
2024年もたくさんの海外ドラマとの出会いがあった一方で、多くの作品が打ち切りになり、しぶしぶ別れを告げた…という方もいるはず。ここでは「納得いかない!」と思わず声に出して言いたくなるほど、不当に打ち切られた感のある海外ドラマ8作をご紹介しよう。
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『スター・ウォーズ:アコライト』
『イカゲーム』で世界に名を轟かせた韓国俳優イ・ジョンジェの出演も話題を呼んだ『スター・ウォーズ』スピンオフドラマ。Disney+によるスター・ウォーズやマーベルのドラマ作品はリミテッドシリーズとして制作されることが多いものの、『~アコライト』は珍しくはっきりとシーズン1終盤でシーズン2への布石を用意し、更新の準備が整えられていた。にもかかわらず、高額な制作費に見合うだけの成績を収められなかったとして1シーズンで打ち切りに。さらに悲しいことに、メイ/オーシャを演じた主演のアマンドラ・ステンバーグは打ち切り決定を聞いても大きな衝撃は受けなかったとか…。
『スター・ウォーズ:アコライト』はDisney+(ディズニープラス)にて配信中。
『アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記』
ルーシー・リューが監督として参加し、ミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァンという『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のオスカーコンビが出演するなど豪華な顔ぶれが集まったアクションコメディ。シーズン1フィナーレにクリフハンガーが用意されていたにもかかわらず打ち切られたことで、楽しんでいたファンにとってはフラストレーションMAX! Disney+で楽しめるマーベルでもスター・ウォーズでもないアクションドラマはレアだっただけに惜しまれる。
『アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記』はDisney+(ディズニープラス)にて配信中。
『チャッキー』
時代を超えて愛され続けるホラー映画『チャイルド・プレイ』シリーズに登場したアイコニックな殺人ドール、チャッキーを主人公にした米Syfyのドラマシリーズは、3シーズン続いた末に打ち切り決定。映画の世界観を活かした、ほかでは見られないユーモアあふれるホラーコメディは珍しく、純粋にもっと続きが見たいと思えるシリーズだった。打ち切り発表当時に、映画シリーズの脚本家でありドラマ版のクリエイターを務めたドン・マンシーニは「チャッキーは戻ってきます!」と声明で述べており、その言葉通り再開できる日を楽しみに待ちたい。
『チャッキー』シーズン1~2はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)で配信中。全3シーズンはHuluにて配信中。
『イーヴィル:超常現象捜査ファイル』
心理学者×神父×便利屋という異色トリオが不可解な事件の解決に挑む一話完結型のサイコホラー・サスペンス。来たるシーズン4で打ち切りになると事前にParamount+が発表していたことで心構えはできたけれど、クリエイターのロバート・キングが「あと2シーズンくらいは続けられると思う」と話している通り、もっと将来があったはずだと思わずにはいられない。キャストも同じように感じているようで、クリステン役のカーチャ・ハーバースがNetflixに番組救済を呼びかけたことも話題に。さらにホラー界の帝王スティーヴン・キングも本作のファンを公言し、自身のXで「親愛なるParamount+、『イーヴィル』をもっとお願いします」と継続を要望。キングの鶴の一声でなんとか続けてほしかったが…。
『チャッキー』全4シーズンはHuluにて配信中。
『マイ・レディ・ジェーン』
歴史改変のヤングアダルト小説を原作に、英国俳優のエドワード・ブルーメルやドミニク・クーパーも出演する、知る人ぞ知るAmazonの新作ドラマは、そのポテンシャルを存分に発揮する前に1シーズンで打ち切りに。米TV Lineの「見ていないならもったいない本年度ドラマ」に選ばれるなど、一目見たら病みつきになること間違いなし(ライトな歴史ドラマ好きならなおさら!)だったはずだが、原作ファンでさえドラマ化を知らなかったという声もあり、プロモーションに要因があるとも言えそう。歴史改変ものということで、「もしもシーズン2があったなら…」と妄想で楽しむしかない!?
『マイ・レディ・ジェーン』はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)で配信中。
『NCIS:ハワイ』
『NCIS』シリーズ史上初めて女性がチームリーダーを務めることも話題を呼んだスピンオフ。本国アメリカにおけるシーズン3の平均視聴者数は780万人と、シーズン2に比べて4%増加。さらに2023~2024年シーズンに放送された米CBSのドラマシリーズ14作品のうち、総視聴者数で6位にランクインと、シーズン2へ更新された『NCIS:シドニー』をも上回る視聴者数を獲得していたにもかかわらずキャンセルに。今後の可能性を十分に示していただけに、納得がいかない幕切れだった。『NCIS』シリーズではギブスの若き日を描くスピンオフ『NCIS: Origins(原題)』が2024年10月に始まったが、新たなシリーズを作るよりも『NCIS:ハワイ』を継続させるべきだったという声も聞かれた。
『NCIS:ハワイ』シーズン1~2はHuluにて配信中。
『海賊になった貴族』
『マイティ・ソー』シリーズのタイカ・ワイティティが製作総指揮と出演を兼任するコメディドラマは、クリエイターのデヴィッド・ジェンキンスが「シーズン4で物語を終える計画」を明かしていたが、シーズン2の放送が終了した後でMaxが打ち切りを決断。しかし、熱狂的なファンはこれを黙って受け入れず、当初の構想通りシーズン4での完結を目指して救済運動を展開。最終的にニューヨークのタイムズスクエアにデジタル広告が掲出されるほど盛り上がりを見せた。LGBTQ+の描き方が秀逸だっただけに、また一つこうした作品がなくなるのは残念だ。
『海賊になった貴族』全2シーズンはU-NEXTにて配信中。
『STATION 19』
20年以上続く米ABCの長寿ドラマ『グレイズ・アナトミー』のスピンオフとして誕生した、消防士たちの活躍を追う救命ドラマも打ち切りに。ショーランナーが交代したシーズン7はそれまでの良さを活かしつつ、新たなユーモアも交えてリフレッシュしたかのように思えたが、シーズン更新とはならなかった。こちらもファンによる熱心な救済運動が行われたが、決定が覆ることはなさそうだ。一方でジェイソン・ジョージ演じるベン・ウォーレンは本家へ復帰しており、今後もそうした“異動”に期待できるかもしれない。
『STATION 19』全7シーズンはDisney+(ディズニープラス)にて配信中。
参考元:米TV Line
Photo:『チャッキー』© 2024 Universal Content Productions LLC. All Rights Reserved.