初心者にもわかる!マーベル・ユニバースの英語<Vol.7>~アベンジャーズ内の対立の芽~

本年度の公開映画の中で、全世界で第一位の興行収入を記録している『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。

まだ観ていない方は、

「なんで"アベンジャーズ"という仲間のヒーロー同士が、激突し、戦ってるの??」

「ヒーローとヒーローを対峙させるのって、トレンドなのか??」

と不思議に思われるかもしれません。あるいはもうすでに観た方でも、

「あれ、どうしてスティーヴ・ロジャーズ(キャプテン・アメリカ)トニー・スターク(アイアンマン)が敵対することになっちゃったんだっけ??? どのあたりからそうなったの?」

MCU:マーベル・シネマティック・ユニバースの過去作で起きてきたことの記憶があいまいな方もいるでしょう。

アベンジャーズ内の対立の芽

そこで今回は、クリス・エヴァンズ(※米国のトーク番組や宣伝インタビューでもエヴァンスではなくエヴァン"ズ"と発音されているため、今回から本コラムでは「エヴァンズ」の表記に直させていただきます)演じるキャップや、ロバート・ダウニーJr 演じるトニーたちの過去作のシーンの中に書かれてきた、やがて訪れる「対立」への布石となるセリフの数々を取り上げてみます。

このUniverse:世界観の面白さのポイントとして挙げたいのは、"セリフ"や、伏線の置き方の巧さ、そして洒落た言葉の数々です。

シビル・ウォー』で勃発する対立への流れを振り返るために、まずこの場面を最初に取り上げましょう。

1,『インクレディブル・ハルク』の Tag Scene

Tag Sceneとは、他の作品と"つなげるタグ"となるシーンのこと(Post-Credits Sceneとも呼ばれる)ですが、珍しくこの作品では、映画が終わった直後、クレジットが流れ出す前にこの場面が映し出されます。おそらく、タグ・シーンが在ることを知らない観客が、クレジットが始まった時点で席を立ってしまうことを予想し、この構成にしたのでしょう。
(この2008年のMCU第2作目の時点では、「Post-Credits=クレジットの後」にシーンが用意されていることに、まだ観客のほとんどが馴染んでいませんでした)

映画『インクレディブル・ハルク』の舞台は現代。
米国陸軍の将軍:US Army Lieutenant Generalであるサディアス・ロス/Thaddeus Ross(ウイリアム・ハートが演じる)は、第二次大戦中に頓挫したスーパー・ソルジャー計画の再現(超人血清/Super Soldier Serum 再生の研究)を進めていた。しかしこの研究に失敗。この計画に協力し、自らの肉体を実験に提供したブルース・バナー(ブルースはロス将軍の娘の恋人だった。この映画ではブルースをエドワード・ノートンが演じている)は、ガンマ線を使用した悪影響によって緑の巨人ハルクに変貌してしまう。超人的パワーを制御できないハルクは逃亡者となり、この失態を隠しておきたいロス将軍は、ハルクを捕獲しようと追いかけた。

Super Soldier を生み出す血清」とは、70年前の大戦中に米軍が密かに華奢でひ弱だった愛国青年スティーヴ・ロジャーズを"キャプテン・アメリカ"という超人に生まれ変わらせた血清。
成功したのはスティーヴの一例のみで、当時その血清を作った博士は暗殺されてしまったので、この「スーパー・ソルジャー計画」自体は、キャプテン・アメリカを生んだと同時に消滅していた。

サディアス・ロス将軍は、この実験を再現しようと試みるも失敗、結局ハルクを捕らえ自分の指揮下におくことも断念した。

そして『インクレディブル・ハルク』の物語が終わった直後のタグ・シーン...

