初心者にもわかる!マーベル・ユニバースの英語<Vol.10>~無名キャラだったストレンジ医師の快進撃~

2016年11月4日、米国で『ドクター・ストレンジ』が公開となりました。

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ドクター・ストレンジって誰?!マーベル・スタジオが無名キャラに賭けた勝負

数年前であれば、"Doctor Strange" って誰だよ!?というキャラクターを主人公とした映画です。

日本ではまったくなじみの無かったこの人物は、実は米国でも一般的にはほとんど知られていませんでした
(※ マーベルのコミックの世界では歴史的にも重要キャラであるわけですが、そのことは熱烈なコミックファンしか知らないのです)

その、ほぼ世間的には「謎???」のキャラクターに、

製作費165億円($1=100円として。以下同)を注ぎ込み、
ネパール、ロンドン、NYなど、世界の何都市かで大規模ロケを敢行

これまでのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に
「新たな枠組み、視点」を与える斬新な画の創造に徹頭徹尾尽くして仕上げた
という印象です。

MCUのヒーローたちが総出演し話題となった『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の次の作品に、origin story(ヒーローの"誕生"を描く物語)で、しかもソロで登場させるには、「ドクター・ストレンジ」というキャラクターは非常にリスクを伴う企画であったはずなのです。

公開からロケットスタート

しかし、蓋を開けてみれば、公開週末だけで85億円
事前予想では65~70億円くらいのスタートとなるのでは?と見られていた業界の期待値を大幅に上回っています。
(「アベンジャーズ」などキャラ総出の作品群を除く)"ソロの1本目"の映画としては、『アイアンマン』の初週末98.6億円、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の94.3億円に次ぐデビュー成績となるのです。

公開初日から1ヵ月を待たずして、アメリカ国内だけで約200億円、世界各国の興行成績も400億円超えを記録する勢いです(11月27日現在)。

この時点で、『ドクター・ストレンジ』の興行成績は、やはりソロ映画で origin story でもあり、MCUの代表作とも言える『アイアンマン』(2008)の生涯興行成績585億円、同じく『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)の同370億円を超える数字を弾き出しています。

もちろん、過去作の公開当時の入場チケット価格との差や、現在の3DやIMAXで鑑賞する人々の数の増加を考えれば、観客動員の規模を単純比較はできません。

しかし、『アイアンマン』や『ガーディアンズ~』のように、稼ぎ時のサマームービーとしてでなく、『ドクター・ストレンジ』が11月公開作品であることを考慮すれば、これがどれほどのロケットスタートであるかがおわかりいただけるでしょう。

アイアンマン、ガーディアンズ、アントマンのように、
公開当時にはほぼ"一般観客には未知(無名)"のキャラに賭けた勝負を、マーベル・スタジオはまたも大成功させたわけです。
ここから冬のホリデーシーズンに入り、日本市場の成績もこの後加わりますから、この数字はまだまだ伸び続けるに違いありません。

さて前回のコラムでは、2017年1月公開予定の日本の待ちきれないファンの皆さんに向け、夏のコミコンで発表された予告編の全セリフに迫りました

今回は、この主人公が何者で、いったいどんな役割をMCUで果たす可能性があるのかを考察します。

ストレンジ医師とは?

"ストレンジ医師"。本名は Stephen Vincent Strange/スティーヴン・ヴィンセント・ストレンジ

初めてマーベル・コミックスに登場したのは、1963年だそうです。
「Strange Tales(奇妙な話、逸話)」というシリーズに描かれました。
物語をスタン・リー、作画をスティーヴ・ディッコが担当した、非常に歴史の古いキャラクターです。

正直、初めてこのキャラクターの絵を見た時からしばらくの間は、ちょっと胡散臭くも見える人相や服装から、僕は完全に、マーベルの人気の高い悪役なんだろうな...と思い込んでいたんです。それほどに、なじみ難い。

ところが、原作コミックの中では「シビル・ウォー」などにも登場しているので、あ、ヒーローなんだな、彼...と、徐々に知った次第です(汗)。

彼が、incredibly talented neurosurgeon(驚異的な才能を持つ脳神経外科医)であることは前回のコラムで触れました。と同時に、incredibly arrogant(信じられないほど傲慢)egoistic(利己主義、エゴ・自尊心が強い) なストレンジ。その彼が、不慮の事故に遭い、神経外科手術の名手として誇っていた「手」の機能を失う...。

ストレンジの持つ魔力

予告編でも有名になった

Teach me...

