1993年、『スター・トレック/ディープ・スペース・ナイン』(以下『DS9』)でベンジャミン・シスコ司令官を演じたエイヴリー・ブルックス(『私立探偵スペンサー』)は、シリーズ初の黒人キャプテンとなった。シスコは『DS9』シーズン3で初登場している。
そして、このシスコ役のオーディションを受けながらも、惜しくも選ばれなかったのが俳優アーニー・ハドソンだ。映画『ゴーストバスターズ』シリーズでウィンストン・ゼドモア役を務めたことで知られるアーニーは、米Bleeding Coolのインタビューで、30年以上前のシスコ役オーディションについてこう語っている。
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“セクシーに演じて”と言われたが…
「『DS9』のオーディションを受けたんだ。当時、“黒人の船長を起用するかもしれない”と聞いて、“まさかそんなことはないだろう”と思ったよ。でも呼ばれたから行ってみて、台本を読んだ。手応えはあったし、制作側も気に入ってくれたようだった。それで翌日も来るように言われたんだ」
「その時、“もっとセクシーに演じて”と言われたんだけど、正直どうすればいいのか分からなかった。意味が理解できなかったから、次のオーディションではエルヴィス・プレスリー風に演じてみたんだ。まったく馬鹿げたことをしたと思うよ。途中で“ありがとう、これで十分”と言われて、あの役はもらえなかった。でも、私は昔から『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』のファンで、そういう作品にはずっと憧れていたんだ。なぜか縁がなかったけどね。まあ、今後チャンスがあるかもしれないけど」
BLEEDING COOL INTERVIEW: Ernie Hudson (Boston Blue) spoke with us about auditioning for Star Trek: Deep Space Nine, the "Spenser" link with Avery Brooks, and more. / #StarTrek #DS9 #DeepSpaceNine #BostonBlue
— Bleeding Cool (@bleedingcool) September 27, 2025
最終的にキャプテン・シスコ役を射止めたエイヴリー・ブルックスは、その見事な演技でファンを魅了し、今なお再演を望む声が絶えない。しかし、彼はすでに俳優業を引退している。
一方、アーニーはその後『WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!』『コールドケース』『デスパレートな妻たち』『SCORPION/スコーピオン』など、数々の作品に出演し、現在79歳の今でも年齢を感じさせない活躍を続けている。
さらに、2023年にはアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』でミルレギ役の声優として出演し、ついに憧れの『スター・ウォーズ』の世界に足を踏み入れた。アーニーが『DS9』でキャプテン・シスコを演じている姿も想像せずにはいられない。
アーニーの出演最新作『ブルーブラッド 〜NYPD家族の絆〜』のスピンオフ『Boston Blue(原題)』は、10月17日より米CBSにて放送開始。(海外ドラマNAVI)