3月8日は国際女性デー。これを記念して、国際女性デーにぴったりなエンパワメントされる海外ドラマを厳選。これまでの女性による功績を称えるとともに、「差別」や「偏見」について見つめなおしてみよう。
目次
国際女性デーとは
1975年3月8日、国連によって制定された国際女性デー。性別による偏見やステレオタイプのない世界を目指すための活動を称えるとともに、差別に対する意識を高めるための日でもある。
英語圏では、International Women's Dayの頭文字「IWD」の略称で親しまれている。特にイタリアでは「ミモザの日」としても知られ、街にはミモザが溢れ、女性にミモザの花を贈り合う習慣がある。
国際女性デーに見たい海外ドラマ
今回は、そんな国際女性デーの日に見たい海外ドラマをピックアップ。ドラマを通して、元気・勇気をもらったり、共感して癒されたり……。身近な問題について向き合うきっかけづくりになるかも?
『パワー』
ナオミ・オルダーマンによる同名小説を実写化した本作は、世界各地で電気を操る力“EOD”を得た女性たちを描くSF・フェミニズム。「ひょんなことから超人的な能力を得る」という要素は非常にアメコミ的だが、注目すべきは女性だけが力を手に入れるということ。一般的には男性の方が物理的な力が強いが、もしそれが逆転したら…? というIFの世界を描いている。
さまざまな国で異なる問題が起きていくが、なかには、現実の事件をもとにしたものも。今のところシーズン1までだが、原作の序盤までしか描かれていないため、シリーズ更新に期待したい。
『パワー』はAmazon Prime Videoで配信中(>>Amazon作品ページ)。
『デッドロック ~女刑事の事件簿~』
オーストラリア発クライムコメディで、仕事への取り組み方が大きく異なる二人の女性刑事、ダルシーとエディが主人公。普段は何の問題も起こらない町のデッドロックだが、ある日町のビーチに謎の死体が流れ着き、一緒に仕事をすることになってしまい…?
刑事のバディものと言えば、男同士や男女コンビが多いなか、本作は二人とも女性! さらに"中年"女性というのもポイントだ。ちなみに、ダルシー役は『ウェントワース女子刑務所』のルー・ケリーでおなじみケイト・ボックス。同作のファンはこちらもチェックしてみては?
『デッドロック ~女刑事の事件簿~』はAmazon Prime Videoで配信中(>>Amazon作品ページ)。
『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』
フランス発の『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』は、女性二人の凸凹バディを描いたミステリー。優れた記憶力と論理的思考力を持つ自閉症のアストリッドと、猪突猛進型の刑事ラファエルが力を合わせて事件を解決する一話完結ものだ。
論理的で几帳面なアストリッドと、思いつきで即行動、おおらかでフレンドリーなラファエルという正反対の二人。初めこそ噛み合わないものの、お互いの苦悩と孤独を理解し合っていくうちに最強のバディとなっていく。
『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』は、U-NEXT、Hulu、Amazon Prime VideoのシネフィルWOWOW プラスなどで配信中。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、マーガレット・アトウッドによる同名小説の実写化。舞台は、環境汚染により少子化問題が深刻化した宗教主義国ギレアド共和国。富裕層以外の健康な女性は子作りのために侍女として上位階級の司令官に仕えることが決められている…。
人権などなく道具として扱われるだけという絶望的な状況で、前に進むことを決意したオブフレッド(エリザベス・モス)の生きざまが描かれている。現在シーズン5まで配信されており、続くシーズン6が最終章になる。
現実とはかけ離れた世界ではあるものの「女性は子を産む機械である」と発言する政治家が実際にいるこの国において、“フィクションの世界”と割り切るのは難しいかもしれない。
『ハンドメイズ・テイル』シーズン1~5は、Huluで配信中。
『ビッグ・リトル・ライズ』
リアン・モリアーティによる同名のベストセラー小説を基にしたダークコメディ。高級住宅地に暮らす三人の母親が主人公。一見、順風満帆に見える彼女たちだが、とある殺人事件をきっかけに彼女らの抱える秘密や嘘が浮かび上がり…。
リミテッドシリーズの予定だったが、エミー賞やゴールデン・グローブ賞を総なめするほどの人気と注目を集め、シーズン2まで製作された。
