来日した憧れの俳優にイベントやコミコンで対面し、会話を交わす機会を楽しみにしているファンも多いだろう。特にコミコンではこれまで多数のスターが日本のファンと交流しているが、例えば2023年12月に幕張メッセで開催された「東京コミックコンベンション2023(略称:東京コミコン2023)」では、例年のジェームズ・マカヴォイ、カレン・ギラン、ジュード・ロウ、オーランド・ブルーム、ルパート・グリントといったイギリス出身のスターに続き、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン、ユアン・マクレガーという人気俳優が顔を揃えた。彼らに会えた際に少しでもイギリス英語で自分の熱い思いを語ることができたら最高に嬉しいのではないだろうか。そこで今回は、イギリスに長らく暮らす筆者が、イギリス英語らしさを意識しつつ、憧れのセレブに会った時の会話に使えるフレーズを紹介していこう。
目次
イギリス英語っぽさが出るフレーズ
最初の挨拶のフレーズ
-Nice to meet you.(はじめまして)
-How lovely to meet you.(はじめまして)
-How are you?(元気ですか)
-How’s it going?(元気?)※カジュアルな挨拶
-Alright?(元気?)※カジュアルな挨拶
まずは、挨拶から会話を始めよう。「Good morning」「Good afternoon」「Hello」「Hi」など、基本的な表現で十分。アメリカ英語でよく使われる「What’s up ?」「Hey」といった挨拶は、イギリス人はあまり使用しない。相手から「How are you ?」と聞かれたら、「I’m good.(元気です)」「Alright.(まあまあ元気です)」「Not too bad.(悪くないです)」などと答えればよい。「Lovely」というのは、イギリス映画『ラブ・アクチュアリー』でも頻出しているように、イギリス人が老若男女問わず多用する言葉。「nice」「good」の代わりに使ったり、「ok」や「thank you」の意味もあったりと幅広い意味を持つ。使い方を覚えて、ぜひ活用したい。
推しへの愛を英語で伝えるフレーズ
-I really like your jacket!(そのジャケット素敵!)
-You look great today.(今日も素敵)
-I am your biggest fan!(あなたの大ファンです!)
-I have been a big fan since I saw you in ○○.(○○であなたを見た時からずっとファンです)
-I loved your performance in ○○○. (○○での演技が大好きでした)
-I loved you in ○○ and I can’t wait to see your next project.(○○でのあなたが大好きでした。次のプロジェクトが待ちきれません)
とにかく、推しに自分の思いを伝えてみよう。その俳優を好きになったきっかけの作品や今後のプロジェクトについてなど、相手の活動を昔から見守っており、これからもずっと応援し続けるという気持ちが伝われば、相手も喜ぶのではないだろうか。
褒め言葉フレーズ
-Great!(素晴らしい!)
-Amazing!(驚くほど素晴らしい!)
-Lovely!(素敵!)
-Fantastic!(途方もなく素晴らしい!)
-Fabulous!(素晴らしい!)
-Excellent!(最高!)
-Brilliant!(最高!)
-Superb!(最高!)
-Incredible!(信じられないくらい素晴らしい!)
-Cool!(かっこいい!)
-Awesome!(凄い!)
「素晴らしい、凄い」という意味の英語は数多くある。推しを褒め称えるには、上記の褒め言葉の中から好きなものを選んで、シンプルに「You are □□!(あなたは素晴らしい!)」と言えばよい。これを応用して、「You were fantastic in ○○(○○でのあなたは素晴らしかった!)」「You are absolutely incredible!(あなたは信じられないほど素晴らしい!)」「You are so talented!(とても才能がある!)」などと言うこともできる。上記のうち、「Cool」と「Awesome」はカジュアルな表現なので、親しみを込めてフレンドリーに話したい時向きだ。
推しへのお願いを英語で伝えるフレーズ
-May I shake your hand, please?(握手していただけますか?)
-Can I get a bit closer to you, please?(少し近くに行ってもいいですか?)
-Could you please put your hand on my shoulder?(私の肩に手を回してもらってもいいですか?)
-Could you give me a little hug, please?(ハグしてもらえますか?)
