NAVIライター&編集部おすすめ海外ドラマ総括|2017年後編

2017年も残すところあと数日! 今年もたくさんの海外ドラマが話題になりましたが、NAVI編集部スタッフとライターがそれぞれお気に入りの3作品をご紹介! 2018年に見始めるドラマの候補にしてみてくださいね!

目次

・海外ドラマをおすすめするシャーロッキアン見習いは...

海外ドラマ初体験は、小学生での『シャーロック・ホームズの冒険』。以来、英国を中心にミステリーものを漁りまくり、たとえコメディドラマを見ていても伏線を探す癖が抜けない日々。

■ミステリー×ヒューマンドラマの英国版『コールドケース』、女性刑事の相棒も必見!『埋もれる殺意~26年の沈黙~』

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見ながら頭の中で予想していた展開が心地良く裏切られた『ザ・ファイブ-残されたDNA-』『アメリカン・ゴシック』など今年も面白いミステリーがいくつかあったが、特に印象深いのが、ミステリードラマに定評のある英ITVによる『埋もれる殺意』の第2シーズン。39年前に起きた殺人事件を扱った前シーズン同様、今回も事件が起きた26年前と現在で事件の関係者たちがどう変化したかといったところが細やかに描かれており、『コールドケース』を彷彿とさせる展開はそのまま継続。事件自体も、犯人が誰か分かれば終わりとはならない深いテーマがそこに含まれており、ミステリーというよりもヒューマンドラマとして見ごたえがあった。各シーズンで異なる事件を手掛けるのでどのシーズンからでも見始めることができる気軽さも嬉しい本作は、第3シーズンの製作がすでに発表されている。

また、2シーズン目ということでキャラクターがより深く掘り下げられる中、要注目なのが主人公の女性刑事キャシーの相棒サニー。キャシーと一緒に捜査に当たり、彼女を全面的に信用しながらも、家では出て行った妻に代わって娘たちの世話に追われる普通の中年男性というギャップが良い。演じるサンジーヴ・バスカーは年明けに公開される映画『パディントン2』にも出演しているが、今後どんどん活躍の場を広げそうだ。

製作総指揮:ローラ・マッキー(『ベネディクト・カンバーバッチ ホーキング』)ほか
出演:ニコラ・ウォーカー(『MI-5 英国機密諜報部』)、サンジーヴ・バスカー(『ミラクル・ニール!』)、ピーター・イーガン(『ダウントン・アビー』)ほか

■『デス妻』好き必見!女性たちによる極上ミステリー『ビッグ・リトル・ライズ』

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全7話のミニシリーズよりも、7時間の大長編映画という表現がふさわしい作品。監督が『ダラス・バイヤーズクラブ』ジャン=マルク・ヴァレ、脚本が『アリーmyラブ』デヴィッド・E・ケリー、主演&製作総指揮がニコール・キッドマンリース・ウィザースプーンという二人のオスカー女優とくれば、面白くないわけがないが、その予想を軽く上回る完成度で、エミー賞を総なめにしたのも納得だ。メインキャラクターは子どもを抱えたシングルマザーや元弁護士の女性たちで、そろって秘密がある。そこへ殺人事件も起きるため、『デスパレートな妻たち』との類似性を指摘されるが、コミカルな要素がある一方で社会問題も盛り込んでいるのが本作の大きな魅力。

豪華キャストの多くは従来のイメージとは異なる役を演じているが、それに違和感を覚えることがないのは演技力と脚本・演出が優れている証拠。家族にすら呆れられるほど喧嘩っ早いマデリン、キャリアはあるが鬱屈したものを抱えているレナータといった強烈な女性キャラクターは必見だ。高評価を受けて新シーズンが製作されることになったが、続編でも期待を裏切らないストーリーが展開することだろう。

企画・脚本:デヴィッド・E・ケリー(『アリーmyラブ』『弁護士ビリー・マクブライト』)
出演:ニコール・キッドマン(『アイズ ワイド シャット』)、リース・ウィザースプーン(『キューティ・ブロンド』)、シェイリーン・ウッドリー(『ダイバージェント』)、アレキサンダー・スカルスガルド(『トゥルーブラッド』)、ローラ・ダーン(『インランド・エンパイア』)ほか

