【ネタバレ】『THE LAST OF US』あのキャラは黒澤明の浪人役をイメージ

同名の大人気サバイバルアクションゲームを実写化した米HBOドラマ『THE LAST OF US』に登場するあるキャラクターは、黒澤明の浪人役のイメージだという。米Entertainment Weeklyが報じている。(※この記事はシーズン1の第4話・第5話のネタバレを含むのでご注意ください)

主人公の弟でなくドラマオリジナルのキャラに

本作は、謎の疫病による文明崩壊から20年が経ったアメリカを舞台に、過去のトラウマを抱える主人公ジョエル(ペドロ・パスカル)が、疫病の原因となる菌に耐性を持つ少女エリー(ベラ・ラムジー)を連れてアメリカを横断する姿を描く。

オリジナルのゲーム版でジョエルの弟トミー役の声とモーション・キャプチャーを担当したジェフリー・ピアース(『CHARLIE JADE チャーリー・ジェイド』)は、本作の企画・製作総指揮を担うクレイグ・メイジンが生み出した新たなキャラクター、ペリーとしてこのドラマ版にも出演した。ジェフリーはメイジンが手がけた『チェルノブイリ』に衝撃を受けていたので、このドラマ化が噂される中でゲーム版の脚本家であるニール・ドラックマンとメイジンがランチをしていると耳にした時、「この二人のタッグなら、素晴らしい作品ができるかもしれない」と思ったという。

ジェフリーはもともとトミー役の読み合わせに参加していた。だが、ゲーム版の時より10歳年を取っていたため早い段階で断念。代わりにドラックマンにメールし、この物語をサポートするために何かできることがあれば、すぐにでも参加すると伝えたという。結局トミー役にはジェフリーも「ピッタリだと思う」と太鼓判を押す別の俳優(『ターミネーター:ニュー・フェイト』のガブリエル・ルナ)が決まり、ジェフリーがメールの1週間後に呼ばれて得たのがペリー役だった。

ペリーは、カンザスシティの圧政的な軍事作戦に立ち上がり、大都市を奪還した運動のリーダー、キャスリン(メラニー・リンスキー)の右腕と言える存在。そんなペリーを演じたジェフリーが役作りのために要求されたことは「髪を切るな」「ヒゲを伸ばせ」などだったという。そのほかに求められたのは、「ペリーが元軍人であるかのような身のこなしをするという役作りで、これはクレイグが脚本に書いたものだと思う」とジェフリーは説明する。

「ペリーは事態が悪化するとスイッチが入り、プロフェッショナルに対応するようになる。この男がどんな人物で、どんな人生を歩んできて、何が彼を今の地位に導いたのかについては、僕自身で結論を出すことができた」

その結果ジェフリーは、演じるペリーのことを「カンザスシティに来て自分が生きる目的を再発見し、キャスリンと彼女の兄に人生と愛を捧げた、黒澤明の映画に出てくる浪人のような人間」と考えるようになったのだという。キャスリンのために死んでしまったペリーだが、その生き様にはジェフリーも満足している。ペリーの死のシーンについてはいくつかアイデアが提案されたが、最終的に放送された形が名誉ある人生を送った男の素晴らしい結末だったとジェフリーは考えているようだ。「最終的に、あの “首もぎ取り“というショッキングな形にしたことでゲームの原点に立ち返ったんだ」

『THE LAST OF US』はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly