米CBSで放送された人気犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』は、配信サービスの米Paramount+にてリブート版『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪:エボリューション』(通算シーズン16目)として復活。シーズン18で大きな区切りを迎え、来たるシーズン19が抱える重大な問題をScreen Rantが指摘しているので紹介したい。
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悪役設定に新たな工夫が必要?
シーズン18のラストでは、シーズン16より3シーズンにわたって物語の中心となった悪役、シカリウスことイライアス・ヴォイトを巡る物語は完全に決着がついた。ヴォイトの犯罪ネットワークは無力化されて主要な事件は解決したが、この完結は次シーズンへの課題も浮き彫りにしている。ヴォイトという比類なき悪役を失ったことで、シーズン19では大きな空白が生じるからだ。
『クリミナル・マインド』シリーズ史上、ヴォイトは最も詳細に描かれた悪役であり、彼の過去や心理を丁寧に描写することで視聴者に感情移入させ、興味を引きつけてきた。その存在感の大きさゆえ、次に登場する悪役が同じ水準で物語を牽引できるかが課題となりそうだ。
シーズン16~18では、ヴォイトが連続殺人犯になった過程や、その秘密をどう維持していたのか、そして自身の行為の恐ろしさに気付いたときに、どのような影響が及ぶのかが描かれた。こういった描写により、悪役としての魅力が十分に確立された。加えて、ザック・ギルフォードの演技力でヴォイトはより立体的で説得力あるキャラクターとなり、視聴者は彼の言動に恐怖を感じながらも理解や共感を示すことができた。
そのため、シーズン19では悪役設定に新たな工夫が求められる。ヴォイトのフォロワーやネットワークの個々のメンバーを追うという選択肢もあったが、すでにシーズン18でほとんど決着がついてしまったため、それは不可能になった。結果としてシーズン19は単独の悪役ではなく、複数の強烈な悪役を設定するか、新たな長期ストーリー軸を組み合わせるなど形式面での柔軟性も必要だ。
総じてシーズン19の課題は、ヴォイトという強力な悪役を失った空白をどう埋めるかだ。シリーズの過去の魅力を維持しながら、新たな悪役や物語の構造で視聴者を引きつけることができるかが成功の鍵となるだろう。
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』(『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪:エボリューション』)シーズン1~18は、Disney+(ディズニープラス)にて配信中。