「どう終わってほしかったかという考えに捉われてはならない」『ゲーム・オブ・スローンズ』インタビュー【1】

米HBOで2011年より始まり、この春放送された最終章をもってついに完結した『ゲーム・オブ・スローンズ』。それを記念して、最終章放送前に行われたキャスト&スタッフのインタビューをお届けしていこう。今回登場するのはメイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク役)。TVシリーズ史上初の10代の殺し屋役となったアリアを演じたことや、エンディングについて語ってもらった。

――撮影初日のことを覚えていますか?

ええ。第一章の1年前、パイロット版のエピソードで晩餐のシーンだった。小さなドレスを身に着けて控え室に行き、確か(ロブ役の)リチャード・マッデンだったと思うけど、男の子の一人がレザーの衣装を着てラジエーターに寄りかかっていたので後ろに大きな跡がついてしまってとても緊張していたのを覚えてるわ。私はセットに何時間もいて、(サンサ役の)ソフィー(・ターナー)目がけて鳩肉のパイを投げたの。別に悪ふざけじゃなくて、本当にそういうシーンがあったのよ(笑)

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――その当時、自分がどんなことを期待していたか覚えていますか?

どうなるかなんてさっぱり分からなかった。こんなに作品が大きなものになるなんて思ってもいなかったわ。誰にも分かっていなかったでしょうね。最初のシーズンで自分がナイーブだったことに助けられたのは確かで、大いに楽しんだと思う。作品がだんだん大きくなっていくのに伴ってプレッシャーも増していったけど、当初はすべてが真新しかったわ。

――そんなナイーブな少女から殺し屋へと、この作品においてアリアほど大きく変化していったキャラクターは他にいないかと思います。

ダークになっていくのだと分かってはいたけど、(撮影当初に)12歳の私が考えるネガティブさというのは今ほどではなかった。成長していく過程で私自身の理解も深まっていったし、アリアがより成長し、気性が激しくなる瞬間をうまく演じられるようになり、幼い時に比べてより忠実に演じることができるようになったと思う。

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――ということは、キャラクターのようにあなた自身も成長していったのですね。

それは確かね。アリアを通して私の人生、私自身が投影されていると思うし、これまでのシーズンを振り返ってみると、13歳の頃に怒り、憤りを感じたものは今とは異なるの。当時の人生を思い出し、すべてが目の前に浮かんでくるわ。

――あのような形で自分が成長していく様子を見られる人はそうそういませんよね。

誰にとっても10年というのは長い時間だけど、それが12歳から22歳にかけてだと特に大きな変化だし、しかもそれが世界中の人の目に晒されるという意味では、数多くの教訓を一風変わった形で与えてもらったと考えているわ。自らの力で若い女性へと成長していったアリアとともに私も成長できて光栄よ。こういう役を演じられるのは稀だから、私が成長していくにつれてアリアを主役級にしてくれた脚本家には感謝しているの。

――クリエイターのデヴィッド(・ベニオフ)とダン(D・B・ワイス)は全員の撮影最終日に額縁に入れた絵コンテを贈呈したそうですが、あなたのはどんなものでしたか?

私のは最終章のネタばれになってしまうので、教えられないの。決定的瞬間で、本編を見てもらえたらどの瞬間のことか分かると思うわ。

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――最終日が来なければいいのにと思っていましたか?

私の最終日は主要な撮影の最終日で、第2班は別の撮影中だったけど、ほとんどのクルーとともに最後の日を迎えたの。それまで他の人の最終日を見てきたから、彼らの去り際の涙、スピーチなどを目の当たりにしていたけど、すべてが終わるまでずっと我慢してた。最後の数日間、大掛かりでとても困難なシーンの撮影があったので、アリアを演じる上で自分の感情が邪魔になってはいけないと思ってた。終了を告げる掛け声の後、私は短いスピーチをして、自分のトレイラーに戻った。そしてアリアの衣装を脱いでシャワーを浴び、泥や血のりを髪から拭った。とてもエモーショナルだったわ。

――最終章はこれから放送されますが、お友達と一緒にご覧になるのですか?

多分ね。私の同居人はこの作品の大ファンで、兄と一緒に毎週見ていたの。これまでの私は本作が放送されている時は仕事などの理由でほとんど家に帰れなかったから、今回は座って見る時間を設けて、これまでの年月をお祝いできればと思っているわ。

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――そして今後は将来に目を向けていくわけですね?

もちろんよ。ここ数カ月間はこの10年で初めて何も契約がない状態で、自分が将来的に何を求めているのかについてじっくり考えることができて、とても興味深かった。自分の会社を立ち上げ、オフィスでチームを率いて仕事をしてきたのだけど、チャレンジだったわ。

――ご自身のプロダクション会社ですか? それは自分でプロジェクトを開発したいからなのでしょうか?