というセリフにある通り、彼はある地へ赴き、ティルダ・スウィントン演じる the Ancient One(エンシェント・ワンとはキャラクター名。ancient は、古代の、昔の、という意味)に教えを乞うようになります。

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ティルダは、自分の役柄についてこう語ります。

ティルダ:She deals in magic. In real, proper inner magic.
彼女は魔法を使うの。現実の、正しき(品格の伴う)、内なる魔法をね。

エンシェント・ワンは、mystical arts(魔術)を扱います。

それがどのような魔術か?ストレンジがワンから何を習い、身につけていくのか?は本編を見てのお楽しみです。

では、このスティーヴン・ストレンジという男は、
何の為にこの Universe(世界観) の中にいて、いかなる役割を果たす可能性を秘めているのでしょう?

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マーベル・スタジオの代表で、全作品の製作総指揮を務めているケヴィン・ファイギは、こう語っています。

ファイギ:There is the street level narrative of the Marvel Cinematic Universe that we"ve seen.
これまで私たちが見てきたMCUにはストリートレベル(地上や街中で起きている)の物語があり、

There is the cosmic level which Thor, and Guardians, and The Avengers have taken us to.
ソーや、ガーディアンズや、アベンジャーズが見せてくれた宇宙レベルの物語があります。

But there is a very important supernatural side to the Marvel comics.
しかし、マーベルのコミック世界には、もうひとつ非常に重要な、超自然的(不可思議、神秘的)な側面があるんです。

Doctor Strange was our perfect entry point into that.
ドクター・ストレンジは、その領域への完璧な入り口だったのです。

 

たとえば、mystical arts と言えば、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で大活躍したエリザベス・オルセンが演じる魔女キャラクター、スカーレット・ウィッチ/Scarlet Witch という、魔力を使えるキャラがいるじゃないか?と思うファンもいるかもしれません。

しかし、マーベル映画のユニバースの中では、スカーレット・ウィッチの能力は、双子の兄弟であるクイックシルバー(アーロン・テイラー・ジョンソンが演じた)と共に、悪の結社ハイドラ/HYDRA(日本の表記ではヒドラ)に、ロキのセプター(槍)に宿るパワーを使った人体実験によって身に植え付けられた強大な能力であり、訓練を重ねて得た"魔力"ではありません。(※ このくだりは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のエンド・クレジットの途中に付録のシーンとして流れます)

そして彼女の魔力はまだ開発途上で、コントロールできないその力が、本来守るべき人類を誤って殺傷する事故を起こしてしまうことも、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の冒頭で描かれています。

一方、ドクター・ストレンジが身につけていく魔術は、「教えてくれ」とエンシェント・ワンに懇願しているように、師から教わり、学び、体得していくものです。予告編を見れば、孤独で落ちぶれた、傷ついた医者だった男に、魔術がある程度の部分まで伝授され、敵と戦う場面で駆使されていることが見てとれます。

エンシェント・ワンとドクター・ストレンジが見せる魔術の力は、
これまでのMCUでヒーローたちが発揮してきたパワーや武器とは、まったく違う種類の力
この特殊な「力」により、MCUの主役や脇役たちを取り巻く世界は、これまでとは角度や切り口が変わる、
もしくは一変する可能性を秘めており、未知なる段階の戦いに突き進んでいくのです

主演のベネディクト・カンバーバッチはどう見ている?

