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SPECIAL 特集

テレビシリーズ最終話から4年……あのセックス・アンド・ザ・シティが帰ってきたよ! 記念スペシャル!

Special Contents 1
リアルな『セックス・アンド・ザ・シティ』を知りたい?それならキャンディス・ブシュネルを読まなくっちゃ!

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『セックスとニューヨーク』。キャンディス・ブシュネルの出世作(コラム)。ニューヨーカーたちの恋愛模様(というよりセックス)をここまで描いたものはなかった!?

キャンディス・ブシュネルってだあれ?

 
世界中の女性たちを熱狂!?の渦に巻き込んだHBOのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(以下SATC)』。その原作者がキャンディス・ブシュネルという女性だ。コラムニスト時代の同僚に言わせると「キャンディスはキャリーにそっくり」らしく、キャリーのキャラクターにはだいぶキャンディス本人の生き方が反映されているらしい。
じゃあ、キャンディスっていったいどんな人、いや、女性なんだろう?
キャンディスが生まれたのはコネティカット州グラストンベリー、1959年のことだ。そんな彼女がはじめてニューヨークに来たのは、大学時代だったという。その後、ニューヨークのフリージャーナリストとなった彼女が1994年から連載を始めたのがニューヨーク・オブザーヴァー紙のコラム、つまり『SATC』の原作となる『セックスとニューヨーク』(ハヤカワ文庫)だ。


おもしろいのは、『セックスとニューヨーク』のころのキャンディスは、ドラマのなかのキャリーのように、結婚にはまったく興味がなかったらしい。なのになのに、いまでは10歳年下のバレエダンサー(!)と幸せな結婚生活を送っているというではないか! まあ、原作の著者近影を見れば納得できるというか、それこそビクトリア・シークレットのモデルですか?な雰囲気のキャンディス・ブシュネルをみれば、男性はほっとかないと思うしね。

『SATC』はある意味“負け組”な女性たち(ある意味ね、ある意味。それも非常に狭い範囲でのある意味)の本音が炸裂していた感1000%だったけれど、キャンディスはもはや仕事においても人生においても“勝ち組”なわけだ。まあ、“負け組”“勝ち組”なんて考えること自体がおかしいのだが、『SATC』には日本のそれとはまったく異なる“勝ち組”“負け組”感があふれていることに、女性たちならみな気づいていることだろう。

『セックスとニューヨーク』はノンフィクション?

 
ドラマの原作となった『セックスとニューヨーク』は、日曜日発行のニューヨーク・オブザーヴァー紙に連載されていたコラムをまとめたもの。一応、ノンフィクションのコラムという位置づけだけれど、実際のところは不明(のように思えるだけだが)。
ノンフィクションというからには、ドラマのようなストーリーが展開していくわけではない。あるときは女性たちの本音を、あるときは男性たちの本音を座談会などを通して聞き出していたりする。そのなかでよくでてくるようになったのが、ドラマのキャラクターとなるキャリーやミランダ、サマンサ、そしてミスター・ビッグたち。コラムのなかの彼らは、セックスについて赤裸々に語るニューヨーカーたちの一部に過ぎなかったのだ。ただ、キャリーとミスター・ビッグについては、キャンディスのお気に入りだったのかコラムでの出現数はダントツに高い。

しかし、本当にニューヨークの女性たち、それもマンハッタンのキャリアウーマンたちにとって異性関係は原作やドラマみたいに最上位にくるような問題なのだろうか? 『セックスとニューヨーク』にでてくる男性たちのハナシを鵜呑みにすれば、やはりそうなんだろう。なんたってお金さえあれば女には困らない、と豪語するようなやつらばかり。あれ、ITバブル期(っていつだ)には日本にもそんなヤツラ、いたよね。

 
ところで、キャンディスがコラムを連載していたニューヨーク・オブザーヴァー紙だが、読書会やパーティ情報などニューヨークのセレブたち向けのイベント情報を扱ったりする、ちょっと変わった新聞なんだそうだ。そんなわけで、フツーじゃありえねーな感じの高収入の男女入り乱れーなお話もそういう新聞での連載だったからこそ、よりリアルさが増したのかもしれない。

