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俳優の監督兼任に待った!?海外ドラマのルールが改定

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ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室

俳優が、自身の出演するドラマでエピソード監督を務めることは珍しくない。しかし、この動きが強まっていること、業界の体制が変化したことなどを受けて、ルールが改定された。米Varietyが報じている。

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俳優が初めて監督を務めるにあたって、理想的なパターンの一つが自身の出演するドラマシリーズでメガホンを取ることだろう。ある程度続いているドラマなら、すでに世界観が確立されてスタッフやキャストの意思統一もとれており、進め方も何かしらのルーティンがあるはずだし、一話あたりの尺が基本的に1時間足らずと、初挑戦にはほど良い長さだ。さらに、自身が出演しているドラマなら、共演者やスタッフと顔見知りなので、作業もスムーズに進みやすい。

事実、もともと俳優だが、監督もするようになった人の場合、監督デビュー作が自身の出演ドラマだったというのはよく聞く話だ。先月もザカリー・クイントが監督に初挑戦したが、その作品は自身が主演する医療ドラマ『Brilliant Minds(原題)』だった。

Brilliant Minds(原題)

しかし、この慣行を快く思っていないのが全米監督協会(DGA)。放送局の各ドラマ番組の制作本数が毎年24話程度だったかつてと異なり、現在は予算の関係やストリーミングサービスの台頭で制作本数そのものが減少。監督の仕事が少なくなる中、DGAは「一人が二つの役割を兼任することは、監督という職務を軽視するだけでなく、本来プロの監督に回るはずだった仕事を奪ってしまう」と主張。そのため、先日合意された暫定契約では、監督専任ではない「兼任スタッフ(affiliated hires)」が監督できるのは1シーズンにつき2話までと定められた。また、全8話未満のシリーズでは、兼任スタッフが監督できるのは1話のみとなる。

ただし、この合意はDGAと映画・テレビ製作者連盟(AMPTP)の妥協の産物であり、多くの例外規定や抜け道も含まれている。そのため、実際にどれほどの効果を持つかは未知数だ。

一方で、このルールが機能すれば、俳優など他職種から監督への転身、兼業を目指す人々のキャリア機会を狭める可能性もある。

例えば、20シーズン以上続く『グレイズ・アナトミー』では、出演俳優が監督デビューする機会が長年にわたり設けられてきた。450を超える話数の中で、オリジナルキャストのエレン・ポンピオ(メレディス・グレイ役)やチャンドラ・ウィルソン(ミランダ・ベイリー役)をはじめ、ジェシー・ウィリアムズ(ジャクソン・エイヴリー役)、キム・レイヴァー(テディ・アルトマン役)、デビー・アレン(キャサリン・エイヴリー役)、ジャコモ・ジャンニオッティ(アンドリュー・デルーカ役)、ジェイク・ボレッリ(レヴィ・シュミット役)などが、出演する傍らで監督も務めた。そのうち何人かは本作で監督デビューを飾っている。

そんなキャストの中でも特に兼任が多かったのがケヴィン・マクキッド(オーウェン・ハント役)。シーズン5から俳優として加わった彼は、シーズン7からの毎シーズンで監督も兼任。シーズン12からは基本的に毎シーズン3、4話と担当本数も増加し、自身にとって最後の出演となったシーズン22最終話でも俳優・監督という二足の草鞋を履いていた。最終的には計49話で監督を務めており、これは同作最多だ。

グレイズ・アナトミー

ちなみに、DGAは今回設けた上限は、俳優だけを対象にしたものではないと強調。原則として監督以外の職種も対象となるが、ショーランナーやシーズン1で脚本を担当したクリエイターについては、監督してもこの上限には含まれない。例えば、『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』主演のノア・ワイリーはシーズン2で全15話のうち1話を監督した。しかし彼はシーズン1で2話分の脚本も執筆していたため、この新ルールが適用されても2話の上限には数えられない。また、エグゼクティブ・プロデューサーや共同エグゼクティブ・プロデューサーも、脚本執筆や出演を兼ねていなければ対象外となる。さらに、演技や脚本を担当せず監督とプロデューサーのみを務める「プロデューサー兼監督」も上限の対象には含まれない。

契約概要の中でDGAは、この制限の目的は監督の仕事を守ることであり、監督を目指す人の挑戦を妨げるものではないと説明している。「この取り決めは、ベテラン監督だけでなく、これから監督を目指す人々の仕事も支えるものです。同時に、ほかの職種で働きながらも本気で監督を志す人が、そのキャリアを築き続けられる環境は維持されます」

契約にはさらに例外も設けられている。兼任スタッフ全員が経験豊富な監督である場合、あるいはシーズン全話の監督として起用される場合は、この上限は適用されない。

そんな「経験豊富な監督」と認められるには、下記のいずれかを満たす必要がある。

●映画を2本監督している
●テレビシリーズを8話以上監督している(そのうち少なくとも4話は監督専任として担当)
●3作品以上にまたがってテレビシリーズ10話以上を監督している

全米俳優組合(SAG-AFTRA)は、このDGAとの合意についてコメントを控えている。

DGAはまた、海外で撮影される作品にもこの労働協約をより広く適用することで、会員の仕事を守ろうとしている。現在、アメリカ制作の作品が海外で撮影される場合、制作会社がDGAの契約条件を適用するのは約85%にとどまっている。DGAは適用範囲の拡大を求めたが、AMPTPはこれを受け入れなかった。その代わりにAMPTPは、海外作品の採用でDGA会員を差別しないよう制作会社に注意喚起する通達を出すことに同意。また、業界横断組織であるGeographic Scope Committee(海外適用範囲検討委員会)が年内に会合を開き、海外作品への適用拡大について引き続き協議することになっている。

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参考元:米Variety

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