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主演のベネディクト・カンバーバッチは、自身が演じる役やMCUの背景についてこう語っています。

カンバーバッチ:Now we"re at the stage where this universe, even with our world, is just about to explode into other dimensions.
今、私たちは、このユニバース、自分たちのいる世界が、他のいくつかのディメンションに急激に突入していくところにいるんです。

You"ve had Thanos, who has already rumbled in the background a little bit.
ご存知のようにサノスは、すでに(この世界の)背後で暗躍を始めています。

And I think Strange is a natural bridge between what we know of our perceivable reality and something well beyond that.
そしてストレンジは、 我々の知っている認知が可能な(理解ができる)現実と、それを遥かに超える別の領域とを、つなぐ架け橋となるんです。

彼が語る「Dimension:ディメンション」は、この物語の最大のキーワードでもあり、映画の最高の見せ場を生む、大切な要素でもあります。

Dimension とは、物の面や様相、容積などのスケールを表す言葉で、「次元」と訳されることが多い単語です。
Dimensions と複数形になれば、2次元、3次元、4次元... と、複数の次元を表現することができます。
最も皆さんがよく使っているケースでは、「3Dアニメ」「3D映画」と呼んでいる、あの「D」が、Dimensions の「D」です。
2D=2次元は平面3D=3次元は立体、ということになります。

では、4次元なら?5次元なら? もっと多くの次元があるとしたら...?

彼の言う、「explode into other dimensions」は、ストレンジ自身が「いくつかの次元に突入していく」というだけでなく、MCUが今後創り出す未来の行方をも示しているのではないでしょうか。

それらの「次元」のステージで、ヒーローたちが"全知全能"で挑むのが、迫りくる強大な敵サノス(『アベンジャーズ』『ガーディアンズ~』などで徐々にその姿を現している悪神)とのバトルとなっていくわけです。

その戦いが描かれるのが『アベンジャーズ』の第3弾『インフィニティ・ウォー/Infinity War』で、この3作目にも、カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが登場することが、すでにマーベルより発表されています!!彼が物語のキーパーソンとなるのは、ほぼ間違いありません

ですので、今回の origin story で、彼がどのような性質・威力の魔術を体得するのか?どう敵たちと向き合うのか?
MCUがフェーズ1から3まで築き上げてきた展開上、ここからさらにやってくるクライマックスを最大限に楽しむためにも、今回の origin story(どん底に堕ちた医師から、ヒーローに成長する道のり)は、不可欠になるわけです。

ファイギは、この役にカンバーバッチを抜擢したことについてこう語ります。

ファイギ:You need a spectacular actor to portray this character, and the fact that
この役柄を演じこなすには、壮観で目を見張らせるような俳優が必要です。

Benedict Cumberbatch has agreed to do this role is huge for us.
ベネディクト・カンバーバッチがこの役を引き受けてくれたことは、非常に大きいのです。

実は最初にカンバーバッチがこの映画への出演をオファーされた時、彼にはロンドンの舞台でハムレットを演じる予定が入っていました。そのため、数多くの名だたる他のスターたちが、彼に代わるストレンジ役として考慮されました。

しかし最終的にマーベル・スタジオとカンバーバッチ双方の熱意から、本来は2016年夏の7月に全米公開予定として組まれていたこの映画の公開を同年11月に延ばし、撮影する時期を大幅にズラすことで交渉がまとまるという経緯があったのです。

百数十億円もの予算をかけてプランしている大作映画の撮影時期を先に延ばすということは、他の出演者や全スタッフの仕事のスケジュールの確保や、映画の完成時の配給予定など、あらゆる面に影響を及ぼします。これは非常に大きな決断であったはず。

huge for us」とファイギが言ったのは、文字通りのことであり、ここにも相当なリスクがあり、そのリスクが演技の質、作品のクオリティーという最大のリターンに結びついたことを喜んでいるわけです。

"The Sorcerer Supreme"とも呼ばれ、マーベル世界では名高いドクター・ストレンジというキャラクター。

Sorcerer 魔術師の意(映画『ハリー・ポッターと賢者の石』のアメリカ版でも、Sorcerer"s Stone と使われたりしていますね)。
Supreme は、最高位の、最高権威の、至高の、という意味です。それだけの役を演じるには、spectacular な俳優でなくてはならなかった。

カンバーバッチはその期待に完成作で充分応えた、といっていいでしょう。映画そのものに対する批評家やファンたちの反応も、非常に高いものになっています。

実写にできるの?を叶えた最新技術と美術、そして演技力

60年代原作コミックに描かれた、スティーヴ・ディッコ(Steve Ditko)の魔術が生む世界観の表現は、

...こんな表現、実写にできるの...???