ロス将軍は、愛娘からの信頼も失い、度重なる失敗にうちひしがれてバーで独り飲んだくれていた。

そこにあの男が現れる。
その男とはトニー・スターク
場末のバーに、パリッとしたスーツとネクタイ姿で入ってくる。

トニーは以前、スターク産業のトップとして米軍の兵力・兵器に大きく貢献を果たしていたため、将軍にも対等に口がきけてしまう存在。

トニーが背後から話しかける。

トニー:You know, I hate to say, "I told you so", General,
「だから言っただろ」っていうのは気が引けるけどね、将軍、

But that Super Soldier program was put on ice for a reason.
スーパー・ソルジャー計画は、ちゃんと理由があって凍結されたのさ。

I've always felt hardware was more reliable.
俺は、ハードウェアのほうが、より信頼できると思うね。

ロス:Stark.
スタークか。
トニー:General.
やあ、将軍。
ロス:You always wear such nice suits.
いつも、良質のスーツを着てるな。

トニー:Touche.
上手いこと言うね。

I hear you have an unusual problem.
あんたが、尋常でない問題を抱えてるって聞いたよ。

ロス:You should talk.
言いたいことがあるならハッキリ言え。

トニー:You should listen.
聞きなよ。

What if I told you we were putting a team together?
チームを1つ、共に結成しようと思ってるんだがね?

ロス:Who"s "we"?
"共に"って、誰がだ?

 

短いタグ・シーンですが、実は沢山の意味が含まれています。

トニーが言う、「Super Soldier program was put on ice」=「凍結された」とは、実験が行き詰まったことをもちろん指すのですが、キャプテン・アメリカが「70年間も氷漬けになった」という不幸な顛末の比喩でもあります。

「スーパー・ソルジャーを生み出す計画なんて、機能しないんだよ...」

と、皮肉を言っているのです。さらに、

hardware was more reliable」、"ハードウェア"つまり、人体を実験台にするのではなく"機械、計器、電子機器、回路、コンピュータ・システムなど"を開発して頼ることのほうが有効だ、とハッキリ述べています。

頭脳明晰で天才エンジニアである、スターク産業の社長トニーに対して、ロス将軍はこう皮肉を返します。

always wear such nice suit

"such nice suit"とは、単に洋服を指しているのではありません。
トニーの、無敵の「アイアンマン・スーツ」のことを言っているのです。

"あんなナイスなスーツ"は、軍には製造できない。
米国の軍事力・兵力より、一個人が所有するロボット・アーマーのほうが強力であるという現実への嫉妬が垣間見えます。ロス将軍とトニーは犬猿の仲だと言われています。

an unusual problem」とは、制御不可能のハルクと、ロス将軍の部下ブロンスキー(ハルクと死闘を繰り広げる、怪物アボミネーションに変貌した男)をどうするか? という問題。

トニーはすでに、国際平和維持組織「S.H.I.E.L.D.」が始めようとしている『アベンジャーズ計画』にコンサルタントとして関わっているので、ハルクやアボミネーションといった怪物たちの所在も押さえておきたいわけです。

トニーの申し出に対し、Who"s "we"?(="私たち"だと? 誰のことだ?)と問い返すその態度に、犬猿の仲の間柄がよく感じ取れます。

このシーンで語られる、トニーの強い"ハードウエア志向"は、技術力に裏付けられた確信だと言えるでしょう。
しかも、軍の保有する兵器の力では、もはや人類や社会を守りきれない... ということを、トニーも、「S.H.I.E.L.D.」も、よく解っているのです。

やがて、「S.H.I.E.L.D.」はハルク/ブルース・バナー博士の所在を突き止め、映画『アベンジャーズ』で彼(この作品からマーク・ラファロに俳優が変更)も、地球と人類を守るアベンジャーとして招集されるのです。

2,『アベンジャーズ』での口論シーン

MCU第6作目の『アベンジャーズ』で、初めてスティーヴ・ロジャーズトニー・スタークと出会います。

このコラムの第3&4弾で触れていますが、スティーブは第二次大戦中にトニーの父ハワード・スタークと巡り会っています。なんと、"キャプテン・アメリカ"を生んだ実験に、ハワード・スタークが携わっていたのです。そして、無敵のヴァイブレイニウム(唯一ワカンダ王国で採掘される稀少金属)を使用したキャップの盾も、ハワードがその形に造り上げました。

ですから、トニーにとって「キャプテン・アメリカ」という超人は、父ハワードが手がけた"産物"でもあるわけです。トニーは、父に愛されていなかった...と思い込んで育っただけに、歴史的なヒーローであるスティーヴに敬意は持っているものの、父の遺した"クリエーション"であるということに複雑な心情も抱えています。

少し長くなりますが、監督であり脚本家のジョス・ウィードンが描いた口論シーンを今回は解説してみたいと思います。こういう長い議論は、なんとなく聞き流してしまいそうですが、実はアベンジャーたち一人一人が置かれている立場と、それぞれの考え方を非常に上手く語った名シーンです。

