初心者にもわかる!マーベル・ユニバースの英語<Vol.1>~アベンジャーズって?MCU第1作から見ていこう~

このコラムシリーズでは、一連のMCU作品群を繋ぐ、キーとなる名称や単語、フレーズ、そして印象深いセリフなどを、"わかり易い、でもたま~にマニアック"な英語解説をしていきたいと思います。今から"MCU"に触れていく皆さん、それからもともとの熱心なファンの皆さんにも楽しんで頂ければ幸いです。

2015年、夏。『アベンジャーズ(Marvel"s The Avengers)』が初めてテレビ地上波で放送され、新作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(Marvel"s Avengers: Age of Ultron)』が劇場公開に。7月18日からは『エージェント・オブ・シールド(Marvel"s Agents of S.H.I.E.L.D.)』シーズン1の無料放送(Dlife)がスタートし、8月15日からはついに日本でも『エージェント・オブ・ シールド』シーズン2が初放送(WOWOW)される!! という、"MCU"の波が一気に押し寄せています。

 

≫≫【海外ドラマで英語学習】最新おすすめ作品&配信サービス紹介!読むだけで学べるコラムも

そもそも“MCU”とは何なのか

「ちょっと...、MCUってまず、何なの?」

と、本当に初めてこの一連の作品群に触れる方にとっては、ツイッターなどで最近見かける「#MCU」という3文字だけでも、な~んとなく敷居が高いはず。

MCUとは、『マーベル・シネマティック・ユニバース』の略です。

Marvel(=元の単語の意味は、驚異、不思議、驚く)は、
マーベル・コミックが原作で、MARVEL STUDIOSが生み出す...

Cinematicは、映画の、映画的な...

Universeは、世界、宇宙、空間、天地万物、全人類、集団...

という意味。

つまり、「マーベルの映画的な世界(宇宙)」という領域の作品群のことです。

このMCUの世界観に連なる作品の未来に、ベネディクト・カンバーバッチ氏マーティン・フリーマン氏など、人気俳優たちの参戦が次々と発表されたことからか(もともとクリス・エヴァンスクリス・へムズワース、トム・ヒドルストンといった、いわゆるイケメン出演者も多い...)、一気に関心が日本でも高まり、巷では「マーベル女子」といった新語までも浸透しつつある現象が起きています。

 

アベンジャーズって誰?S.H.I.E.L.D.って何?

さて、どこから始めて、どこから知れば、最新映画やドラマの展開に追いつけるんだ!? という感じもしますが、まずはここからいきましょう。

"Avengers"って誰なんだ?

そして、

"S.H.I.E.L.D."って何なんだ?

という2点。

 

日本では「アベンジャーズ」という名前が一番知られていると思いますが、実はMCUでは、この両者が2本の大きな柱になっていて、この2つの意味を知っていたほうが、映画もドラマも全体として、あるいは連続作品として、"何倍も!!!" 楽しむことができるんです。

アベンジャーズ

"Avengers"のavengeは仇(あだ、かたき)を討つ、復讐する...といった意味があります。マーベル・コミックの中では"人類の手に負えない敵"と戦ってくれる、超人的な能力を持った人物たち(スーパーヒーローたち)を指します。

一方、"S.H.I.E.L.D."とは?

国際的な平和維持組織です。メンバーは、僕らと同じ、普通の人間たち。所属する者たちは、エージェント/agent(捜査官、工作員)と呼ばれます。凄くわかり易く言えば、『ウルトラマン』の話の中には "科学特捜隊"が登場し、『ゴジラ』や怪獣の世界では "地球防衛軍"のような組織が常に配備されていますが、これらと立ち位置がちょっぴり似ているかもしれません。

S.H.I.E.L.D. は、国際警察でもない、軍隊でもない、FBIでもない、CIAでもない、マーベル・コミックの中の架空の組織です。

 

S.H.I.E.L.D. のメンバーは、 地球上に存在する、人類への危険を及ぼしうる物体・物質・超常現象、そして超人的な能力を持った人物について日夜捜査しています。それらの"スーパーパワー"が、悪人の手に渡ってしまうことを未然に防ぎ、確保した物体や人物を管理して、その「能力」を解明します。未知の能力で有効なものであれば、それを平和利用するためにトレーニングを積ませたりもします。

スカーレット・ヨハンソン演じる、"ブラック・ウィドウ"ことナターシャ・ロマノフも、ジェレミー・レナー演じる、"ホークアイ"ことクリント・ バートンも、S.H.I.E.L.D. のエージェントです。Avenger の一員としても戦いますが、彼らは鍛え上げられた人間。"超人/スーパー ヒーロー"ではありません。