と不安にさせるほど、奇異で、複雑で、サイケデリックなものです。

ところが、現代のVFX(Visual Effects:視覚効果)技術が追いつき、荒唐無稽で、あらゆる形、あらゆる光彩の、なんと呼んでいいのかさえわからないものまでが、画面から溢れんばかりに映像化されているのです。

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そして僕らが、普段の生活では知覚できない、この世には存在しないと思っている、多次元の Dimensions を構築するために、一回では目では追いきれないほどの情報量の映像を、物語の中に巧みに仕掛けています

是非とも3D版でのご視聴を

これらは2D版でも充分に見応えのあるものですが、今回の作品ばかりは、3Dでご覧になることをおススメします。映像で表現される多くの Dimensions の存在を堪能するには、最も効果的な形だからです。

さらに、この映画は1時間55分の上映時間中、なんと実に1時間以上もの映像が IMAX 対応の大きなフォーマットで仕上げられています
公開時、もしお近くに IMAX 3D版、もしくは IMAX 2D版を上映する映画館があれば、その不思議な世界をフルの画面で体験してみる価値は充分あります。

元々アメリカでも、"3D映画そのもの" を好まない批評家は多く、僕自身もあの3Dグラスをかけると色がわずかに暗くなる感じが苦手なのですが、この映画については多くの批評家もファンたちも、「3D版」の巧みさ、面白さ、美しさ、その効果を絶賛しています!

俳優たちが関わる撮影本隊による撮影は、今年の4月にクランクアップしたとのことですが、公開の日までたった7ヵ月しかない期間で仕上げられるとは到底思えない、凄まじい量の作業の結晶です。

おそらく"ポスト・プロダクション(撮影後の仕上げの作業。編集、効果音、CG合成、音楽、カラーリングなどの作業の総称)"の進め方というのは、想像もつかないほどに進歩を重ねているのでしょう。「この世には存在しない」事物や次元の"画"や"音"を創造したアーティストたちの仕事は、これからスタートするアワードシーズンでも、視覚効果賞や音響編集賞や録音賞などの部門でノミネート・受賞に至る可能性を秘めていると、僕は予想します。

美術セットと衣装

そして、その視覚効果と同等に、もしくはそれ以上に、鑑賞中に目を奪われるのは、「美術セット」と「衣装」です。

MCUの中で、これほどに非現実的とも思えるコンセプトに説得力を与えた美術監督(セットデザイン等)は、過去には『ガーディアンズ~』『〜エイジ・オブ・ウルトロン』、そして現在『〜インフィニティー・ウォー』も担当しているチャールズ・ウッド(Charles Wood)です。

セットに漂う気高い雰囲気、歴史を感じさせる細やかな装飾、深みのある色、豊かな発想と奥行きは、ヒーロー映画の水準を超えています。

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その美術スタッフ陣が築いた、ある建物の名前を

"Sanctum Sanctorum/サンクタム・サンクトラム"といいます。

(※ これがどんな場所であるかは、何を語ってもネタバレになるので言いません。でも、この場所は重要です。覚えておいて下さいね!!!)