 

場面は、「S.H.I.E.L.D.」が保有し操る巨大飛行空母ヘリ・キャリアーの中。

アベンジャーの面々が全員集められ、「S.H.I.E.L.D.」が隠していた意外な目論みを彼らが知ったことから始まります。
Bruce Banner(ハルク), Thor(ソー), Tony Stark(アイアンマン), Steve Rogers(キャプテン・アメリカ), Nick Fury(S.H.I.E.L.D. 長官), Natasha Romanoff(S.H.I.E.L.D. の諜報員・スパイ)らが、「テッサラクト」という彼らの今後の運命を握る、とてつもない威力を秘めたコズミック・キューブについて話している会話です。

テッサラクト」とは、次元の間を行き来を可能にする、地球上ではあり得ない無限のパワーを有するキューブ。古くはアスガルド王国(ソーの故郷)の宝物で、やがて地球の地にもたらされ北欧伝説として語られていました。しかし第二次大戦中にキャップの宿敵であるHYDRAのレッドスカルがこれを手にし、武器精製のために使用しようとします。キャップがレッドスカルを退治したのち、長年に亘りこのキューブをS.H.I.E.L.D. が保管。
ところが現代、このキューブの異次元パワーを狙ったソーの義弟ロキ(コラム第6弾を参照)が宇宙と地球の間を移動できるゲートウェイを開くことに成功。ロキが地球上に降臨してしまうのです。

S.H.I.E.L.D.も、テッサラクトに秘められた能力を研究していましたが、敢えなくロキに奪われてしまうのでした。そしてそのテッサラクトを、実は S.H.I.E.L.D.も兵器開発に利用しようとしていたことを、アベンジャーの面々が知ってしまったのです。

ブルース:I"d like to know why S.H.I.E.L.D. is using the Tessaract to build weapons of mass destruction.

S.H.I.E.L.D. がなぜテッサラクト(の威力)を使って、大量破壊兵器を造ろうとしているのかおしえて欲しいね。

長官:Because of him.
彼のせいだ。
ソー: Me?
わたし?

長官:Last year, Earth had a visitor from another planet who had a grudge match that leveled a small town.
昨年、地球は異星からの来訪を受けた、小さな町をなぎ倒すくらいの遺恨試合を持ち込む奴のね。

この「grudge match」とは、ロキのソーに対する恨みによって起きた争い、つまりアスガルドの王国の内輪喧嘩を指します。

長官:We learned that not only we"re not alone, but we"re hopelessly, hilariously, outgunned.

我々は、この宇宙に存在するのが我々だけではないことを知った、
しかも、愕然とするほど太刀打ちできる見込みがないことを悟った。

ソー:My people want nothing but peace with your planet.
私たちが、あなたの星(地球)に対して求めているのは平和だけだ。
長官:But you"re not the only people out there, are you?
しかし宇宙(別次元)に存在するのは、あなた方だけではないだろう?

そう、アスガルドの神々だけでなく、別の(宇宙)次元には、やがて地球を攻めて来るチタウリ兵や悪の権化サノスもいるわけです。

長官:And you're not the only threat.
(地球にとって)脅威になるのは、あなた方だけではない。

The world"s filling up with people who can"t be matched, that can"t be controlled.
世界は、もはや力の敵わない、コントロールの利かない輩で溢れている。

スティーヴ:Like you controlled the Cube?
キューブもコントロールして操ろうと試みたように?

ソー:Your work with the Tessaract is what drew Loki to it, and his allies.
あなた方がテッサラクトを利用した試みが、ロキとその仲間を惹き付けた。

It is a signal to all the realms that the Earth is ready for a higher form of war.
すべての(異星の)王国に向けて、地球には高い次元の戦いへの備えがある、と信号を送ってしまったんだ。

長官:You forced our hand. We had to come up with something.
あなたたちが我々にそうさせた。(脅威に)備えるしかないだろう。
トニー:A nuclear deterrent. Because that always calms everything right down.
核による抑止(阻止)か。すべてをねじ伏せるつもりだったってことか。
長官:Remind me again how you made your fortune, Stark.
スターク、君はそれで財を成してきたのを忘れたわけではないよな。

長官フューリーは、スターク産業が軍需で儲けてきた現実を痛烈に皮肉っています。

スティーヴ:I"m sure if he still made weapons, Stark would be neck-deep...
もしスタークが今も武器を造り続けていたら、どっぷり浸かっていたのは間違いないな...
トニー:Wait, wait, hold on. How is this now about me?
おい、ちょっと待てよ、なぜこの件を俺の話にすり替えるんだ?

