「ティリオン、ジェイミーとのブロマンスは最高だった」『ゲーム・オブ・スローンズ』インタビュー【4】

米HBOで2011年より始まり、この春放送された最終章をもってついに完結した『ゲーム・オブ・スローンズ』。それを記念して、最終章放送前に行われたキャスト&スタッフのインタビューをお届けしていこう。今回登場するのはジェローム・フリン(ブロン役)。ティリオン、ジェイミーのもとで傭兵から王都の守人(シティ・ウォッチ)指揮官へと成り上がっていく、現実的で大人な役を嫌味なく演じた彼が、男性キャラクターとのブロマンスや、役と自身の共通点について語ってくれた。

――あなたにとってのベストエピソードは?

あまりにあり過ぎて一つだけ選ぶのは難しい。ピーター・ディンクレイジ(ティリオン・ラニスター役)と一緒にいて楽しくない日はなかった。きっと彼はそうやって一日を過ごしやすくしないではいられないんだろうな。

これは以前にも話したことがあるんだが、ずっと一緒に過ごしたポッド(ポドリック・ペイン)役のダニエル・ポートマンとは、同じく本作に出演している父親(ロン・ドナキー/ロドリック・カッセル役)とも親しいので仲が良いんだが、ポッドと再会するシーンがあるんだ。ポッドとブロンはかなり長いこと会っていなかったんだが、そのシーンで俺が彼に戦い方を教える。監督に「いいカットはもう撮れたから、次はお遊びでやってみて」と言われ、そのシーンの途中で彼の急所をキツく掴んでやった。あの瞬間の彼の反応は最高だったね。演技を続けていたが、なんとか笑いをこらえようとしてたよ。俺がそんなことをするなんて信じられないみたいでね。結局、そのテイクが使われた。YouTubeでも彼が声を押し殺している様子が見られるはずだ。あれは最高だったね(笑)

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――シーズンが進むごとに、スケール感と秘密主義レベルはどのように変化していったのでしょう?

より大きく、より秘密主義的になっていった(笑) そちらもご存知の通りにね。

――ブロンにお別れを言わなければならないのはいかがでした? シリーズを通して彼はいかに変化していきましたか?

彼は俺の中に生きている気がする。自分の内面から生まれたように感じていて、もともと自分の中にあった側面を掘り下げていくことができた。ならず者であることはもちろん、人殺しという側面でさえね。とはいえ、ブロンのそこまで酷い面が見えることはなかったと思う。彼は(イングランド)北部出身の友人たちを合体させたようなところがあるんだ。

――ブロンは言葉の使い方が独特ですが、その口調が自然とあなたの日常会話に出てきたりしませんでしたか?

実はそういうことはあったよ。「クソッタレ」という言葉がよく出てきたね。道を歩いていて、「お前のクソッタレな城はどこだ?」なんて口をついて出ることがあって面白かった。気にはならないさ。女王と一緒にいないようにすればいいだけだからな。

――ブロンのインスピレーションであることをご友人はどう感じているのですか?

分からない。それについて個人的に話したことはないからね。いくら俺でもそんなことを聞く勇気はないよ(笑)

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――『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影が終わった後、どのように過ごしてきたのですか?

ハンモックに寝そべってたよ。ウェールズにある家で小さな事業を営んでいるんだが、そこを改装してた。とても楽しかったね。家に戻るのが楽しかった。そこは俺が地に足を着けるための基盤なんだ。ほかにはモロッコで少し『ジョン・ウィック:パラベラム』の撮影をやって、あれも楽しかった。今は良いプロジェクトとの出会いを待っているところだ。俺はなかなか好みがうるさいんでね。あとはもうすぐアフリカに行くけど、それは俳優業とは関係ないぜ。

――ピーターとの共演で印象深いエピソードがあれば教えてください。

詳細は覚えていないが、ピーターとコンリース・ヒル(ヴァリス役)とのシーンだな。あの二人は仕事をこなしていくには最悪のコンビだった。本当に面白いから、一緒のシーンでは大変なことになる。ティリオンとブロンとヴァリスがブラックウォーターの戦いに備えるところで、脚本家がピーターのある台詞に性的に意味深な言葉を書いた。ピーターはそういう展開になるとは気づいていなかったけど、彼がその台詞を言うと笑いをこらえられないことは分かってたよ。

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――どんな台詞だったのですか?

