シーズン1のみで打ち切るべきだった海外ドラマ10選【ネタバレ】

人気に火がついた海外ドラマは続編製作がステータスと言わんばかりに新シーズンへ更新されるが、時にはシーズン1が完璧で、逆にそのあと何が起こるかは知りたくない!なんてこともある。そして満を持して製作した新シーズンが残念な結果に…ということも少なくはないのだ。そんな「素晴らしいシーズン1のみで終了(打ち切り)して欲しかった」海外ドラマ10作品を紹介しよう。

原作は全てシーズン1で語られた『13の理由』

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2007年に出版されたジェイ・アッシャーによる同名ヤングアダルト小説をセレーナ・ゴメス(『マーダーズ・イン・ビルディング』)がドラマ化。自殺を図った高校生のハンナ・ベイカー(キャサリン・ラングフォード)が、命を絶つ前に友人クレイを含む13人にカセットテープを送っていたが、そのテープには、彼女が自らの命を絶った理由が語られていた...というNetflixのミステリードラマ。同世代のティーンを中心に広く支持され、配信後の週に最も多くツイートされるという記録を達成した。

最終話までに13本全てのテープの内容が公開され、ハンナの死の真相も明らかになっており、原作通りここで完結させる方が綺麗に終わらせることができるように思える。クレイ役のディラン・ミネットをはじめとする他のキャラクターの存在感も素晴らしかったが、やはり本作はハンナが物語の中心だったため、シーズン2からの登場の方法には残念に思う声も多く聞かれた。

『13の理由』はNetflixで配信中。

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シーズン1で脱獄は成功した『プリズン・ブレイク』

"プリズン・ブレイク"というタイトル通り、このドラマは無実の罪で死刑宣告を受けた兄リンカーン(ドミニク・パーセル)を助けるため、弟のマイケル(ウェントワース・ミラー)が故意に罪を犯して兄と同じ刑務所に収監され、全身に彫った刑務所の設計図のタトゥーを元に脱獄を企てるという話で、シーズン1のファイナルで無事に脱獄を成功させている。

確かに、海外ドラマを見ない人でもこのタイトルは知っているほど、日本でも大ヒットしたドラマだが、マイケルがパナマの刑務所に投獄され再び脱獄を果たしたり、サラが死んだと思いきや実は生きていたという展開が本当に必要だったのだろうか?

2017年には8年ぶりの続編としてシーズン5が作られていた『プリズン・ブレイク』だが、マイケル役のウェントワースはストレートの役はもうやるつもりはなく、本作ともお別れであるというメッセージを投稿していた。

『プリズン・ブレイク』はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

シーズン1で事件は解決『ブロードチャーチ ~殺意の町~』

英国の海沿いにある平和な町ブロードチャーチで11歳の少年ダニーの遺体が見つかったことから始まり、なぜダニーは殺されたのか、捜査を進める中でブロードチャーチに住む人々の知られざる人間関係が明かされていく『ブロードチャーチ ~殺意の町~』。この事件を担当したエキセントリックな刑事ハーディ(デヴィッド・テナント『グッド・オーメンズ』)と地元の女性刑事エリー(オリヴィア・コールマン『ザ・クラウン』)はシーズン1ファイナルで事件を解決している。

しかし英ITVはそこで終わらせることをせず、「終わりは始まり」と銘打ってシーズン2に更新し、ハーディの昔の事件を掘り下げるなどしてドラマを展開させた。無理に物語を続けた感は否めず、高い評価を得たシーズン1で終わらせた方がすっきりできたのでは?

『ブロードチャーチ ~殺意の町~』はAmazon Prime Videoにて配信中。

これ以上苦しめないで!『HOMELAND/ホームランド』

本作はCIAエージェントのキャリー・マティソン(クレア・デインズ)が、イラクに赴任後消息不明となった後8年ぶりに帰還した海兵隊員ニコラス・ブロディ(ダミアン・ルイス)はアルカイダに寝返ったテロリストと見破り、国家の危機を防ぐべく奔走する姿を描いている。

製作者はシーズン8まで続けたことについて、「テーマが途切れることがないため、終わりのないドラマ」だと語っているが、これまでのシーズンでキャリーは大切な人を亡くす展開を繰り返しており、心苦しさが残ってしまう。とはいえ、CIAと国際テロリスト組織の戦いを描き続けた本作は、ファイナル・シーズンも第72回エミー賞で監督賞にノミネートされるなど、最後まで高い評価を受けている。

『HOMELAND/ホームランド』はDisney+ (ディズニープラス)で配信中。

傑作とも言われるシーズン1だったが…『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』

本作のシーズン1ではアカデミー賞俳優のマシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)と、同賞ノミネートを誇るウディ・ハレルソン(『ラリー・フリント』)が競演。17年前にタッグを組んだ二人が担当した未解決事件について、捜査を再開するところから物語は始まる。そのクオリティの高さで2014年のエミー賞で5冠を達成するなど、各方面で高い評価を得ていた。

その後キャストを一新、コリン・ファレル(『ロブスター』)とレイチェル・マクアダムス(『スポットライト 世紀のスクープ』)を主演に迎えを製作したシーズン2は、シーズン1で高まった期待値を超えることができずにシリーズの存続を危ぶむことに。その出来には、ウディ本人も「がっかりだった」とコメントしていたほど…。

大ダメージを受けつつ、どうにかシーズン3の製作にこぎつけ、『ムーンライト』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリと、ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のセラフィーナ役で知られるカーメン・イジョゴが主演に抜擢された。さらに、なんだかんだでシーズン4への更新も決定。映画『羊たちの沈黙』で知られるジョディ・フォスターを迎えての最新シーズンはストライキの影響などで解禁日が後ろ倒しになっていたが、2024年1月14日に放送されることに。今回で汚名返上なるか?注目したい。

『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』シーズン1~3はU-NEXTにて配信中。

シーズン1のエンディングは歴代No.1の『The OA』

盲目だった女性が謎の失踪をしてから7年後、目が見えるようになって家族の元へ戻ってきたとことからはじまるNetflixオリジナルシリーズ『The OA』。ブリット・マーリングがクリエイター&主演を務める本作は完成度の高さが話題となった『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に次いで登場したNetflixの傑作だと言われたほど。

シーズン1のフィナーレでは多くの謎が残される結末を迎えていたが、ドラマ全体の質の高さから、その奇怪な終わり方も機能していて、あえて真実をすべて明かす必要はないのでは?と思わせるほどだった。

『The OA』シーズン1~2はNetflixで配信中。

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緊張感が続かなかった『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』

THE FALL 警視ステラ・ギブソン

『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』は二人のハンター、ストーカー連続殺人犯ポール・スペクター(ジェイミー・ドーナン『ザ・ツーリスト 俺は誰だ?』)と彼を追う有能な殺人課の刑事ステラ・ギブソン(ジリアン・アンダーソン『X-ファイル』)が織りなす心理戦を描いたサスペンス。シーズン1ではキャスト陣の素晴らしい演技に加え、激しいアクション、そしてダークで緊張感のある展開で視聴者を惹きつけ更新されたが、打ち切りすべきだったという声も聞かれる。

シーズン3では、ステラが撃たれた同僚のトム(コリン・モーガン『ヒューマンズ』)よりスペクターのもとへ駆け寄ったり、この被弾でスペクターが記憶をなくしたりと、緊張感が切れる展開になってしまったことは否めない。

『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』はU-NEXTで配信中

原作から離れていった『アンダー・ザ・ドーム』

シーズン3まで続いた『アンダー・ザ・ドーム』は、ホラーの巨匠スティーヴン・キングの小説が原作。突如として目に見えない巨大ドームに覆われ外界と遮断されてしまった平凡な田舎町チェスターズミルを舞台に、極限状態に置かれた住民の試練と葛藤を描くシリーズ。

2013年に放送が始まった際は多くの視聴者を獲得したものの、次第にその数を減らし、2015年にシーズン3をもって終了。シーズン1では好調な走り出しを見せていたものの、キングの原作と内容がかけ離れてしまった第2シーズンから見るのをやめてしまった人が多かったよう。

当初は5シーズンかけて完結させる意向を示していた製作陣は、シリーズ最終話を「次のシーズンを作ることもできる」内容にしたため、消化不良を覚えた人もいた。

『アンダー・ザ・ドーム』全シーズンはHuluにて配信中。

主人公も設定も変わってしまった『ウェイワード・パインズ 出口のない街』

『シックス・センス』や『レディ・イン・ザ・ウォーター』で知られる映画監督のM・ナイト・シャマランが製作総指揮とパイロット版の監督を務めた『ウェイワード・パインズ 出口のない街』。彼が手掛けた初のドラマシリーズとして話題に。

キャストにもマット・ディロン(『クラッシュ』)、ジュリエット・ルイス(『ケープ・フィアー』)、メリッサ・レオ(『ザ・ファイター』)といったオスカー・ノミネート経験を持つ実力派俳優たちが名を連ね、シーズン1は確かに高い評価を得たのだが、そこで終わっておけば…。シーズン2からは、主人公がマットからジェイソン・パトリック(『スピード2』)に変更。謎のモンスターの登場や、設定も変わってしまい、謎解きがストーリー展開の基盤となっていた序盤とは後日談的な物語が繰り広げられることに。シーズン1とはまるで別作品となってしまったことから、視聴者数も約40パーセント下がりそのまま終了を迎えた。

『ウェイワード・パインズ 出口のない街』全シーズンはAmazon Prime Videoで配信中。

無理にミニシリーズを継続させた『ビッグ・リトル・ライズ』

豪作家リアン・モリアーティのベストセラー小説をドラマ化した『ビッグ・リトル・ライズ』は、郊外の小学校に子どもを通わせる母親たちの裏の顔を、学校のイベントで起きた事件を絡ませながら描かれた。主婦たちが隠すそれぞれの事情という謎をベースにした完璧なストーリー、それを支えるクリエイティブチーム、完璧なキャスティングに名監督とすべてが揃ったシーズン1は第69回エミー賞で8冠に輝くなど高い評価を得ていた。

もともとミニシリーズとしてのドラマ化だったが、新たなキャラクターを迎えシーズン2へ更新。あのオスカー女優のメリル・ストリープが「脚本を読まずに」出演を決めていたそうだが、読んでいたら断っていたかも…?! 決して悪い出来ではなかったが、シーズン1を大きく引っ張っていた謎は既に解けていたことから、期待を裏切られたと思う視聴者が多かったようだ。

『ビッグ・リトル・ライズ』全シーズンはU-NEXTで独占配信中。

(海外ドラマNAVI)

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