■カトリック最高権力者は革命児?それとも悪魔?ジュード・ロウの美しさに酔う『ヤング・ポープ 美しき異端児』(『ピウス13世 美しき異端児』

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アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『グレート・ビューティー/追憶のローマ』の監督パオロ・ソレンティーノが描くのは、カトリックにおける最高権力者であるローマ教皇。教皇が主人公のドラマといえば『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』もあったが、今回の教皇は私利私欲に走り、タブーを犯しまくったそのロドリーゴ・ボルジアよりも型破りだ。人々に強い信仰心を取り戻すためとして様々な改革を起こすが、それがバチカン市国、ひいてはカトリック教会そのものをも揺るがすことになる。とはいえ、本作は堅苦しい宗教ドラマではなく、カトリックについて詳しくなくても問題なく楽しめる。それは冒頭の15分を見ればすぐに分かるだろう。讃美歌だけでなく突然ロックやテクノ調のBGMが流れるように、演出やストーリーが一筋縄ではいかず、シニカルやブラックコメディのテイストにあふれている。

同じくあふれているのが主演のジュード・ロウの魅力。2000年前後にその美貌で注目された彼も近年は影が薄くなりつつあったが、本作では『リプリー』『ガタカ』の頃を彷彿とさせる、他人を振り回す俺様キャラが全開。「自分はハンサムなので見とれるのも無理はない」と言い、相手が誰であろうとも権力と頭脳を武器にやりこめる。また、宗教よりもサッカーチームのことが気になる枢機卿など、周りのキャラクターとそれを演じる俳優の演技も秀逸。そして、一つひとつのカットが絵画のように美しい、豪華なセットと美しいロケで作られた映像美も一見の価値ありだ。

企画:パオロ・ソレンティーノ(『グレート・ビューティー/追憶のローマ』)
出演:ジュード・ロウ(『コールド マウンテン』)、ダイアン・キートン(『アニー・ホール』)、シルヴィオ・オルランド(『息子の部屋』)、ジェームズ・クロムウェル(『ベイブ』)、リュディヴィーヌ・サニエ(『8人の女たち』)ほか

・海外ドラマをおすすめするNAMIは...

気がつけば子どもの頃から洋画&海外ドラマにハマりまくり、今まで見たドラマの数は膨大に。『ブレイキング・バッド』をこよなく愛し、これ以上の最高傑作はなかなか登場しないのではないかと思っている。1話完結の作品よりも、次が気になって眠れなくなってしまうような、ガッツリとクリフハンガーがあるシリーズが好み。

■笑ってはいけない...と思いつつ笑ってしまう新感覚コメディにヤラれた!『ユニークライフ』

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見たいと思っていたドラマを全部見終わってしまい、「とりあえずの時間潰し」といった感覚で見始めたのが本作。そんな経緯だったので全く期待せずに手をつけたのだが、これが今まで経験したことがないような"笑い"をもたらしてくれるコメディで、すっかりハマりまくってしまったのだ。

主人公は、上手く人とコミュニケーションを取れず、限られた行動や興味、反復行動を引き起こす自閉症スペクトラム障害を抱える高校生のサム。健常者が通う高校に通ってはいるが、周りからは"変人"扱いされてイジメの対象になってしまうことも...。そんな彼は年頃ということもあり、そろそろ恋をして彼女が欲しいと思うように。そこで、バイト仲間のザヒードや父親ダグの助言をもとに、人生初の恋愛に踏み出そうと頑張るのだが...。

普通の感覚で物事を捉えて判断できないサムの言動は、とにかく天然ボケの域を超えまくり! しかし、本人は人を笑わそうと思ってやっているのではなく、自閉症スペクトラム障害を抱えている彼がすることだけに「笑ってはいけない...」と思いつつも、どうにも笑いを抑えること出来ないのだ。おそらく、この新感覚のユーモアは製作チームの狙いどころではないかと思うのだが、全く常識やTPOに捕らわれることなく自由に行動するサムを見ていると、羨ましくすらある。

また、そんなサムの面倒を見る姉ケイシーや息子の自立に戸惑う母親のエルサ、幼少時は打ち解けられないでいた父親ダグとの絆など、サムを取り巻く家族関係もユーモアたっぷり、かつ感動的に描かれる。

