主人公ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)の活躍を描く犯罪アクションドラマ『24 TWENTY FOUR』。主人公を変えたスピンオフも製作された本作が、ついに映画化されることは当サイトでもお伝えしていた通り。詳細は明らかになっていない劇場版について、現時点で考えられる懸念とは。
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『24』の売りであるリアルタイムの物語を描けるのか
『24』の最大の特徴は、そのタイトルの通り、1日の出来事を各話1時間ずつ、1シーズン全24話で描くという斬新なスタイルにある。このアプローチは、極限状況に直面する捜査官のプレッシャーを追体験することで視聴者に緊迫感を感じさせることに成功した。
この時間を追う感覚が失われた場合、キャラクターを精神的に、肉体的に限界に追い込むようなエネルギーを再現することは難しくなるかもしれない。
リアルタイムの要素がなければ、ありきたりなスパイスリラーになってしまう
“時間”は『24』の核となる要素。ジャック・バウアーとともに時間を追いながら見ていると、彼の人格をリアルに洞察しているかのように感じられるが、実際に視聴者が見ることができたのは、彼の人生のたった9日間の話。『24』以外の人生を極力省くことで、ジャック・バウアーという人物像に複雑さを加え、典型的なヒーローよりもミステリアスにしたのだ。キャラクターを従来の映画構成に押し込んでしまえば、動機が見えすぎてしまい、一般的なスリラーの型にはめざるを得なくなる。
この懸念点を踏まえると、一般的な上映時間が2時間前後の映画では『24』の価値を損なう可能性は否定できない。物語の描き方として新たなトリックを見つけられなければ、数多あるアクション映画に差異をつけることはできないだろう。
とはいえ、企画はまだ動き出したばかり。私たちの想像を超えてくれることを期待して、続報を待ちたい。
『24 TWENTY FOUR』とそのスピンオフ『24:レガシー』はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)