打ち切りか更新か?去就が不明な『FBI』シリーズや『S.W.A.T.』の運命は?

2月20日(木)、米CBSが『NCIS~ネイビー犯罪捜査班』をはじめとした複数の人気ドラマのシーズン更新を発表した。多くの作品が歓喜に沸く一方、『FBI』シリーズや『S.W.A.T.』の吉報がこのタイミングで届くことはなかった。残された作品の去就は、同局で現在進行中の新作の動向も関わってくるようだ。米Deadlineが伝えている。

少なくとも1作品は打ち切りに!?

CBSがこの度更新を発表したのは、『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』(シーズン23へ)をはじめ、そのスピンオフである『NCIS:オリジンズ』(シーズン2へ)と『NCIS:シドニー』(シーズン3へ)、英国コメディ『ゴースト~ボタン・ハウスの幽霊たち』のリメイク版『Ghosts(原題)』(シーズン5&6へ)、『ファイア・カントリー』(シーズン4へ)、『トラッカー』(シーズン3へ)、『グッド・ワイフ』の新スピンオフ『エルズベス』(シーズン3へ)、『ヤング・シェルドン』のスピンオフ『Georgie & Mandy’s First Marriage(原題)』(シーズン2へ)。一足先に更新が発表されていた作品と合わせて、同局で放送中の作品のうち半数以上が継続されることになった。

そんな中、一部の作品はまだ去就が不透明。昨年、本家『FBI:特別捜査班』とともに新シーズン制作が決定した『FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~』『FBI:インターナショナル』は、その際に本家が3シーズンまとめての更新だったのに対し1シーズンずつの更新に留まり、来季も続くのかは分かっていない。そして、『イコライザー』と『S.W.A.T.』、今季始まったコメディ『Poppa’s House(原題)』は、更新か打ち切りかの可能性は五分五分だと米TV Lineに見られている。

それらの運命を握るのが待機中の新作のようだ。CBSの来季(2025年~2026年シーズン)のスケジュールには、『ファイア・カントリー』のスピンオフ『Sheriff Country(原題)』、今年14シーズンで幕を閉じた『ブルーブラッド ~NYPD家族の絆~』のスピンオフ『Boston Blue(原題)』がすでに組み込まれている。そのほかにもシリーズ化・リリース時期は未定だが、『FBI』シリーズのスピンオフ第3弾『FBI: CIA(原題)』と『イコライザー』スピンオフ(タイトル未定)、ドイツ発の犯罪捜査ドラマ『アインシュタイン ~天才科学者の殺人捜査~』のリメイク版『Einstein(原題)』が控える。

シリーズ化・リリース時期の未定な新作3作品がすべてシリーズ化を見送られたり来季より先のリリースになったとしても、ドラマにかける予算や放送枠を考慮し、既存の作品のうち少なくとも1作品は打ち切る必要があるという。新作5作品がもしも来季一気にリリースとなれば、打ち切られる作品はさらに増えそうだ。いい成績を収めていれば安全とは言えないため、該当作品のスタッフやキャストにとっては頭が痛いだろう。CBSは昨年、本来であれば十分更新に値する『NCIS:ハワイ』『CSI:ベガス』をキャンセルしており、本数調整が理由だと報じられた。

『FBI』シリーズと『イコライザー』は外部の制作会社、Universal Televisionとの共同制作であることも、更新をややこしくする一因だろう。予算削減のため、FBI:特別捜査班』と『FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~』のキャストは昨年、新シーズンの出演回数を減らすという決断を下していたが、『イコライザー』も同じような節約方法を採ろうとしているようだ。同じく外部の制作会社との共同制作である『S.W.A.T.』は、多くの作品のフランチャイズ化が進む中では不利な立場と言えるが、過去2度にわたって番組終了の危機を間一髪で逃れてきた同作は、熱心なファンたちの後押しがまたも実るのだろうか。

『S.W.A.T.』の製作総指揮を務めるショーン・ライアンは先月、CBSの親会社である大手メディア企業パラマウント・グローバルの合併がドラマ更新の判断基準に影響するかもしれないと指摘している。昨年、4月半ばまで5作品(『イコライザー』『エルズベス』『NCIS:ハワイ』『CSI:ベガス』『ヘルプ・ミー・トッド』)の去就が決まらなかったことを考えると、合併を控える今年はさらに長くもつれ込む可能性もありそうだ。

『FBI:特別捜査班』シーズン1~5、『FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~』シーズン1~4、『FBI:インターナショナル』シーズン1~2はHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline