん返しがないものもある。驚かせてくれるものに出会うのは難しいものね。それはこの作品が常にやってきたことだけど、優秀な脚本家でなければできないことなの。そうでなければ、訳が分からないものになってしまうだけだから。信じてもらえる内容ではなく、単にショッキングにしたいだけのものになる。私は読みながら息を呑むような作品を常に求めているの。

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――『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影が終わってからどうされていたのですか? 他の映画やTVシリーズ、舞台などへ出演の予定は?

メイジー:私はサイコスリラー作品に出演するの。お気に入りのジャンルだから。

ソフィー:私もよ。

メイジー:怖い映画を観るのが大好きなの。

ソフィー:私もよ。

メイジー:すごく良い作品なのよ。怖いけど、複雑な物語でどんでん返しがあるの。意外な展開があるストーリーが大好き。キャラクターの描かれ方がとても興味深いの。キャラクターが素晴らしければどんなジャンルでも構わない。共演者と一緒に素敵なものを作っていけることにとても興奮してる。でも、少しお休みをもらうのも良いものね。髪を伸ばせるのも気に入ってるわ。

ソフィー:私も今はオフを楽しんでいるわ。これは実はとても重要なことなの。過去10年間、ずっとこの作品に出演しながらオフの時期は別の仕事を探そうとしてきたけど、今、オフをもらえて、普通のスケジュールで普通の生活をして、平凡な日常を送ることが嬉しいの。そういう経験が、のちに役者としての自分の糧になると思うから。

メイジー:同感よ。

ソフィー:ちょうどある作品のプロデューサー兼主演を務めることを決めたばかりなの。それについてはまだあまりお話しできないけど、とても興味深いのよ。あらゆる要素が詰まっていて、それぞれが素晴らしい作品を作るのに欠かせない要素なの。とても興奮しているわ。

メイジー:作品の大事な部分にあなたが携わるんだものね。

ソフィー:そう、すべての中で最も重要な要素よ。

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――あなたたち以上にアリアとサンサのことを知っている人はいないと思いますが、年々、キャラクターが自分のものだという思いが強くなっていくことはあったのでしょうか?

メイジー:それは確かね。

――キャラクターの辿る運命に意見を言うこともありましたか?

メイジー:キャラクターの展開に意見を言うことはあまりなかったけど、第二章か第三章の頃、デヴィッドとダンは私たちを念頭に置いてキャラクターを書いていた。私たちの演技に沿ってね。「ここはこういう風に展開すべきだ。キャラクターはこういう風にならなくてはいけない」と、私たちがその台詞を言うのを想定してね。というわけで、シリーズが進んでいくにつれ、私たち役者の誰もがデヴィッドとダンに各キャラクターについて影響を与えたの。特に新しい監督が次々とやってきて、様々なことが変わっていったので、"私は自分の役のことが分かっている"と思えるのは良かったわ。

ソフィー:その通りね。常に自分が何をすべきか分かっていた。準備などいらなかったもの。

<『ゲーム・オブ・スローンズ』リレーインタビュー>
「どう終わってほしかったかという考えに捉われてはならない」【1】メイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク役)
「ジェイミー・ラニスターを演じてみたかった」【3】アイザック・ヘンプステッド・ライト(ブラン・スターク役)
「ティリオン、ジェイミーとのブロマンスは最高だった」【4】ジェローム・フリン(ブロン役)
「原作の精神に最後まで忠実だった」【5】ジョン・ブラッドリー(サムウェル・ターリー役)&ハンナ・マリー(ジリ役)
「ラムジーの死をネタばれされたの」【6】ジョン・ブラッドリー(サムウェル・ターリー役)&ハンナ・マリー(ジリ役)
「最初の読み合わせで二人クビになった!」【7】ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター役)&グウェンドリン・クリスティー(ブライエニー役)
目がうるうるなのは涙じゃなくアレルギー!?【8】ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター役)&グウェンドリン・クリスティー(ブライエニー役)
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「素晴らしい悪役が死ぬ度、少しの間、喪失感を味わう」【10】ジェイコブ・アンダーソン(グレイ・ワーム役)&ジョー・デンプシー(ジェンドリー役)
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「シリーズ完結は新たな始まり...」作品担当者が語る、本作の日本上陸と鉄の玉座が生まれた経緯

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■商品情報
・『ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章>』
12月4日(水)ブルーレイ&DVD発売
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※R-15:本作には、一部に15歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。

発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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