『ブレイキング・バッド』脚本家が選ぶ、書くのが最も大変だったキャラクターとは?

2000年代を代表する犯罪ドラマの金字塔、『ブレイキング・バッド』で脚本を担当したピーター・グールドが、執筆が最も大変だったキャラクターを明かしている。

 

ドラマ史に名を刻むヴィラン

『ブレイキング・バッド』は、化学教師から裏世界でのし上がっていく主人公ウォルター・ホワイトや、彼の相棒となる元教え子のジェシー・ピンクマンなど、複雑で魅力的なキャラクターが数多く登場する。そんなキャラクターたちが揃う中、米Colliderのインタビューでグールドは書くのが一番難しかったキャラクターについて、こう語っている。

「ガス・フリングは、書くのが厄介なキャラクターでした。本当に難しかったですね。演じるのも大変だと思いますが、彼は自分の身に何が起こっているのかを容易に明かさないので、書くのが難しいんです。彼は非常に穏やかな印象を与えるけど、その裏では嵐が起こっていて頭も切れる人物ですから」

またグールドは、キャラクターを決まった形で描くのではなく、観客の理解や物語の進行に合わせて、柔軟にキャラクター像を作り変えていったとも明かしている。ガスは、表向きはフライドチキンのファストフードチェーンを経営する穏やかで紳士的なビジネスマンだが、裏では麻薬組織のボスとして君臨する冷酷なキャラクターだ。表と裏で全く違う顔を見せるガスの正体が、徐々に明かされていく過程を的確に描写することが難しかったようだ。

ガス役を演じて絶賛されたジャンカルロ・エスポジートの演技と脚本家チームのビジョンが融合し、『ブレイキング・バッド』は、ドラマ史に名を刻む最も恐ろしいヴィランの一人を生み出すことに成功した。

『ブレイキング・バッド』の前日譚ドラマ『ベター・コール・ソウル』で共同クリエイターに昇格したグールドは、スピンオフではガスを悩ませる人物、ラロ・サラマンカを生み出すのが難しかったと明かしている。ラロは、本家で初登場したメキシコ麻薬カルテルのボス、ヘクター・サラマンカの甥。冷徹で計算高いラロは、障害となる者は容赦なく排除していき、主人公ソウル・グッドマンやガスたちの運命に深く関わることになった人物だ。

グールドはラロについて、「頭の切れるキャラクターを書くのは本当に難しいんです。彼(ガス)はすごく賢いから、彼が問題を抱えることは滅多にありません。だから、彼に相応しい敵役が必要でした。それがトニー・ダルトン演じるキャラクター、ラロ・サラマンカを作った理由の一つです」と振り返っている。

ほぼ無敵の完璧なキャラクターを作ることで、製作陣は史上最もアイコニックなヴィランを二人も生み出すことになったのだから、そのアプローチは見事に功を奏したと言えるだろう。

『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』全シーズンは、Netflixで配信中。(海外ドラマNAVI)

 

 

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