『ビッグ・リトル・ライズ』はU-NEXTで全シーズン(シーズン1~2)配信中。
『マーベラス・ミセス・メイゼル』
舞台は1950年代のニューヨーク。専業主婦のミッジ・メイゼルがある出来事をきっかけにスタンドアップコメディアンになりスターを目指す過程を描く。『ギルモア・ガールズ』のエイミー・シャーマン=パラディーノがクリエイターを務めているので、同作が好きな人はぜひ見てほしい。
時代こそ異なるが、家庭と仕事のはざまでの悩み事は、悲しいかな現代にも通じるところがある。しかし、どんなときも明るく前向きな主人公なミッジから、きっと元気と勇気をもらえるはず。
『マーベラス・ミセス・メイゼル』シーズン1~5は、Amazon Prime Videoで配信中(>>Amazon作品ページ)。
『Fleabag フリーバッグ』
英BBC製作の『Fleabag フリーバッグ』は、セックス依存症気味の主人公の日常を描いた異色のダークコメディ。性欲の強い女性を赤裸々に描いた本作は、ショーレースでも話題に。イギリスらしい皮肉もたっぷりなので、シニカルな作品が好きな人におすすめだ。
ちなみに、フィービー・ウォーラー=ブリッジ演じる主人公フリーバッグは、作中に名前を呼ばれるシーンがない。この「フリーバッグ」とは直訳で「みすぼらしい人、不潔な人、ボロ宿、ノミのたかった動物」という意味。
『Fleabag フリーバッグ』シーズン1~2は、Amazon Prime Videoで配信中(>> Amazon作品ページ)。
『クイーンズ・ギャンビット』
人並外れたチェスの才能を開花させた児童養護施設出身のベス・ハーモンを主人公に、男性優位のチェスの世界で頂点を目指す様子を描いた『クイーンズ・ギャンビット』。
本作の最終話では、実在の女性チェスプレイヤーでジョージア出身のノナ・ガプリンダシヴィリについて言及されるシーンも。しかし、その内容が事実とは異なるとして、Netflixが提訴されたことが。
男性社会で奮闘するベスから勇気をもらえる本作であるだけに、非常に残念なニュースであった。製作サイドの誠実さについて、あらためて注視していかなくてはならない。
『クイーンズ・ギャンビット』はNetflixで配信中。
『絶叫パンクス レディパーツ!』
ここまで、ある程度知名度がある作品を紹介してきたが、『絶叫パンクス レディパーツ!』は聞いたことがないという人もいるのでは?
原題が「We Are Lady Parts」の本作は、ロンドンを舞台に20代のムスリマ(ムスリム女性)がパンクバンド“レディパーツ”を結成する青春コメディ。ジェンダーだけでなくイスラム教徒や有色人種に対する偏見を痛快に描く、まさに「国際女性デー」にぴったりな一作だ。
イスラム教は、日本ではまだ馴染みが薄いので身構えてしまうかもしれないが、基本的にはバンドコメディものなので、気楽に視聴してほしい。いうなればアニメの「けいおん!」のようなイメージが近いかも?(ちなみに日本語吹替版では寿美菜子、豊崎愛生と「けいおん!」声優もキャスティングされている)
『絶叫パンクス レディパーツ!』は、Amazon Prime Videoの「Star Channel EX -DRAMA & CLASSICS-」で配信中(>> Amazon作品ページ)。
(海外ドラマNAVI)
Photo:『パワー』Amazon Studios
『デッドロック ~女刑事の事件簿~』Amazon Studios
『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』©-FRANCE-TELEVISIONS-JLA-PRODUCTIONS-Be-FILMS-RTBF-
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン2より (C) 2018 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
『ビッグ・リトル・ライズ』シーズン1© 2018 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc. Distributed by Warner Bros. Home Entertainment. All rights reserved.
『マーベラス・ミセス・メイゼル』©Amazon Studios
『Fleabag フリーバッグ』(c) Two Brothers Pictures Ltd MMXVI
『クイーンズ・ギャンビット』Netflix
『絶叫パンクス レディパーツ!』(C) WTTV Limited 2021. ALL RIGHTS RESERVED.