製作総指揮:セス・ゴードン(『スニーキー・ピート』)、ロビア・ラシード(『ママと恋に落ちるまで』)ら
出演:キーア・ギルクリスト(『ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ』)、ジェニファー・ジェーソン・リー(『ヘイトフル・エイト』)、エイミー・オクダ(『殺人を無罪にする方法』)、グレアム・ロジャース(『クワンティコ/FBIアカデミーの真実』)など
配信局:Netflix

■現代版『ツイン・ピークス』とでも呼びたいドロドロな青春ミステリードラマ『リバーデイル』

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本作は、米ティーン向け長寿コミック「Archie」の登場人物にインスパイアされたミステリードラマシリーズ。

一見平和な町リバーデイルで高校の人気者ジェイソン・ブロッサムが行方不明になり、後に遺体となって発見された彼の事件の捜査が開始される。事件の謎が少しずつ解かされていく過程で、死んだジェイソンやブロッサム家の秘密、町に越してきたヴェロニカ・ロッジの父親の裏の顔などが徐々に明らかになっていく...。

トレンディな明るい高校青春ドラマを期待したら、絶対に裏切られてしまう作品である。そして、田舎町で起きた不可解な殺人事件に美少年の水死体、ドラッグとセックス、犯罪やバイカーギャングの抗争が取り上げられる本作を見た人の多くが、鬼才デヴィッド・リンチ監督の『ツイン・ピークス』を連想してしまうのではないだろうか。また、現代を舞台にしているはずなのに、ふんだんに劇中で使用されるオールディーズや50年代風のファッションなど、ノスタルジックな感覚がタップリなのもシリーズに独特の雰囲気を加えている。

全然若くない筆者が、登場人物のほとんどが高校生...というドラマに手を出すのは少々気が引けたのだが、劇中に登場するオジ様陣が懐かしの顔ぶれで思わず惹きつけられてしまったのだ。主人公アーチーの父親フレッドを演じるのは、『ビバリーヒルズ青春/高校白書』のディラン役で大ブレイクしたルーク・ペリー、ジャグヘッドの父親FP役でスキート・ウールリッチ(『ジェリコ ~閉ざされた街~』)が登場し、かつてのイケメンがイケオジに華麗に変身を遂げた姿を拝めるのも見どころの一つ。またベティの母親アリス役で、『ツイン・ピークス』でシェリーを演じたメッチェン・エイミックが出演しているのも、リンチ監督作品へのオマージュを感じてしまうのだ。

シーズン2では、謎の連続殺人鬼ブラックフッドが町を恐怖に陥れ、これから先、どれだけ本作がダークになっていくのか楽しみだ。

出演:K・J・アパ(『僕のワンダフル・ライフ』)、リリ・ラインハート、カミラ・メンデス、コール・スプラウス(『フレンズ』)、メッチェン・エイミック(『ツイン・ピークス』)、ルーク・ペリー(『ビバリーヒルズ高校/青春白書』)など
配信局:Netflix

■独自に進化する『ブレイキング・バッド』スピンオフ版の面白さが止まらない!『ベター・コール・ソウル』シーズン3

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筆者が愛して止まない『ブレイキング・バッド』の放送が終了した時、しばし"『ブレイキング・バッド』ロス"状態が続いて苦しんだ時期があった。そんななか登場したのが、本家の前日章に当たるスピンオフ版『ベター・コール・ソウル』だ。

オリジナルに登場した悪徳弁護士ソウル・グッドマンが、本名ジミー・マッギルを名乗っていた時代が描かれる作品は、なにかと『ブレイキング・バッド』のキャラクターが登場する度に話題になり、その点ばかりに注目されてしまいがち。確かに、本家のファンとしては懐かしの登場人物が姿を見せてくれたら嬉しい限りなのだが、本作の見どころはそれだけではない。

あくまでオリジナルの世界観を残しながらも、どのようにソウル・グッドマンという悪徳弁護士が誕生したのかが丹念に描かれ、スピンオフを見ることで本家への理解がさらに深まる構築になっているのは、敏腕クリエイター、ヴィンス・ギリガンの力量によるところが大きいと言える。

