大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』と前日譚ドラマ『ベター・コール・ソウル』でクリエイターを務めたヴィンス・ギリガンが、全米脚本家組合賞(WGA)で最高峰となる賞を受賞することが明らかとなった。米Deadlineなど複数のメディアが報じている。
ドラマ界を代表する名脚本家たちに仲間入り
ギリガンは、2月15日(土)にロサンゼルスのビバリーヒルトンホテルで開催される全米脚本家組合賞授賞式で、パディ・チャイエフスキー・ローレル賞のTV脚本功績賞を受賞することになっている。この賞は、アカデミー賞に3度輝いた名脚本家パディ・チャイエフスキー(『マーティ』『ホスピタル』『ネットワーク』)の名前を冠する。
全米脚本家組合の西海岸支部が選ぶ同賞は、TV脚本家にとって最高の栄誉に当たり、TVにおける文学を発展させ、TV脚本家という職業に多大な貢献をした人物を称える賞だ。過去には、スティーヴン・ボチコー(『L.A. LAW/7人の弁護士』『NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署』)、デイビッド・E・ケリー(『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』『アリー・myラブ』)、スティーヴン・J・キャネル(『特攻野郎Aチーム』)、ジョン・ウェルズ(『ER 緊急救命室』)、デヴィッド・チェイス(『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』)、ラリー・デヴィッド(『となりのサインフェルド』『ラリーのミッドライフ★クライシス』)、ゲイリー・マーシャル(『ハッピーデイズ』)、ションダ・ライムズ(『グレイズ・アナトミー』『スキャンダル 託された秘密』)、マルタ・カウフマン&デヴィッド・クレーン(『フレンズ』)、アーロン・ソーキン(『ザ・ホワイトハウス』『ニュースルーム』)、ジェンジ・コーハン(『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』)などが受賞している。
ギリガンはこの大きな栄誉を受けるにあたり、「良い時も不調の時もありました。美しい南カリフォルニアで起こった出来事しか考えられない今、より優れた作家の文章を参考にすることしか思いつきません。ですが、この賞は非常に名誉なものであり、心から感謝しています」と、ロサンゼルスで起きた大火災に言及しつつ、チャールズ・ディケンズの「二都物語」を引用して感謝の意を述べた。
バージニア州出身のギリガンは、ニューヨーク大学在学中の1989年に、バージニア州知事脚本賞を受賞した脚本『Home Fries』で業界に進出。その脚本はのちにドリュー・バリモアとルーク・ウィルソン主演の『100万回のウィンク』として映画化され、ギリガンが脚本を担当した。そのほかには、人気ドラマ『X-ファイル』で脚本を手掛け、スピンオフドラマ『ローン・ガンメン』ではクリエイターを務めて注目された。
それ以来、快進撃を続けているギリガンは、『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』で計6回も全米脚本家組合賞を受賞するという快挙を成し遂げ、『ブレイキング・バッド』は全米製作者組合賞(PGA)と全米監督協会賞(DGA)にも輝いた。
また、ウィル・スミス主演映画『ハンコック』の脚本を執筆したほか、コップドラマ『バトル・クリーク 格差警察署』でクリエイターを担い、『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』では監督・脚本・製作を兼任した。
まさに脚本家として頂点に立ったと言えるギリガンは、『ベター・コール・ソウル』でキムを演じたレイ・シーホーンが主演するタイトル未定のApple TV+新作ドラマに取り組んでいるところだ。
ギリガンの代表作である『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』の全シーズン、『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』はNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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