『24 -TWENTY FOUR-』リバイバルの状況は？ショーランナーが語る

これまで何度か噂されてきた大ヒットドラマ『24 -TWENTY FOUR-』復活話が、今年9月にジャック・バウアー役のキーファー・サザーランドによる発言で現実味を帯びてきたことは当サイトでもお伝えした通り。その後の状況を、ショーランナーのハワード・ゴードンが明かした。

「今回こそは実現しそう」だが、先は長い？

米FOXにて2001年から2014年まで放送された『24 -TWENTY FOUR-』は、アメリカで次々と起こるテロ行為に立ち向かうジャックの姿を、一話1時間のリアルタイム進行で描いた人気シリーズ。同シリーズに主演し続けてきたキーファーは2ヵ月前、ラジオ番組の中でシリーズの新たな脚本がすでに書かれていること、その内容が素晴らしいことなどを明かし、「ショーランナー兼製作総指揮のハワード・ゴードンが、私が気に入るアイデアを考えてくれた」などと語っていた。

そしてこの度、シリーズ当初から関わってきたゴードンが米Deadlineの取材に応じ、先のキーファーの発言を受けてリバイバルの状況を語った。

「（リバイバル版の）制作は確かに進行中で、今まさに開発しているものがあります」と語ったゴードンだが、キーファーと同じく権利問題があることに言及。2019年にFOXがディズニーに買収されたことから、同シリーズの権利もFOXからディズニーへと移行している。それにより、あれだけ人気を博した作品であっても即OKとはならないようだ。ゴードンによると、ディズニーは今のところこの作品に携わっておらず、正式なゴーサインはまだ出ていないという。

「私は何年にもわたり、いろいろな形でこの企画に取り組んできました。ジャックだけでなく別のキャラクターを想定したものも考えましたし、ほかの脚本家によるピッチ（企画提案）も何十件も聞きましたし、自分で取り組んだものもあります。私自身、この作品に対しては懐かしいという気持ちが強いですし、キーファーも同じだと思います。そんな中で私たちが長い間悩んでいたのは、十分に筋が通り、自立した物語の方向性が見つからなかったからなんです。今回こそは実現しそうな気がしていますが、まだ正式決定ではありませんし、完成もしていません」

ゴードンは復活に意欲を見せる一方で、無理に推し進めるつもりはないことを強調する。「何よりも避けたいのは、復活させたけど出来が良くない、という事態です。それは作品に対してフェアではありませんし、ファンに対しても失礼ですし、私自身にとっても公平とは言えません。だからこそ、心から繋がりを感じられる企画でなければなりません。少なくとも、自分にとっては繋がっていると信じられるものであるべきなのです。そんな作品であっても良い結果にはならないかもしれませんが、少なくとも自分で“これはやる価値がある”と信じられるものでなければならないのです」

リアルタイム進行といえば、米HBO Maxの医療ドラマ『ザ・ピット／ピッツバーグ救急医療室』は、病院のある一日（15時間）をそのスタイルで描き、本年度のエミー賞で5冠を達成。成功を受けて同社は同じスタイルで別のジャンルの作品も作ることを進めているが、実はゴードンもかつて『ER 緊急救命室』のリアルタイム進行バージョンを考えたことがあったそうで、『ザ・ピット』の出来を称賛している。

ゴードンは『24 -TWENTY FOUR-』シリーズのほかにも、『HOMELAND』『タイラント －独裁国家－』『ACCUSED／罪の真相』などに関わっており、今月13日（木）には『HOMELAND』のクレア・デインズと再タッグを組んだ『BEAST　－私のなかの獣－』がリリースされた。多忙なゴードンは、繋がりにこだわりつつ『24 -TWENTY FOUR-』の新たな作品を生み出せるだろうか。

『24 -TWENTY FOUR-』はDisney+（ディズニープラス）にて配信中。（海外ドラマNAVI）

参考元：米Deadline、英Radio Times