Disney+(ディズニープラス)の知られざる傑作を海外ドラマNAVI編集部員がご紹介する連載企画。第4回となる今回は、フランスが生んだ珠玉のSFアドベンチャー『パラレル』をご紹介。フランス版『ストレンジャー・シングス』とも称される本作の魅力を徹底解説する。
『ストレンジャー・シングス』ファン必見の青春SFドラマ
本作のクリエイターを務めるのは、山下智久出演で大きな話題を呼んだ日仏共同製作ドラマ『神の雫/Drops of God』の脚本を手掛けたコック・ダン・トラン。壮大なパラレルワールドを舞台に、不可解な失踪事件に巻き込まれた4人の子どもたちとその家族の数奇な運命が描かれる。

物語の舞台は、スイスとの国境に近いフランスの静かな山間の町。そこは世界最大の粒子加速器を擁する原子力調査研究所が存在する場所でもあった。真面目で責任感の強い青年サム、彼の弟で奔放な性格のヴィクトール、科学者の母を持つ頭脳派のビラル、そして皆のマドンナ的存在であるロマーヌの4人を中心に物語が展開していく。
ある夜、森の奥の秘密基地でパーティーをしていた4人だったが、突如奇妙な光と停電に襲われ、次の瞬間、ヴィクトールとロマーヌの2人が忽然と姿を消してしまう。しかも、その場に残されたビラルは、中身は少年のまま、肉体だけが15歳ほど年老いた“大人”の姿に変貌していた――。
枝分かれしていく異なる時間軸、交錯する並行世界。なぜ彼らは引き裂かれたのか、そして4人は再び元の世界で再会できるのか。謎が謎を呼ぶ展開に、イッキ見必至のSFミステリーとなっている。
SFだけじゃない!家族の絆の物語
『パラレル』の魅力は、その緻密に練られた並行世界の設定だけではない。子どもたちの友情や淡い恋心、そして親子の複雑な関係性が丁寧に紡がれていく点が、本作の評価を高めている大きな要因と言える。

特に物語の鍵を握るのが、サムの弟・ヴィクトールの存在だ。 彼は過去のある事故で兄に火傷を負わせてしまった罪悪感と、優秀な兄と常に比較される劣等感に苛まれている。両親からの愛に飢え、孤独を抱えるヴィクトール。事件によってパラレルワールドへ飛ばされた彼は、元の世界とは異なる環境で、自身の闇と向き合うことになる。
パラレルワールドというSF設定は、登場人物たちが抱える後悔や、「ありえたかもしれない別の人生」を浮き彫りにするための装置として機能する。派手なアクションやCG演出に頼ることなく、全6話というタイトな構成の中で、彼らの成長と葛藤が過不足なく、そして痛いほどリアルに描かれていく。

パラレルワールドの謎を、フランスならではの美しい映像美と、胸を締め付ける人間ドラマで描いた本作。全6話という見やすさも相まって、一度再生したら最後、結末を知るまで止まらないイッキ見必至のドラマになっている。心に温かい余韻を残すラストシーンまで、ぜひ一気に駆け抜けてほしい。
『パラレル』はDisney+(ディズニープラス)で独占配信中。(海外ドラマNAVI)