そう、プロダクション会社であり、アーティストのために作ったオンライン・プラットフォームでもあって、4月か5月に設立するの。キャンペーンやロゴからブランドに至るまでのクリエイティブ面に携わっていて、とてもうまくいってる。自分の直感を信じることができるよう、自信を持たなければならないのよね。クリエイティブ面に携わるのは楽しいけど、一方で役者として監督に導かれ、ファンに気に入ってもらえるようにとやってきたので、そういう面での自信を大いに失ったとも思う。だからここ数カ月かけて、自分が何を求めているのか、どのくらいの頻度でやりたいのかについてよく考えるようになった。本領を発揮できるよう、そしてそうするために自信を持つようにと努めているわ。

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――世界中で愛される本作がどのように完結するのかについて期待が高まっていますが、エンディングをどう思われましたか?

選ばれたエンディングにはとても満足してるわ。興味深いのは、役者にとって与えられたエンディングというのは、自分のキャラクターのためにその終わり方を正当化しなければならず、さらに自分の演技に正直でなければならないということなの。どう終わってほしかったかという考えに捉われてはならないと思う。それでは脚本に書かれたことを台なしにしてしまい、その良さを十分に発揮させられなくなるから、それに逆らったり、反する考えを持ってはならない。そのエンディングを受け入れなければならないの。変えたい、微調整したいと思うシーンはあるかもしれないけど、それによって演じ方に大きく影響してしまう可能性があるから。というわけで、(脚本を)読んで、受け入れて、率先して演じるというのが、私たち俳優がやらなければならないプロセスだった。自分のキャラクターを完結させ、満足しなければならない。自分がそうしなければ、他の誰も満足するわけがないもの。

――本作はもちろんあなたのキャリアにおいて大きな部分を占めるでしょうが、そこで培った友情、人との絆も重要だったのでは?

それは確かね。

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――そのような友情が今後も続いていくことを望んでいますか?

ええ。この業界でストレスを感じたりパニックに陥った時に頼りにした相手は、いつも決まってこの作品の人たちだった。そんな彼らと再び会って話すのを楽しみにしているわ。私にとって象徴的な作品だったのと同時に、象徴的な年月だったし、彼らは私が成長していくのを見続け、私のことなら何でも知っているの。彼らのことを友人と呼べるのは嬉しいことで、私たちの間には『ゲーム・オブ・スローンズ』という共通するユニークな体験がある。かつて私たち誰もが同じ立場だった。ソフィーやレナ(・ヘディ/サーセイ・ラニスター役)、キット(・ハリントン/ジョン・スノウ役)、リチャード、アルフィー(・アレン/シオン・グレイジョイ役)、ジョー(・デンプシー/ジェンドリー役)、ジェイコブ(・アンダーソン/グレイ・ワーム役)はみんなとても仲が良く、一定の期間をともにした。今では互いのことを知り過ぎているの(笑)!

――ただ、これまでは撮影で会えたものの、今後は会う計画を立てないといけませんよね?

それがどうなるか見守っていきたいと思う。とりあえず、私はいつでも会う気満々よ(笑)

<『ゲーム・オブ・スローンズ』リレーインタビュー>
「サンサやアリアも自分を見つけていったのは素晴らしいこと」【2】メイジー・ウィリアムズ(アリア・スターク役)&ソフィー・ターナー(サンサ・スターク役)
「ジェイミー・ラニスターを演じてみたかった」【3】アイザック・ヘンプステッド・ライト(ブラン・スターク役)
「ティリオン、ジェイミーとのブロマンスは最高だった」【4】ジェローム・フリン(ブロン役)
「原作の精神に最後まで忠実だった」【5】ジョン・ブラッドリー(サムウェル・ターリー役)&ハンナ・マリー(ジリ役)
「ラムジーの死をネタばれされたの」【6】ジョン・ブラッドリー(サムウェル・ターリー役)&ハンナ・マリー(ジリ役)
「最初の読み合わせで二人クビになった!」【7】ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター役)&グウェンドリン・クリスティー(ブライエニー役)
目がうるうるなのは涙じゃなくアレルギー!?【8】ニコライ・コスター=ワルドー(ジェイミー・ラニスター役)&グウェンドリン・クリスティー(ブライエニー役)
「30年後も僕たちはウェスタロスの話をしているだろう」【9】ジェイコブ・アンダーソン(グレイ・ワーム役)&ジョー・デンプシー(ジェンドリー役)
「素晴らしい悪役が死ぬ度、少しの間、喪失感を味わう」【10】ジェイコブ・アンダーソン(グレイ・ワーム役)&ジョー・デンプシー(ジェンドリー役)
「メリサンドルを定期的に罵ってるよ」【11】リアム・カニンガム(ダヴォス・シーワース役)
玉座に座るべきはブライエニーとトアマンドの子?【12】クリストファー・ヒヴュ(トアマンド役)
「死んだあのキャラが再登場したのは、その俳優に会いたかったから」【13】デヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイス(クリエイター)
「シリーズ完結は新たな始まり...」作品担当者が語る、本作の日本上陸と鉄の玉座が生まれた経緯

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■商品情報
・『ゲーム・オブ・スローンズ<第一章~最終章>』
12月4日(水)ブルーレイ&DVD発売
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※R-15:本作には、一部に15歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。

発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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『ゲーム・オブ・スローンズ』
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