兵器製造を止める決意を『アイアンマン』1作目で表明したトニーは、もう戦争兵器でのビジネスはしない。なぜ昔の話を蒸し返すんだ? という意味です。

スティーヴ:I"m sorry, isn"t everything?
悪かったな、でもそれがすべてだろ?
ソー:I thought humans were more evolved than this.
人類はもっと進歩しているかと思ってたよ。
長官:Excuse me, did we come to your planet and blew stuff up?
失礼だが、我々は決してあなた方の星(故郷)を破壊したりはしていないがね?

地球人はアスガルド人を攻撃したりはしません。人間にはそのような力が無い。
だが、異星からは攻撃される可能性がある。だから、それに対抗するアベンジャーたちが必要だというのが「アベンジャーズ計画」の発足理由です。

 

ソー:You treat your champions with such mistrust.
あなたは、あなたの守護者(戦士)を信用していないんだな。

ナターシャ:Are you boys really that naive?
S.H.I.E.L.D. monitors potential threats.

あなたたちって、そんなにナイーヴなの?
S.H.I.E.L.D. は、脅威の可能性のある者(物)を監視するのよ。

ここでは、ナターシャの仕事のスタンスが見えます。彼女はナイーヴではない。
MCUの作品の中で彼女はそのスパイ能力で、ずっと「監視」を続けてきました。
巧みな探り方で、ロキさえも騙せる諜報力。

続編『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』での、バナー博士との間で描かれる恋愛(?)とも受け取れるやりとりのシーンに、「こんなのロマノフじゃない!」というファンの反発の声も聞かれますが、ナターシャの役割は、"脅威"や"スーパーパワー"の持ち主をS.H.I.E.L.D.が監視できる場所に引き止め「管理」すること。だとすれば、"恋愛"に映る態度ももしかしたら見せかけ...なのかも知れません。
ジョス・ウィードンは脚本家として、そこまで仕掛けている! と僕は見ています。

ブルース:Captain America"s on threat watch?
キャプテン・アメリカまでも、脅威として監視されるのか?
ナターシャ:We all are.
わたしたち、皆よ(監視されているのは全員)。

しばらく議論は続いた後...

ソー:You speak of control,yet you court chaos.
コントロール(抑制)と言っているが、それが混乱を招いている。

ブルース: That's his M.O., isn"t it?
それが彼(S.H.I.E.L.D.長官)の"やり方"なんだ、そうだろ?

I mean, what are we, a team?
僕たちは、いったい何だ、チームと言えるのか?

No, no, no, we're a chemical mixture that makes chaos.
We're a time bomb.

いや、違うね、僕らは化学品の寄せ集めさ、混乱を引き起こす。
僕らは、時限爆弾なんだよ。

会話は続き、挑発がスティーヴとトニーの間で起こります。

スティーヴ:Big man in a suit of armor. Take that off, what are you?
鎧のスーツを身にまとって、虚勢を張る男さ。それが無かったら、あなたは何だ?
トニー:Genius, billionaire, playboy, philanthropist.
天才、億万長者、プレイボーイ、博愛主義者(慈善家)。

スティーヴ:I know guys with none of that worth ten of you.
何も無くたって、あなたより10倍も価値がある男たちを俺は知ってるよ。

I've seen the footage.
映像で(あなたの活躍は)見た。

The only thing you really fight for is yourself.
でも本当は、自分のために戦っているだけだろ?

You"re not the guy to make the sacrifice play,
to lay down on a wire and let the other guy crawl over you.

あなたは、自分が鉄線(綱)の上に横たわって、
仲間を渡らせてやるような犠牲を払える人間じゃない。

トニー:I think I would just cut the wire.
俺なら、その綱を切るよ。

スティーヴ:Always a way out.
いつでも、(あなたには)逃げ道がある。

You know, you may not be a threat
but you better stop pretending to be a hero.