オリジナルで脇役だった人物を主役にしたスピンオフでは、演じる俳優にカリスマ性が足りなかったりキャラクターのパワー不足で燃料切れしてしまい、打ち切りになってしまうケースが少なくない。しかし『ベター・コール・ソウル』は、ソウルを演じるボブ・オデンカークの演技力と存在感、ギリガンの脚本と演出が強力なケミストリーを生み出して独自に進化し続けている。そんな、本家の添え物的シリーズで終わらない魅力で、本作はシーズン4への更新が決定! 一体どのように『ブレイキング・バッド』の本質へ結びついていくのか、今度の展開から目が離せなくなりそうだ。

製作総指揮:ヴィンス・ギリガン(『ブレイキング・バッド』)、マーク・ジョンソン(『堕ちた弁護士 ~ニック・フォーリン~』)ら
出演:ボブ・オデンカーク(『ママと恋に落ちるまで』)、ジョナサン・バンクス(『弾丸刑事(デカ) 怒りの奪還』)、レイ・シーホーン(『リーガル・バディーズ フランクリン&バッシュ』)など

・海外ドラマをおすすめするErina Austenは...

宇宙、未来、超常現象という言葉に弱いので、SF系はまず見ます。ヒューマンドラマ、犯罪心理学系、裁判物、ティーンドラマなどもカバー。イケメンも大事ですが、カッコイイ美女が出ている作品ならなおさら好み!

■サヴァン症候群の若手外科医が主人公。2017年全米秋のナンバーワンヒットドラマ『グッド・ドクター』

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医療ドラマ『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』のクリエイター、デイヴィッド・ショアが、韓国で高視聴率を獲得した人気ドラマ『グッド・ドクター』をリメイクしたもの。自閉症スペクトラムとサヴァン症候群を抱えながらも天才的暗記力と人体のあらゆる器官の構造を把握する脅威の空間認識能力をもつ主人公の若手外科医ショーン・マーフィー(フレディ・ハイモア)が、権威ある病院に採用され、小児外科で医者としても人としても成長していく物語。

なんといっても、同作でゴールデン・グローブ主演男優賞にノミネートされたフレディ・ハイモアの天才的演技力が見もの! 自閉症スペクトラムを持つ青年を見事に演じるフレディに全米が驚愕したのだ。リチャード・シフ、ヒル・ハーパー、ニコラス・ゴンザレスなど脇を固める名優陣の存在感にも唸らせられる。また、本当に自閉症スペクトラムを持つ俳優志望の青年をゲスト出演させるなど、新たな試みでも話題をさらい、視聴率は常に全米トップ圏内で、今年一番の大ヒット作と言っても過言ではない作品。韓国版とも若干異なる設定故、アメリカ版にしかいない主要キャラクターなどもおり、韓国版を見た人でも、違う作品として新たに楽しめる。時にコミカルで、時に緊迫間に包まれ、時に涙が止まらない、若者から年配者まで、幅広い層の視聴者がはまれるドラマ。

製作総指揮:デイヴィッド・ショア、ダニエル・デイ・キム(『HAWAII FIVE-0』)
出演:フレディ・ハイモア(『ベイツ・モーテル』)、リチャード・シフ(『ザ・ホワイトハウス』)、ニコラス・ゴンザレス(『プリティ・リトル・ライアーズ』)、アントニア・トーマス(『Misfits/ミスフィッツ -俺たちエスパー!』)など

■『X-MEN』の知識がゼロでも楽しめる『The Gifted/ザ・ギフテッド』

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映画『X-MEN』を手掛けたブライアン・シンガー製作総指揮による、TVドラマシリーズ。検察官リード・ストラッカーは、妻ケイトリンと郊外の街で二人の子ども(姉:ローレン、弟:アンディ)とごく普通の日常生活を送っていた。ある日、息子アンディが高校で起こした事件から自分たちの子どもは"人類を超越した能力を持つミュータント(=ギフテッド)だと気づき、その生活は一変する。この事件をきっかけに、一家はミュータントを追跡する政府機関「センチネル・サービス」と捜査官ジェイス・ターナーに追われることに。父リードもミュータント犯罪を専門とする検察官だったが、家族を守るため仕事を捨て逃亡。行き場に困った一家はミュータントたちで結成される地下組織に助けを求める。ミュータントと人間が攻防を繰り広げる壮大なSFヒューマンドラマ。

