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『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』インタビュー【5】エラ・リリー・ハイランド(オードリー・ストレンジ役)

2025年12月19日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

ディズニープラス
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アガサ・クリスティー ゼロ時間へ

12月21日(日)16:00よりミステリーチャンネルにて独占日本初放送となる『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』。“ミステリーの女王”が仕掛ける、古典的なミステリーの逆を行く作品の魅力をキャストたちが語っているので、インタビューをお届けしよう。今回登場するのは、オードリー・ストレンジ役のエラ・リリー・ハイランド(『フィフティーン・ラブ~天才プレーヤーの告発』『ブラック・ダヴ』)。

古典的なミステリーの逆を行く斬新な作品!『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』

12月21日(日)16:00よりミステリーチャンネルにて独占 …

二つの舞台は、登場人物たちが抱える二極性の象徴

アガサ・クリスティー ゼロ時間へ

1936年、イギリス。英国テニス界のスター選手であるネヴィル・ストレンジは妻オードリーとスキャンダラスな離婚劇を繰り広げた後、再婚した相手ケイとのハネムーン先として、おばのレディ・トレシリアンが暮らすガルズポイントを選ぶ。しかし、そこへネヴィルと「友人に戻る」ことにしたとして元妻のオードリーも滞在することに。当事者たちの緊張感が徐々に高まる中、レディ・トレシリアンの付添人やネヴィルと確執のあるいとこ、ネヴィルの謎めいた従者、一家を長年支えてきた弁護士、精神的に不安定な警部などもガルズポイントに集まってくる。やがて殺人事件が発生し…。

――本作の冒頭でオードリーはどんな状態にありますか?

オードリーは孤児だったため、子どもの頃にガルズポイントへ移り住みました。彼女とネヴィルはとても幼い頃から一緒で、兄妹のようだった関係がやがて恋愛関係へと変わっていきました。本作の冒頭で私たちが出会うオードリーは、ネヴィルとの結婚生活に終止符を打つべく、離婚を申請したばかりの状態です。彼女は明らかに被害者であり、非常に有害で歪み、消耗しきった関係性から解放されることを求めているのだと思います。

――オードリーはどんな人物でしょう?

歪んでいて、虚無的で、快楽主義的な人物だと思います。

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――オードリーとネヴィルの関係は?

二人は一緒に育ち、強く依存し合っています。どこか子どもっぽい関係です。成長の過程で何かが歪んでしまったのだと思います。恐らく「屋敷のご主人様とお嬢様ごっこ」をして、やりたい放題に遊び回っていたのでしょう。表面上は洗練されていますが、その下には非常に子どもっぽい欲求があります。二人は互いのことをあまりにも深く理解しているため、相手の次の一手を予測しようとします。それは彼らの親密さの一部なのです。境界線というものを子どもの頃に学ばなかったため持っておらず、どこで止めるべきかが分からないので大人になってからとても危険になります。お互いに勝ちたい、打ち負かしたい、あるいは相手を勝ち取りたいという尽きることのない欲求があります。それが二人を引き離し、同時に引き寄せる力となっているんです。

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――オードリー、ネヴィル、オードリー、ケイの三角関係について教えてください。

ネヴィルとオードリーの関係の大きな特徴は、退屈を決して望まないという点です。ネヴィルは今はケイと一緒にいますが、それでもオードリーとのゲームを続ける必要があると感じており、二人はその思いを歪んだ形で伝え合っています。オードリーの中にはケイに惹かれている部分があると思います。それは、ケイがネヴィルと一緒にいるからこそかもしれませんし、あるいはそれとは別の理由かもしれません。あの関係性の中では、そうした奇妙でタブーな感情が生まれているのです。

――この三角関係において、オードリーはどのような力を持っていますか?

彼女は、自分の感情から距離を取ることができます。感情を抑え込むことに長けており、それが彼女を猫のような存在にしています。彼女は瞬間を生き、本能的です。それが彼女に力を与えています。また、この世界の誰よりもネヴィルのことをよく知っています。彼の欠点、弱さ、脆さのほか、彼を強く見せるものや、彼が強さを感じるために必要なものまで、すべてを知り尽くしているんです。

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――オードリーとケイがうまくやっていく可能性は?

もしもネヴィルさえいなければ、二人は本当に気が合ったと思います。激しくぶつかり合いながらも、とても刺激的な時間を過ごせたはずです。オードリーは心からケイのことを尊敬したでしょうから。

――本作の舞台は?

1936年のイギリス沿岸部が舞台です。リハーサル中に監督のサム(・イェーツ)が言っていたのですが、この時代の人々は人生を楽しみ、贅沢や快楽を求めていました。今の時代にはあまり見られない感覚かもしれませんね。二つの舞台――ガルズポイントとイースターヘッド・ベイ・ホテル――は、登場人物たちが抱える二極性を象徴しています。オードリーとネヴィルにとっては、彼らの育ちそのものです。礼儀正しいいい子どもであるという外面を持ちながら、金と贅沢があったことでやりたい放題に育ちました。イースターヘッド・ベイ・ホテルは、彼らの内面世界のような場所であり、誰もが憧れるものを体現しているんです。

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――オードリーの衣装は彼女というキャラクターにどのような影響を与えていますか?

衣装デザイナーのシャーロット(・ミッチェル)は、すべての衣装に豊かなキャラクター性を込めています。彼女とのコラボレーションは素晴らしい経験で、おかげでオードリーの持つエネルギーを深く学ぶことができました。オードリーは自分を飾りますが、すべてが調和しているんです。そこがとても気に入っています。彼女のメイクやヘアスタイルは仮面のように、どこか抑制された美しさがあります。現代ではほとんどしないような、当時の口紅や白粉の使い方を学ぶのも楽しかったです。そうした要素が見た目だけでなくキャラクターそのものを大きく変えてくれました。

――本作は単なる犯人当てミステリーではありませんが、どんな特色があると思いますか?

ジャンルとしては心理スリラーですが、同時にセックス、セクシュアリティ、欲望といったテーマも掘り下げています。そこが面白さの核心です。単なる怒りや憤りの物語ではなく、情熱の物語なのです。ギリシャ悲劇のように感じられる瞬間もいくつかありますね。

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――アガサ・クリスティーの作品が現在も人々を魅了する理由は何だと思いますか?

アガサ・クリスティーの物語は、人がどのように嘘をつくのかを教えてくれる優れた資料でもあります。誠実さとは何かについて、見る人それぞれが異なる考えを持っています。どこか『The Traitors(原題)』(「人狼」のようなゲームを通して高額賞金をかけたリアリティ番組)にも似ていますね。アガサ・クリスティーは、社会が人間のどの側面を最も受け入れやすいかを非常に巧みに描き出します。それは視聴者にとって鏡のようなものです。家族が食卓で言い争うような光景を生み、人々を結びつけ、会話を呼び起こす。それこそが彼女の作品の魅力なのです。

――撮影で一番印象に残ったことは?

ディナーパーティのシーンはとても楽しかったです。普段は自分の役の視点――そのキャラクターが何を感じ、何を求めているのか――だけで物事を考えますが、パーティではほかの人たちも全員集まることで、部屋の中にとても興味深いエネルギーが生まれていましたから。

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『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』(全3話)は、12月21日(日)16:00よりミステリーチャンネルにて一挙放送。


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(海外ドラマNAVI)

参考元:英BBC

Photo:『アガサ・クリスティー ゼロ時間へ』© Agatha Christie Productions Limited MMXXIV

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