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ジェイニーシリーズこと『ブロンドinラブ』と『トレーディン グ・アップ』。セレブとは程遠い読者にとってはおなかいっ ぱいな世界が広がる。

『セックスとニューヨーク』後のキャンディス作品は…

 
『セックスとニューヨーク』でキャリーたちを生み出したキャンディスだが、その後もニューヨークの女性たち(いずれもセレブだが)を描き続けている。最初の著作物こそノンフィクション扱いだったけれど、そのあとの作品はすべて小説=フィクション(まるでアメリカの家田荘子)だ。これらの小説を読んでいくことで、世界中の女性の共感を呼んだというキャンディス・ブシュネルの男性観というものがわかるかもしれない(少しはね)。

『セックスとニューヨーク』後の初の小説として発表されたのが『ブロンドinラブ』(早川書房)。ここで描かれている4人の女性(オリジナルタイトルは『FOUR BLONDES』)は、出世欲の強いモデルや結婚生活にセレブ妻、そしてキャリーのようなフリージャーナリストといったさまざまな立場の女性たち。


共通しているのはただひとつ、お金に困っていないという点だけ。いや、ちょっと違うな。お金に困らないための努力を、それが結婚だったりパトロンをゲットしたりすることだとしても、怠らない(ぬかりはない)というところか。この4人のブロンド女性のひとり、出世欲の強いモデル、ジェイニーはその後、『トレーディング・アップ』(早川書房)という長編小説の主人公となる。

彼女にとって、男は自分の人生を豊かに(文字通り)するために必要不可欠な道具のひとつなのだ。そう、『SATC』の4人とはまるっきり正反対のキャラクターといえるだろう。ジェイニーにしてみれば、夫に養ってもらっている専業主婦とパトロンにお金を出してもらう自分のライフスタイルはまったく同じこと。だけど、なぜか彼女だけがいつも悪者扱いされる…なんで!?と思ってるわけだ。

そういう彼女だって稼いでいないわけじゃない。ビクトリア・シークレットの専属モデルとしてアメリカ中が知っているスーパーモデルのひとりなんだから。キャンディスの生み出したキャラクターのうち、もっとも興味深いのがこのジェイニーだ。彼女のあまりにもイタタタターな人生、映画化されたら(実際にハナシはあったらしい)ものすごいことになりそうだ。

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『リップスティック・ジャングル』。ニューヨークの高層ビル 群ってまるでリップスティック・ジャングルみたい…。

そして『リップスティック・ジャングル』へ…

 
NBCで新しく始まったドラマ『リップスティック・ジャングル』(ハヤカワ文庫)はそんなキャンディス・ブシュネルの最新小説をドラマ化したもの。こちらはジェイニーシリーズと違って、『セックスとニューヨーク』というよりはドラマ『SATC』の延長上にある作品。

ストーリーは、3人の成功している40代の女性たちの友情を軸に仕事・家庭・恋愛模様を描いていくというもの。まさに、ドラマ『SATC』を彷彿とさせる。キャストにブルック・シールズやアンドリュー・マッカーシーなどを配しているところが、ターゲットとなる年代的にも心憎いところだ。このドラマ、新シーズン製作も決定ということだから、たぶん日本にもやってくるのではないだろうか。


それにしても、キャンディス・ワールド(と、よばせてもらおう)の女性たちは、みな元気だ。いや、前向きだ。なにがあってもへこたれない。『リップスティック・ジャングル』の主人公たちにしても、同様だ。そんなところが全世界の女性たちに受けるのかもしれない。ちょっと(だいぶ)夢物語なところもあるにはあるが…。

 
もうひとつ、注目したいのがキャンディス・ワールドの登場人物たちは、どこかしらなにがしらかでつながっているということ。『ブロンドin ラブ』から『リップスティック・ジャングル』まで、そんな脇役たちが大活躍することすること、そりゃあ、あの狭いマンハッタン島のセレブといったらみんな顔見知りなはずだもの、キャンディス・ワールドだって例外じゃない。

さて、『リップスティック・ジャングル』でキャンディス(それも既婚の!)が描くニューヨークの最新女性像、はたして世界中の女性たちはどう受け止めるのだろうか。ちょっと楽しみである。


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