マーベルファンなら絶対外せない作品だが、『X-MEN』の知識がゼロでも間違いなく楽しめるストーリー展開になっている。(筆者も詳しい方ではないですが、しっかりはまっています)ミュータントを持つ子どもと普通の両親との家族愛や、人間とミュータントがわかりあっていく姿は考えさせられるものが。そして映画並みの特殊効果映像で迫ってくる戦闘シーンは圧巻。また『パーソン・オブ・インタレスト』のルート役で人気を博したエイミー・アッカーをはじめ、ジェイミー・チャン、ナタリー・アリン・リンド、エマ・デュモンなど戦う強い美女が勢ぞろいなのも魅力。第1話ではアメコミ界の重鎮スタン・リーがこっそり登場するなど、今後も視聴者を楽しませる仕掛けにも期待したい。

出演:スティーヴン・モイヤー(『トゥルーブラッド』)エイミー・アッカー(『パーソン・オブ・インタレスト』)、ブレア・レッドフォード(『理想の夫婦の別れ方』)、ジェイミー・チャン(『ワンス・アポン・ア・タイム』)など

■鬼才デヴィッド・フィンチャーが手掛けるダークでスリリングなサスペンスドラマ『マインドハンター』

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犯罪捜査方法の一つであるプロファイリングが確立していない1970年代が舞台。服役中の殺人犯にインタビューし、その心理や経緯を元に、次々に起こる猟奇殺人事件解決の手がかりにしようとするFBI捜査官たちを描いた、ダークでスリリングなサスペンスドラマ。映画『セブン』『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の鬼才デヴィッド・フィンチャーのもと、実在する元FBI捜査官でプロファイラーの権威、ジョン・E・ダグラスが執筆したノンフィクション「マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班」を原作としている。2017年10月に配信された直後に大ヒットとなり、翌月にはシーズン2への更新が決定した今大注目のNetflixオリジナル作品。

『Glee』のジェシー役や『LOOKING/ルッキング』のパトリック役で有名なジョナサン・グロフの純朴で堅物なFBI捜査官ホールデンがものすごくハマリ役。また、年齢も容姿も性格も異なる、上司で相棒のビルと、たまに見せるおかしな会話の掛け合いやブロマンスも最高。70年代のアメリカ各地を背景に、劇中にかかる当時のヒット曲にも注目。10CC、TOTO、デイヴィッド・ボウイ、アリス・クーパー、レッド・ツェッペリンなどの曲が、それぞれのシーンにぴったりはまる。トーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」がかかった時など、こうきたか!と思うほど。『FRINGE/フリンジ』の主人公オリビアを演じたアナ・トーヴの大学教授姿も新鮮。『ベイツ・モーテル』『THE KILLING/キリング』『LAW&ORDER クリミナル・インテント』などが好きな方には是非オススメ!犯罪心理分析が絶妙に描かれており、一気に見終わってしまう中毒性の高い作品。

出演:ジョナサン・グロフ(『Glee』)、ホルト・マッキャラニー(『ブルーブラッド』)、アナ・トーヴ(『FRINGE/フリンジ』)など

・海外ドラマをおすすめする豹坂@櫻井宏充は...

海外ドラマはジャンルを問わずに好きだが、なかでもSF、ファンタジー、コメディがお気に入り。IT業界出身なので『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』、『シリコンバレー』のようなIT系ドラマが2018年にどこまで盛り上がるのかも気になるところ。

■愛すべきダメ男が超"脳力"で限界突破する新感覚サスペンス・ミステリー!『リミットレス』

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ごく一部しか使われていないという人間の脳を100%活性化する薬"NZT-48"を偶然手に入れたダメ男ブライアンが薬の力でFBIの捜査に協力しながらも、NZT-48を巡る大きな謎と企みに立ち向かって行くという物語。

スマッシュヒットした映画『リミットレス』の続編的位置づけのTVシリーズとなっており、映画版の主演を務めたブラッドリー・クーパーが製作総指揮&出演もしていることで話題にもなった。

しかし、映画を見ていなくても、普段は才能がまるで無いダメ男が超"脳力"で事件を解決する一話完結の犯罪ミステリーとしても十分に楽しめるドラマとなっている。作品全体のテイストはサスペンス・ミステリーだが、主人公ブライアンのどこか憎めないダメ男ぶりによるユーモア、パロディ、さらには友情・恋愛・家族愛と言ったなど様々なジャンルがバランスよくまとまっており、通常の犯罪捜査ドラマとは一味違った内容で見ていて飽きがこない。チャラいダメ男だけど本当は心優しいブライアンはジェイク・マクドーマンのハマり役。彼のチャーミングな演技も見逃せない。また、浪川大輔らによるイメージがピッタリの吹替版もオススメだ。