あなたは「脅威」にはならないのだろう、でもヒーローのふりなんて止めるべきだ。

トニー:A hero? Like you?
ヒーロー? お前のような?

You are laboratory experiment, Rogers.
お前は、研究室での実験の産物だよ、ロジャーズ。

Everything spacial about you came out of a bottle.
お前の特殊な力は、(フラスコのような)瓶の中から生まれたにすぎない。

キャプテンの能力も、ハワード・スタークらのようなエンジニアや科学者の"技術"によって生まれた「兵器として造られた力」であり、崇高なものではない、と言い返しています。

スティーヴ:Put on the suit. Let"s go a few rounds.
スーツを付けろ、何ラウンドか、相手してやる。

トニーとスティーヴ2人の間には、「英雄」「仲間」「犠牲」「平和」といったことへの考え方に隔たりがあるように見えます。
映画『アベンジャーズ』の、この口論の時点では、2人はお互いをまだ信用できていない。
アベンジャーたち全員が、お互いをまだ信頼していないのです。

スティーヴの心には、第二次大戦の最前線で、兵士の仲間や親友バッキー・バーンズと支え合った記憶がまだ鮮烈に刻まれています。「犠牲」や「死」を目の前で見てきたのです。

トニーは、兵士(戦士)の美徳や正義感を振りかざすスティーヴに対して、

I would just cut the wire. =俺なら、その綱を切るさ

と言い放ちました。
この言葉は、理想主義のスティーヴをガッカリさせるには充分です。
この時の両者の「誤解」は、すぐには解けません。 根深い疑心を生んだはずです。

しかし、トニーは、売り言葉に買い言葉として放ったのです。 決して本心ではありません。

なぜなら、トニーも『アイアンマン』1作目で、アフガニスタンの戦線で自分を守るために命を落とした若い米兵たちの姿を目の当たりにしています。戦地で拉致され閉じ込められた洞窟の中で、"アイアンマンのスーツ(初号機)" を造り出したトニーをそこから逃がすために、自分の命を犠牲にしたインセン博士との友情を忘れてはいないからです。
そこから、真の「平和」を目指すようになったからです。

いくらスティーヴが、

I've seen the footage.=映像で(あなたの活躍は)見たよ

と言っても、それはトニーが軍需産業の御曹司として華々しく過ごしていた日々と、「アイアンマン」として活躍した後の映像でしかありません。トニーがアフガニスタンの戦地で見た苦悩を生む光景を、スティーヴが目にすることはないのです。

スティーヴは、70年前に特殊能力を授かった一兵士。元は虚弱な青年
トニー民間人であり、現代の技術者、元は軍需ビジネスで生きてきた富豪

この2人の成り立ちは大きく違う。だから摩擦も誤解も生まれます。

しかし、映画『アベンジャーズ』の中で、この2人や、アベンジャーそれぞれの間に、信頼や友情の芽が芽生えます。

そして、トニーは仲間や地球の人々の命を守るために、自分を「犠牲」にする行動を最後に見せます。
そこから、個々のヒーローたちは、"アベンジャーズ"というチームとなり、共に極限の死闘を乗り越えていく。

しかし、リスクと混乱を孕むこのチームは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、また衝突してしまう問題に直面してしまうのです...

タグ・シーンもお見逃しなく

今回のコラムに登場した「ロス将軍」は軍を退役した後、米国の国務長官に立場を変えて、MCUの最新作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に8年ぶりに再登場します。
しかも嬉しい名優ウイリアム・ハートの続投で。

 

かつて、ハルクを制御し指揮下におく計画に失敗した男が、『シビル・ウォー』では、どうヒーローたちと関わろうとするのか...?
『インクレディブル・ハルク』のタグ・シーン、観ておいたほうが、より『シビル・ウォー』を楽しめます。

そして次回コラム第8弾でも、『シビル・ウォー』への布石となってきた、スティーヴ・ロジャーズとトニー・スタークのぶつかり合いのセリフをさらに解説します。

どうぞお楽しみに!!

(※注意:このコラムの文中のキャラクターの名称や、監督名・俳優名・女優名などは、"英語のコラム"という主旨から、原語または米語の発音に近いカタカナ表記で書かせて頂いています)

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Photo:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 (C)2016 Marvel. ウイリアム・ハート (C)Ima Kuroda/www.HollywoodNewsWire.net