ディズニー作品やマーベル、スター・ウォーズなど魅力的なラインナップで知られるDisney+(ディズニープラス)。本企画では、その華やかな作品たちの裏に隠れた知る人ぞ知る傑作をご紹介。第9回となる今回は、先日フィナーレを迎えた『デアデビル:ボーン・アゲイン』シーズン2をご紹介しよう。
※本記事には『デアデビル:ボーン・アゲイン』シーズン2のネタバレが含まれます。
『デアデビル:ボーン・アゲイン』シーズン2 あらすじ
物語の舞台は、前シーズンから約半年後。ニューヨーク市長として強大な権力を握ったウィルソン・フィスクは、アンチ自警団タスクフォース(AVTF)を設立し、自警団を容赦なく弾圧し始める。戒厳令が敷かれる中、マット・マードックは地下に潜伏し、カレン・ペイジら仲間たちと共にレジスタンスを結成。フィスクの腐敗した帝国を打ち砕くための過酷な戦いへと身を投じていく…。

シーズン1の失望を乗り越えた、完璧な「原点回帰」
デアデビルというキャラクター自体の知名度は高いものの、本作をシーズン2までしっかり追いかけている人は日本ではあまり多くないように感じる。海外では絶賛された本作が埋もれてしまうのはあまりにももったいないと感じ、今回あえてピックアップした。
個人的に『デアデビル:ボーン・アゲイン』のシーズン1にはイマイチのめり込めなかった。プラットフォームがディズニープラスに変わると知った時は不安があったが、マット、フォギー、カレンのトリオが揃うと聞いてどれほど胸を躍らせたことか。しかし、フォギーは第1話でブルズアイの凶弾に倒れ、カレンもニューヨークを離れてしまう…。期待が大きかった分、落胆も大きかった。
しかし、シーズン2は、全体を通して文句のつけようがない傑作だった。作品が描くべきテーマが明確になり、ダークでシリアスな『デアデビル』の真髄が見事に蘇っていたのだ。

フォギーの「善性」が照らす、第5話の感動
特に心を打たれたのは、第5話「大いなる計画」だ。マットはフォギーの仇であるデックス(ブルズアイ)を見捨てて逃げるか迷う。その時、彼の脳裏をよぎったのは、かつてフォギーと共に彼の幼馴染レイ・マッコイを弁護したときの記憶。レイはかつてフォギーをいじめていたのだが、フォギーはそんな彼に自身の貯金を全額渡して再出発を後押ししたのだ。
親友の命を奪った憎き相手であっても、見殺しにはしない。フォギーの揺るぎない「善性」が、マットの心を動かし、ヒーローとしての行動を促す。フォギーは死してなお、マットの道徳的な羅針盤であり続けているのだ。
憎しみを上書きする、ブルズアイの圧倒的な魅力
シーズン1でフォギーを殺したブルズアイのことは、あまり好きになれずにいたが、シーズン2での彼は魅力にあふれていた。
フォギーの命を奪った過去の行いを彼なりに償い、失われた「均衡」を取り戻そうと葛藤する。実際に、第4話「真剣勝負」ではフィスクの殺害を企て、第7話「憎悪の闇」ではマカフリー知事の暗殺を阻止するという「善行」を見せる。彼なりの不器用な方法で罪と向き合おうともがく姿は、実に魅力的だった。
何よりもアクションシーンがとにかくカッコいい! 特に第4話でのダイナーの戦闘シーンは圧巻の一言だ。AVTFたちをダイナーに誘い込み、ナイフやフォークを凶器に変えていく。鮮やかなカメラワークとアクションが光る名シーンだった。
脇役たちが織りなす、痛切な人間ドラマ
メインキャラクターだけでなく、脇を固めるキャラクターたちの群像劇が深く描かれている点も評価したい。フィスクのプロパガンダに協力する裏で、密かに告発動画を配信していたベン・ユーリックの姪、BB。そして、フィスクの広報副市長でありながら、最後はBBを逃がすために命を落としたダニエル・ブレイク。特別な力がなくとも、正義のために勇気を振り絞る二人の姿は、物語に血の通ったリアリティを与えていた。
フィクションと割り切れない、分断される社会のリアル
心が痛んだのは、フィスクの政策によって市民の間に広がっていく「分断」の描写だ。権力が自警団を弾圧し、抗議する市民が次々と拘束され、街には暴力と疑心暗鬼が蔓延していく。これは私たちが暮らす現実世界の未来の姿か、あるいはすでに現在進行形で起きていることなのではないか。フィクションとして割り切って楽しむことができない、この現実が悲しい。

ジェシカ・ジョーンズの帰還!
ファンにとって何よりもうれしいのは、ジェシカ・ジョーンズのカムバックだろう。それだけでなく、最終回「サザンクロス」でルーク・ケイジが登場するサプライズはたまらなかった!

マットは最終的に逮捕・投獄されてしまったが、本作はシーズン3へ更新が決まっており、彼らの物語はまだまだ終わらない。
さらに本日5月13日(水)から配信が始まる『パニッシャー:ワン・ラスト・キル』はどう展開していくのか。今から楽しみでならない。(海外ドラマNAVI)











