『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』インタビュー【6】ミミ・キーン（ケイ・エリオット役）

12月21日（日）16：00よりミステリーチャンネルにて独占日本初放送となる『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』。“ミステリーの女王”が仕掛ける、古典的なミステリーの逆を行く作品の魅力をキャストたちが語っているので、インタビューをお届けしよう。今回登場するのは、ケイ・エリオット役のミミ・キーン（『セックス・エデュケーション』）。

自分なら、人が殺され始める前に立ち去る

1936年、イギリス。英国テニス界のスター選手であるネヴィル・ストレンジは妻オードリーとスキャンダラスな離婚劇を繰り広げた後、再婚した相手ケイとのハネムーン先として、おばのレディ・トレシリアンが暮らすガルズポイントを選ぶ。しかし、そこへネヴィルと「友人に戻る」ことにしたとして元妻のオードリーも滞在することに。当事者たちの緊張感が徐々に高まる中、レディ・トレシリアンの付添人やネヴィルと確執のあるいとこ、ネヴィルの謎めいた従者、一家を長年支えてきた弁護士、精神的に不安定な警部などもガルズポイントに集まってくる。やがて殺人事件が発生し…。

――あなたが演じるケイは、本作の冒頭でどんな状態にありますか？

ケイはネヴィルの新妻です。結婚したばかりで、人生を思いきり楽しんでおり、夢がすべて叶ったような状態です。そこから一気に状況は悪化していきますが、始まりはとても幸せなんです。ケイは（若いものの）周囲が思う以上に世慣れしています。人生経験があり、多くの困難を投げかけられても、しっかりと立ち向かいます。私だったらあれほど強くはいられないでしょうね。彼女なら毅然としている場面でも、私は少し泣いてしまうと思います。

――ケイ、ネヴィル、オードリーの関係について教えてください。

ケイは、オードリーと離婚したネヴィルの新しい妻です。彼女は（ネヴィルとオードリーの離婚）裁判にも関わり、自分の存在を強く主張します。ただ、ネヴィルとオードリーの結びつきがそこまで強いとは予想していなかったと思います。ネヴィルはガルズポイントを新婚旅行先に選んだ理由として、彼にとって非常に特別な場所だからだとケイに説明しますが、実際はネヴィルとオードリーが一緒に育った、二人にとって特別な場所でもあります。それが、ケイを同意させるネヴィルなりのやり方なのです。

――この三角関係において、ケイはどのような力を持っていますか？

ケイが持っている力は、「今の妻である」という事実です。それくらいですね、正直あまり多くはありません。本人はもっと大きな力を持っているつもりでいますが、実はそうでないことにやがて気づくんです。

――ケイとオードリーがうまくやっていく可能性は？

ネヴィルのいない世界であれば…答えは二つあると思います。二人とも強い女性で、簡単には引き下がりません。最高の相棒になるか、どちらかが死ぬまで闘うかのどちらかでしょう。

――本作が現代の視聴者にとって共感できる理由は？

舞台は1930年代で、（現代は）当時から多くのことが変わりました。それでも人間であること、感情があることは変わりません。本作で描かれる多くの出来事は、形が違うだけで、今の私たちの日常生活にも起こり得るものなのです。

――ケイの衣装について教えてください。

衣装デザイナーのシャーロット（・ミッチェル）が本当に素晴らしい仕事をしてくれました。ビーチ用のパジャマなんて、ぜひ復活させたいですね！　すごく私好みです。あと、私の役柄は常にフラットシューズではなくヒールを履いていたので、足には厳しかったですが、とても素敵に見えました。

――ガルズポイントとイースターヘッド・ベイ・ホテルという二大ロケーションのうち、ケイがより居心地がいいのは？

ケイが間違いなく落ち着けるのはイースターヘッド・ベイ・ホテルです。踊るのもパーティも人目を引くのも大好きな彼女にとって輝ける場所なんです。一方、ガルズポイントでは場違いに感じており、全体的に少し堅苦しい雰囲気があります。

――アガサ・クリスティー作品に出演するのはいかがでしたか？

アガサ・クリスティー作品に関われるなんて信じられません。あまりにも象徴的な作品ばかりで、名誉なことです。

――本作が見逃せない理由は？

だって、アガサ・クリスティーですから。象徴的で、時代を超えて愛されています。みんなミステリーが大好きですからね！

――自分がアガサ・クリスティー作品の登場人物だったら、生き残ると思いますか？

私なら帰ります。人が殺され始める前に立ち去りますね。謎を解く頭脳があるかどうか、自信がありません！

『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』（全3話）は、12月21日（日）16：00よりミステリーチャンネルにて一挙放送。

（海外ドラマNAVI）

参考元：英BBC