『アベンジャーズ』スピンオフのナレーションから分かること

MCUの映画『アベンジャーズ』からスピンオフとして生まれた『エージェント・オブ・シールド』シーズン1の第1話は、こんなナレーションから始まります。

The secret is out.
秘密は明かされた。

For decades, your organization stayed in the shadows, hiding the truth.
何十年も、あなたたちの組織は影に隠れ、真実を覆い隠してきた。

But now we know. They are among us.
でも、今、私たちも知っている。彼らが我々の中(世界)に居るっていうことを。

Heroes.
ヒーローたち。

And monsters.
そして怪物たち。

The world is full of wonders....
この世界は、驚異(脅威)に満ちている...

 

このナレーションの間に、一瞬一瞬ですが、アイアンマンが飛ぶ姿、マイティー・ソーのハンマー(Thor"s Hammer)、キャプテン・アメリカ/Captain Americaの盾、映画『アベンジャーズ』で地球を襲撃してきたチタウリ/Chitauriという地球外生 物の軍団の顔、そして超人ハルク/Hulkが雄叫びを上げる表情が映ります。

興味深いのは、このナレーションの中に、NYの高層ビル群の他に、東京渋谷の交差点も映し出されること。つまり、これらのヒーローや驚異の事物や怪物が、世界の何処にでも、平和な日本の街であっても、居る可能性がある。S.H.I.E.L.D.の捜査官たちも、きっと日本やアジアの支部がどこかにあって潜伏しているのであろう、ということが見てとれます。

このドラマ冒頭のナレーションは、一般の人々の「」の代表だと思って下さい。

The secret is out. 「秘密は明かされた」

とは、この『エージェント・オブ・シールド』というドラマの設定が、映画『アベンジャーズ』で起きた、あの《NY決戦/The Battle of NY》の後として描かれているからです。アイアンマンやキャプテン・アメリカやマイティー・ソーやハルクらが、宇宙から襲撃してきた異星の生物と(人類に代わって)戦った姿が、メディアを通じて完全に世の中に伝わってしまった...と語っているわけです。

For decades, your organization stayed in the shadows, hiding the truth.
「何十年もの間、あなたたちの組織は影に隠れ、真実を覆い隠してきた」

この"組織"は S.H.I.E.L.D.を指しています。S.H.I.E.L.D.は、長年に亘り、これらの驚異的な事象や超人的な潜在能力を持ち"ヒーロー"となり得る人材たちのことを公にはせず、秘密として保持し続けていた、ということなのです。

しかし、《NY決戦》のあの日から、世界は変わってしまった。Avengerとして戦った各ヒーローのことも、地球内外に人類を脅かす別の生命体がいることも、皆が知ってしまったわけです。

MCU第1作『アイアンマン/IRON MAN』

さて、これからMCUの世界観にどっぷり浸って頂くための第一歩として、やはりMCUの第1作に遡りましょう。

 

2008年の『アイアンマン/IRON MAN』です。(※ 僕自身が、マーベルやアメコミ原作の映画に強い興味を抱くことになったきっかけの作品がこれ!!)

この映画では、アイアンマンがいかにして生まれたかを、非常にテンポよく、知性とユーモアを溢れさせながら、なおかつドラマチックに描いています。この作品のずば抜けた優秀性、土台となった快活なトーンがあってこそ、MCUのその後の作品群の大成功が導かれたと言っても過言ではありません。

その土台となるトーン(演技的にも)を生んだのは、主役に抜擢されたロバート・ダウニーJr.の存在でした。

アイアンマンの正体は、物語上、この1作目の時点で世間にバレています。どう世間にバレてしまうのか? は、この作品の最大の見どころの一つなので是非見て下さいね!!!(ロバートの演技が爽快です♪)

 

大量破壊兵器を作っていた反戦ヒーロー

"アイアンマン"とは、トニー・スターク/Tony Stark(ロバート・ダウニーJr.)という軍事兵器を製造する巨大企業/Stark Industriesの御曹司(天才で、しかも大富豪!)が、自ら開発した強固な戦闘用アーマーのこと。armorとは鎧(よろい)のことで、トニーはこれを全身に装着し、ヒーローとして戦います。単なる鋼(はがね)の鎧ではなく、様々な武器が内蔵され、高速で飛行することも可能。powered armor や powered suit とも呼ばれています。

トニーは、何度となくアイアンマン・スーツの改良を重ねていくので、初号機をMark1、第2号機をMark2と呼び、最新作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』までに、なんとMark43まで開発されています。同じアイアンマンでも、映画の公開に合わせて毎回新たなバージョンのフィギュアが売り出されるのは、そのためです。

トニーは、戦争兵器で稼ぐ「死の商人」でしたが、自ら赴いたアフガニスタンの戦地で、自社が開発した兵器が現地ゲリラの手に渡り、米軍兵士たちの命を奪う攻撃に使われてしまっている事実を知ります。

これをきっかけに、彼は悟りました。そしてメディアにこう語ります...

I had my eyes opened.
目が覚めた(目を開かされた)んだ。

I came to realize that I have more to offer this world
もっと社会に提供出来ることがあるって気づいた、

than just making things to blow up.
爆破を起こす物を造る以外にね。

 

ここからトニー・スタークは、軍事産業から一切手を引くことを決め、アイアンマンの機能を無敵と呼べるほどにアップグレードさせ、ゲリラを撃退し、平和に寄与し始めます。

"かつて大量破壊兵器を作っていた... 反戦ヒーロー"

この矛盾、しかし大きな決断をした生き様がトニーの魅力です。しかし同時にこ の優れた機能の戦闘アーマーの存在は、もし悪の手に渡れば人類にとっての脅威に転じてしまうことになるわけです。そこで、登場するのが、秘密の平和維持組織である「S.H.I.E.L.D.」。彼らは当然、アイアンマン・スーツの存在にも目を付け ていました。

お時間の許す方は、映画を是非見直してみて下さい。TVドラマ『エージェント・オブ・シールド』の主人公であるフィル・コールソン捜査官/Agent Phil Coulsonは、この第1作目の『アイアンマン』の中で、すでにトニー・スタークに何度も接触を試みています。

可能であればこの超人的なパワーを有する "アーマー"を、もしくはトニー・スタークという人物と共に、管理したい!

もしくは

トニーを「◯◯◯◯◯◯◯ 計画」(英語:◯◯◯◯◯◯◯◯ Initiative)に、勧誘したい!

と、S.H.I.E.L.D.は、考えているわけです。

MCU映画の目玉"Post-Credits Scene"

MCUの映画の目玉の 一つに、"Post-Credits Scene"というのがあります。"エンドクレジットの後に加えられているシーン"のことです。米国では、観客 がエンドクレジットになるとすぐ立ち上がって劇場を去ってしまう習慣があるので、このPost-Credits Sceneを見逃している人が意外にもとても多いのですが、マーベル映画のファンだけは最後まで席を立ちません。クレジットの途中や、最後に、次の作品につながるシーン(もしくはおまけシーン)が必ず待っているからです。

 

MCUの1作目『アイアンマン』のクレジット後にも、当然あります。

ここに、マーベ ル・シネマティック・ユニバースを築いていく上で、欠かせない、ある人物が、ドーン!!!!と登場するのです。(※メディアには完全に極秘にされて撮影された、という有名なシーン。多くのスタッフ さえ知らされなかったとか...)

そしてその人物は、トニー・スタークに話しかけるのです...

You think you"re the only superhero in the world?
この世にいるスーパーヒーローが、自分だけだと思っているのか?

Mr. Stark, you"ve become a part of a bigger ◯◯◯◯◯◯◯◯.
スタークさん、あなたはもっと大きな◯◯◯◯◯の一部なんだよ。

この人物こそ、S.H.I.E.L.D.のあの人です。

 

まるで、この後の何年間かを予言するような言葉。そう、MCUの作品群は、最初から脚本上すべての伏線が絡み合っているんです!!!

このシーン、まだ映画をご覧になっていない方は是非是非観て下さいね。それだけでも、最新作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の見え方も変わります。TVドラマ『エージェント・オブ・シールド』の面白さも、グッ!!! と変わります。

次回予告

次回は、S.H.I.E.L.D.の重要エージェントである、マリア・ヒル/Maria Hill(コビー・スマルダーズ演じる)のセリフから、さらに「S.H.I.E.L.D.」という組織と、「アベンジャーズたち」についてひも解いてみたいと思います。

Vol.2をお楽しみに!

 

≫≫【海外ドラマで英語学習】最新おすすめ作品&配信サービス紹介!読むだけで学べるコラムも

\月額990円~/

\ドコモユーザーはこちら/

 

海外ドラマ好きにディズニープラスがおすすめな理由
こんな記事も読まれてます

Photo:『エージェント・オブ・シールド2』 (C)2014 ABC Studios & Marvel 『アイアンマン』 (C)ZUMA Press/amanaimages ベネディクト・カンバーバッチ (C)Izumi Hasegawa/www.HollywoodNewsWire.net マーティン・フリーマン (C)Izumi Hasegawa/www.HollywoodNewsWire.net