思い出せない。いや、実はぼんやりと覚えてはいるが、あまりにも酷いのでここで言うわけにはいかないんだ。ピーターは言いながらそれに気づいたが、俺たちはみんな笑いをこらえきれなかった。最終的にその台詞はカットしたと思う。あれには耐えられなかったね。みんなで笑い転げてた。何度も撮り直して、その箇所をこなすためだけに、時間がどんどん経っていった。でも楽しかった。あれには心の底から笑ったね。

――あなたは本作で最も大規模な(※インタビューの時点で)二つの戦いに関与しています。先程おっしゃったブラックウォーターと第七章のドラゴンの襲撃です。あれほどのスケールがあるアクションシーンの撮影はいかがでしたか?

ブラックウォーターでは数人殺して弓矢を放っただけだった。他の連中は楽しんでいたが、俺はちゃんとしたアクションをやりたくて仕方がなかったから、第七章でそういう機会が与えられて嬉しかったね。素晴らしいスペイン人エキストラや業界最高の人たちと一緒に、美しい国立公園に1カ月も滞在した。スタントも大勢いた。確か一時にあれだけのスタントを起用して炎のシーンを撮影したのは前代未聞だったと思う。世界記録更新だ。炎の中を走り、馬が後ろに下がってくる、そしてドラゴンを撃ち落とすというのは俺にとって一大事だった。まるでお菓子屋に来た子どものようにハッピーだったね。寒すぎたり雪が降ったりさえしていなければ、屋外撮影は好きなんだ。自然の中での撮影は良いものだよ。まるで時の流れをさかのぼり、我々の先祖がやっていた原始的なことを再現しているかのように感じられたんだ。

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――最終章の前に過去シーズンを復習するにあたって、どこに注目して見るべきでしょう?

人生に注目すべきだ。もっと人生を楽しめ(笑)! 第一章から第七章まで復習するって? TVを見ることに集中しよう。

――見どころや、見落としてはいけない、押さえておくべき点などあれば...。

そういうのは見る人が気づくものだろう? 俺が指示するわけにはいかないよ。誰もが自分にとってのお気に入りのキャラクターや一番好きなシーン、一番怖い箇所などがあるものだ。これから見ようという人に向けて何か言うなんてことはしたくないね。これで、俺がどういう人間か分かるだろ?

――本作の共演者とは今でもまだ連絡を取り合っていますか?

いるけど、それが誰かは言わないでおくよ。そういうことはよくあることだ。連絡を取り合う人もいれば、そうではない人もいる。あまりにも長く一緒に過ごしたので、少し休みが必要な人もいる。それぞれ名を挙げたりはしないよ。

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――撮影最終日はいかがでしたか?

ある日突然その日がやってきた。あと1時間となって初めて、実感が湧いてきた。その時でさえ、みんなのスピーチの後、それぞれにとって意味のあるシーンの手書きの絵コンテをプレゼントしてくれた後でさえも、あんなに長く続いた後で終わりが来たというのは、どこかシュールだった。すべてを分かち合ってきた人たちにお別れを言うというのは感動的だったね。

――あなたはどのシーンの絵コンテをもらったのですか?

(第七章第4話「戦利品」で)スコーピオンを撃っているところさ。

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――ブロンといえば、ティリオン、そしてジェイミーとの関係が魅力的でしたが、クールな二つのブロマンスを演じていかがでしたか?

良かったよ。どちらも素晴らしいね。素晴らしいキャラクターだったし、彼らと一緒に過ごせたのも嬉しかった。それからポッドともね。彼との関係もブロマンスだったと言えるだろう。ティリオンとジェイミーの違いは、ティリオンと3年間過ごせて嬉しかったが、彼とだとブロンは大きく変化がないのに対し、ジェイミーとの関係は大きく変わっていく。あれは最高だった。

<『ゲーム・オブ・スローンズ』リレーインタビュー>
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■商品情報
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12月4日(水)ブルーレイ&DVD発売
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※R-15:本作には一部に15歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています

発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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『ゲーム・オブ・スローンズ』
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