海外ドラマの金字塔『24 -TWENTY FOUR-』は、1話=1時間のリアルタイム進行で、全24話を通じて1日(24時間)の出来事を描くという斬新なスタイルで大ヒットしたアクションシリーズ。
米Colliderが、シーズン1のラスト5分が米テレビ界を永遠に変えた理由を論じているので紹介したい。
(※これ以降は、『24』シーズン1最終話のネタバレを含みます)
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海外ドラマ『24 TWENTY FOUR』、映画化にあたっての懸念点
主人公ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)の活躍を …
他のバージョンも撮影されたが…
『24』は、CTU(対テロリスト部隊)のロサンゼルス支局に勤めるジャック・バウアー捜査官が、テロリストの陰謀を阻止するべく、24時間奔走する姿がアクション満載で描かれるシリーズ。
シーズン1では、CTU内部にスパイが潜んでいる事実が判明する。その正体は、ジャック・バウアーの相棒であり、かつて不倫関係にあったニーナ・マイヤーズだった。ジャックの妻テリーは彼女に殺害され、スパイの正体と妻の死を知ったジャックは、テリーの遺体を抱きしめて泣き崩れる。
テリーは、ジャックと娘キムにとって極めて重要な存在であり、物語の中でも大きな比重を占めるキャラクターだった。シーズン1では、テリーが死の危機に直面するような伏線がほとんどなく、視聴者にとって彼女の死は極めて衝撃的などんでん返しとなった。実際にはテリーが生存するバージョンも撮影されたが、製作陣はよりリアリティを追求し、最終的に彼女が死亡する結末を採用したという。
この最終話が放送された2002年、地上波ドラマにおいて、ストーリー上でこれほど大きなリスクを取る作品は稀だった。『24』は、その後も主要キャラクターが次々と命を落とし、予測不能などんでん返しを繰り返すことでテレビドラマの常識を覆していった。
このスタイルは、『24』の3年後に放送が開始された『LOST』にも継承されている。『LOST』では主要キャラクターが容赦なく退場し、物語のトーンが急激に変化するなど、視聴者に絶えずサプライズを与え続けた。
『24』は、主要キャラクターの死や大胆などんでん返しを物語に組み込むことで、地上波ドラマの常識を塗り替えた作品だ。その革新的な手法は後続のドラマにも受け継がれ、テレビシリーズ全体の表現の幅を広げる契機となった。まさに『24』は、現代ドラマの進化を加速させたターニングポイントだったと言えるだろう。
『24 -TWENTY FOUR-』の映画化が現在進行中。ドラマ全8シーズンは、HuluとDisney+(ディズニープラス)で配信中。