何かをお願いする時に使える便利な表現が「May I〜?」だ。丁寧度の目安は、May I > Would I > Could I > Can Iの順になる。「May I〜?」は特に丁寧にお願いしたい時、気さくにお願いしたい時には「Can I〜?」を使うなど、話し相手や場所、状況に合わせて臨機応変に使いたい。
また、「Could you〜?」も相手に何かしてもらいたい時にいろいろ使える表現だ。丁寧度の目安は Could you〜? > Can you〜? になる。Magic Word(魔法の言葉)と言われる「please」は必ず付けるようにしたい。撮影会では、セレブにハグやポーズをお願いすることはできないルールになっているが、どこかで偶然バッタリ出会う可能性もなくはない。相手ができる範囲でいろいろお願いしてみてはいかがだろうか。
“ありがとう”を伝えるフレーズ
-Thank you.(ありがとう)
-Thanks a lot.(本当にありがとう)
-Thank you very much indeed.(本当にありがとうございます)
-Cheers.(本来は「乾杯」の意味だが、カジュアルな表現での「ありがとう」も意味する)
-I really appreciate it.(感謝しています)
-You made my day.(あなたのおかげで最高の一日になりました)
-It means a lot to me.(すごく嬉しいです)
-Thank you. I had a lovely time.(ありがとう、とても楽しかったです)
たどたどしい英語でも、とにかく相手のことを褒めちぎり、感謝の意を伝えるのが大切。きっと彼らも優しく対応してくれるだろう。強調する際に「a lot」を使ったり、前述の「lovely」などを盛り込むとイギリスっぽい表現になる。
別れの挨拶のフレーズ
-Lovely meeting you.(会えて良かったです)
-Take care.(気をつけて)
-Cheerio.(じゃあね)
-Have a good day!(良い一日を!)
サイン会や撮影会で自分の持ち時間が終わる時も、しっかりと相手に挨拶をして終了したい。「Cheerio」は「乾杯」「おめでとう」の意味もあるが、イギリス人ならではのカジュアルな別れの言葉だ。普通に「Goodbye」や「Bye」でもいいが、上記の表現のような捻りを加えると、英語にこなれた感じが出るので、ぜひ使ってみよう。
イギリス英語とアメリカ英語の違いは?
日本の学校で習う英語はアメリカ英語が中心だが、イギリス英語とアメリカ英語では、スペル、発音、文法、単語などで違いがある。イギリス英語はより伝統的だったり正統派、格式高いと考える人も多い。あなたの推しが英国俳優なら、イギリス英語に特化して学習してみるのもいいだろう。
スペルの例
イギリス英語/アメリカ英語
theatre / theater
favourite / favorite
colour / color
catalogue / catalog
organise / organize
発音の例
Tの発音:イギリス英語ではTをはっきり発音。アメリカ英語ではRの発音に近くなる。
イギリス英語 water(ウォーター)
アメリカ英語 water(ワラ)
Rの発音:アメリカ英語では巻きがちになるが、イギリス英語では語中・語尾のRは発音しない。
イギリス英語 door(ドー)
アメリカ英語 door(ドーァ)
Aの発音:イギリス英語はアと発音するが、アメリカ英語ではアとエの間に近くなる。
イギリス英語 can’t(カーント)
アメリカ英語 can’t(キャント)
イギリス英語は綴りの通りに発音することが多いので、日本人にはイギリス英語の方が発音しやすいと言われている。
単語の例
イギリス英語/アメリカ英語
autumn / fall(秋)
film / movie(映画)
football / soccer(サッカー)
lift / elevator(エレベーター)
flat / apartment(アパート)
holiday / vacation(休暇)
mobile phone / cell phone(携帯電話)
ground floor / first floor(一階)
first floor / second floor(二階)
shop / store(店)
今回は、憧れの俳優に会って話をする機会があった時に使えるフレーズの中から、イギリス英語らしい表現を中心に紹介してみた。正しい英語を話すことは大事だが、それよりも大切なのは相手に伝えたいという気持ちと笑顔だ。推しを前にして緊張してしまうのは無理もないが、相手の目をしっかり見て笑顔で挑んでみよう。一生の思い出に残る良い日になりますように! Good luck!
(名取由恵 / Yoshie Natori)
Photo:ベネディクト・カンバーバッチ ©Chris Black/FAMOUS ©FAM008/FAMOUS/トム・ヒドルストン ©JHMH/FAMOUS ©Nathan Hulse/FAMOUS/ユアン・マクレガー ©JW/Famous ©Darren Brade/FAMOUS