カンバーバッチは、

Sanctum Sanctorum is utter magic. No pun intended.
サンクタム・サンクトラムは完全なるマジックのよう。シャレではなくてね。

と、そのセット美術の出来映えに感嘆しています。
サンクトラムのセットに限らずですが、美術はこの映画の"もう一つの主役"と言ってもいいほどです。

さらに、衣装デザインを担当したのは、『エリザベス』でアカデミー賞にノミネートされ、その続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』では見事にオスカーを手にし、『マイティー・ソー』『アベンジャーズ』『ガーディアンズ~』『~エイジ・オブ・ウルトロン』と次々とヒーローたちのコスチュームを手がけ、それらのイメージを常に進歩させてきたアレクサンドラ・バーン(Alexandra Byrne)

ティルダ・スウィントンやカンバーバッチが身に纏う衣装のシルエットの格好良さ、ディテールまでのこだわりには、本当にため息が出ます。

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是非、次の二つの mystical な物の名称も覚えておいて下さい!!

the Cloak of Levitation/クローク・オブ・レヴィテーション

Eye of Agamotto/アイ・オブ・アガモット

これらは、ここから先のMCUでも、劇中の登場人物やファンの誰もが、何度となく口にする愛すべきアイテムとなるはずです♪
フレーズだけ、覚えて下さるだけでいいです。

(※ 勉強熱心な皆さん、訳さなくてもいいですよ! 訳したらそれだけでネタバレになってしまうので...笑)

言わずもがなの演技力

そしてもちろん、作品の核となる演技陣は言うまでもなく秀逸です。

スティーヴン・ストレンジを取り巻く、Christine Palmer(レイチェル・マクアダムス)、
the Ancient One(ティルダ・スウィントン)、Karl Mordo(チュウェテル・イジョフォー)、
Wong(ベネディクト・ウォン)、Kaecilius(マッヅ・ミケルセン)…

彼らの役柄への真摯なアプローチがあってこそ、あり得ない架空の世界に、観客は飛び込んでいけるのです。
素晴らしい演技のアンサンブルは、迫力だけでなく、笑いも、ドラマも、存分に生み出してくれます。

ストレンジらと敵対するKaecilius/カエシリウスを演じたマッヅ・ミケルセンは、食い入るようにスクリーンを思わず見つめてしまう瞬間を、悪役として見せてくれます。

出色なのはティルダ・スウィントン。落ち着き、静寂、悟りを拓いた者の内なる強さ、これを体現する彼女は、MCUの中でも忘れ得ぬキャラクターを生んだと言っても過言ではないでしょう。エンシェント・ワンとストレンジの師弟の佇まいには、誰もが惚れ込んでしまうと思いますよ♪

もはや、あなたの知っている"ヒーロー映画" ではないかも?!

監督のスコット・デリクソン(Scott Derrickson)は、この作品をズバリ、

A mind-trip action film
心をトリップさせる(幻覚症状を与える)ようなアクション映画だ。

と、述べています。

予告編だけを見ると、街並が歪んでいく様子の映像から、人の夢の層に入り込んでいく傑作映画『インセプション』を思い浮かべる方もいるでしょう。
しかし、両作は表現している「次元や領域」のコンセプトがまったく異なります

しかも、予告やティーザーの映像で見せているものは、氷山の一角

「CGが売り物の映画だろ?」

「3Dでは映画は見ない」

「ヒーローもの、苦手なんですよ」

という方がもしいたら、その思い込みは、これだけのキャスト陣の演技と、11月に業界を驚かせる成績を生み出した戦略眼、現代の映像技術の高さ... を併せ持つ、この"一人の男の origin story"の映画が、塗り替えてくれるかもしれません。

エンシェント・ワンの劇中のセリフを借りましょう、

ワン: You"re a man looking at the world through a keyhole.
あなたは、鍵の穴から世界を見ようとしている人間なのです。

ワンに仕えるモルドも、傲慢なストレンジにこう言います、

モルド: Might I offer you some advice?
あなたに助言を与えましょうか?

Forget everything that you think you know.
自分はわかってる、と思うことをすべて忘れなさい。

もしかしたら最先端のヒーロー映画は、もはや、あなたの知っている"ヒーロー映画" ではないのかもしれませんよ?

(※注意:このコラムの文中のキャラクターの名称や、監督名・俳優名・女優名などは、"英語のコラム"という主旨から、原語または米語の発音に近いカタカナ表記で書かせて頂いています)

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