製作総指揮:ブラッドリー・クーパー(『アメリカン・スナイパー』)、クレイグ・スウィーニー(『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』)ら
出演:ジェイク・マクドーマン(『GREEK ~ときめき★キャンパスライフ』)、ジェニファー・カーペンター(『デクスター ~警察官は殺人鬼』)、ヒル・ハーパー(『CSI:ニューヨーク』)など

■謎の陰謀からアメリカ史を守れ!大迫力のタイムトラベル・アクション!『タイムレス』

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2017年は日本のSFドラマファンにとってタイムトラベル物が充実した1年だった。歴史改変を阻止するために戦うアクション大作『タイムレス』、映画『オーロラの彼方へ』をリメイクした刑事ドラマ『シグナル/時空を超えた捜査線』、H・G・ウェルズと切り裂きジャックのタイムマシンを巡る戦いを描く正統派ミステリー『タイム・アフター・タイム ~H・G・ウェルズの冒険』というバラエティー豊かなラインナップが勢揃い。どの作品もタイムトラベルを主軸に趣の異なるジャンルでアレンジされており、好みが分かれるところだが、個人的には『タイムレス』をおすすめしたい。

ある日、秘密裏に開発されていたタイムマシンが謎の男に奪われてしまい、男は過去のアメリカへと逃亡してしまう。アメリカ政府は歴史学者、軍人、タイムマシン技術者の3人にタイムマシンの試作機で謎の男を追跡させることにするが...。

奪われたタイムマシンと歴史改変阻止というタイムトラベル物としては定番のストーリーだが、そのスケール感はTVドラマとは思えないほど壮大。毎回年代の違う舞台をよくもここまで揃えられるなと感心させられる。近代から現代のアメリカを中心とした時代設定も日本人にとっては新鮮で面白い。2018年にはシーズン2の米国放送も決定したタイムトラベル・アクションの最新作をぜひ楽しんで欲しい。

製作総指揮:エリック・クリプキ(『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』)、ショーン・ライアン(『ザ・シールド ~ルール無用の警察バッジ~』)ら
出演:マット・ランター(『新ビバリーヒルズ青春白書』)、アビゲイル・スペンサー(『SUITS/スーツ』)、マルコム・バレット(『バッドガイズ!!』)、ゴラン・ヴィシュニック(『ER 緊急救命室』)など

■ファンタジー海外ドラマの最高峰が怒濤の展開で最終章へカウントダウン!『ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌』

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2017年も『エメラルドシティ』など新作ファンタジーが放送されたものの、やはりおすすめとして本作は外せない1本だ。中世ヨーロッパ風の架空世界を舞台に玉座を巡る王家の争いと、謎の怪物ホワイトウォーカーとの戦いを描いたファンタジー戦記。

もはや、海外ドラマファンには説明不要とも思える作品だが、第七章では今までバラバラだった主要キャラクターたちがホワイトウォーカーとの対決のために集結する。長年見続けていたファンにとっては感慨深いものがあり、いよいよ最終決戦が目前に迫っていると感じさせるシーズンとなっている。さらに、ドラゴンが本格的に戦場へ参加し、ホワイトウォーカーの軍勢の侵略がいよいよ本格化。ドラゴンが登場する戦場シーンはまさしく映画を超えるスケールで圧倒的な映像と迫力を見せつけていた。

そして、第七章ラストの展開には「ここで終わるのかよ!」と久々に海外ドラマを見ていて声を上げてしまったほど。最終章となる第八章は2019年放送予定と少し間が空いてしまうのが残念だが、未見の人はファンタジー海外ドラマの最高峰にして海外ドラマの歴史に残る作品をこの機会に体験して欲しい。

製作総指揮:デヴィッド・ベニオフ(『25時』)、D・B・ワイスら
出演:ピーター・ディンクレイジ(『X-MEN:フューチャー&パスト』)、ニコライ・コスター=ワルドー(『オブリビオン』)、 レナ・ヘディ(『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』)、エミリア・クラーク(『ターミネーター:新起動/ジェニシス』)、キット・ハリントン(『ポンペイ』)など

(海外ドラマNAVI)

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