ディズニー作品やマーベル、スター・ウォーズなど魅力的なラインナップで知られるDisney+(ディズニープラス)。本企画では、その華やかな作品たちの裏に隠れた知る人ぞ知る傑作をご紹介。第12回となる今回は、『28日後…』シリーズや『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で知られるアレックス・ガーランドが手掛けたSFサスペンス『DEVS/デヴス』をご紹介しよう。
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「自由意志」を巡る唯一無二のSFサスペンス
『DEVS/デヴス』は、一人の天才エンジニアの失踪事件から始まるSFミステリーだ。巨大IT企業アマヤで働くエンジニアのセルゲイは、極秘開発部門「DEVS」への異動を命じられる。しかし、その翌日に彼は謎の死を遂げることに。恋人であり同じ会社に勤めるリリーは、会社が発表した自殺という結論に違和感を覚え、独自に真相を追い始める。

物語が進むにつれ、事件の真相は単なる企業の陰謀ではなく、「人間に自由意志は存在するのか」という壮大な哲学的テーマへと発展していく。本作は、よくあるAIや近未来テクノロジーを題材にしたSFとは一線を画す。量子力学や決定論といった難解な概念を扱いながらも、サスペンスとしての緊張感を失わず、視聴者を物語に没入させる。派手なアクションではなく、静かな会話や不穏な空気によって恐怖を積み重ねていく演出は、まさにアレックス・ガーランドならではと言えるだろう。
美しい映像美と静寂が生み出す圧倒的な没入感
『DEVS/デヴス』最大の魅力は、その独特な映像表現だ。金色に輝く巨大な研究施設、左右対称で構成された画面、無機質でありながら神殿のような神秘性を帯びた空間設計。どのカットも映画のワンシーンのような完成度を誇り、映像だけで異様な世界観を構築している。

さらに印象的なのが「静けさ」の演出である。BGMを必要以上に使わず、沈黙や環境音を巧みに取り入れることで、不安や緊張感をじわじわと高めていく。その静寂があるからこそ、わずかな表情の変化や何気ない会話にも強い意味が宿り、視聴者は自然と画面に引き込まれてしまう。映像・音響・美術のすべてが高いレベルで融合した本作は、まさに”体験するSFドラマ”と呼ぶにふさわしい完成度だ。

ニック・オファーマンが体現する”静かな狂気”
主演を務めるのは、リリー役のソノヤ・ミズノ。日本人の父を持つ彼女は、『エクス・マキナ』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』などアレックス・ガーランド作品の常連でもある。
そして本作で特に強烈な印象を残すのが、巨大IT企業アマヤのCEOフォレストを演じるニック・オファーマン(『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』)だ。

穏やかな口調で部下と接しながらも、その内面には計り知れない執念と悲しみを抱えたフォレストという人物は、本作の哲学的テーマそのものを体現する存在と言える。感情を爆発させることなく、静かな佇まいだけで圧倒的な存在感を放つオファーマンの演技は見事だ。
さらに、アリソン・ピル(『スター・トレック』)やジン・ハ(『Pachinko パチンコ』)、ザック・グルニエ(『グッド・ワイフ』)ら実力派キャストが脇を固め、それぞれが物語の緊張感を演出している。

考察系SFドラマが好きな人にこそ見てほしい
『DEVS/デヴス』は、決して万人向けの作品ではない。物語のテンポは比較的ゆったりとしており、説明をすべてセリフで語るタイプのドラマでもない。そのため、爽快なアクションやテンポの良いミステリーを期待すると、やや戸惑うかもしれない。

しかし、「自由意志とは何か」「未来はあらかじめ決められているのか」。そんな哲学的問題を、サスペンスとして最後まで見届けたとき、本作は単なるSFでは終わらない強い余韻を残してくれる。もし今、知的好奇心を刺激する重厚なSFドラマを探しているなら、『DEVS/デヴス』は間違いなくその一本になるはずだ。
『DEVS/デヴス』はDisney+(ディズニープラス)で独占配信中。(海外ドラマNAVI)















