天才デヴィッド・リンチによって生み出された『ツイン・ピークス』が放送されてから36年という歳月が流れた。放送終了後も、本作を支持する層はカルト的と称されるほど熱狂を増していく。その熱意に応えるように、1992年には前日譚となる映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』が公開。さらに2017年には、25年の時を経て実質的なシーズン3にあたるリミテッド・シリーズ『ツイン・ピークス The Return』が制作され、シリーズは伝説的な復活を遂げたが、カイル・マクラクランやシェリル・リー、そしてシェリリン・フェンらキャストたちがどのような道を歩んでいるのだろうか?
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『ツイン・ピークス』あのチェリーパイが食べられるのはこのお店
鬼才デヴィッド・リンチが手がけ、1990年代に一大ブームを巻 …
カイル・マクラクラン(デイル・クーパー役)

Instagramアカウント@kyle_maclachlanより
『ツイン・ピークス』のデイル・クーパー特別捜査官役に抜擢される以前に、1984年の『デューン/砂の惑星』と1986年の『ブルーベルベット』の2作品でデヴィッド・リンチとタッグを組んでいたカイル・マクラクラン。『ツイン・ピークス』終了後にも、1992年の映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』や、2017年に放送された『ツイン・ピークス The Return』の全エピソードにおいて、再び同役を演じている。
「クーパーを永遠に演じ続けたい。彼は自分にぴったりとはまる、数少ないキャラクターの一人なんだ」2017年9月、『ツイン・ピークス The Return』の最終回が放送された直後、カイルは米Hollywood Reporterに対し、その熱い想いを語っている。「デヴィッドと僕は、この驚くべき世界とキャラクターを共に作り上げてきた。僕はこの役を愛している。別れを告げるのは辛いし、毎週テレビでクーパーに会えなくなるのは寂しくて仕方がないんだ」
俳優としては、その後も『セックス・アンド・ザ・シティ』、『デスパレートな妻たち』、『エージェント・オブ・シールド』、『ママと恋に落ちるまで』、そして大ヒット作『フォールアウト』など、数多くの成功したテレビシリーズで主演・助演を務めてきた。2025年には本作のプロモーションのために来日していたことも記憶に新しい。もちろん映画界でも『インサイド・ヘッド』(2015年)、『カポネ』(2020年)、『ブリンク・トゥワイス』(2024年)、『エコー・バレー』(2025年)といった作品に出演し、その存在感を示し続けている。
私生活においては、2002年4月に結婚した妻のデジリー・グルーバーとの間に、息子カラムという一人の子どもを授かっている。
シェリル・リー(ローラ・パーマー役)

@welcometotwinpeaks
物語の核となる殺害された少女ローラ・パーマーを演じたシェリル・リー。さらにシリーズ後半では、ローラの従姉妹であるマディ・ファーガソン役も務めている。映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』や、2017年の復活版『ツイン・ピークス The Return』の16エピソードにおいても、再びローラ役を演じている。
1998年には主演を務めたドラマ『L.A. Doctors(原題)』が放送されたがこちらは残念ながら1シーズンにて打ち切りに。そのほかにも『One Tree Hill』、『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』、『パーセプション 天才教授の推理ノート』、『ダーティ・セクシー・マネー』など、数多くのTVシリーズに出演。
私生活では、グラミー賞受賞歌手ニール・ダイヤモンドの息子である元夫ジェシー・ダイヤモンドとの間に、息子イライジャをもうけている。
レイ・ワイズ(リーランド・パーマー役)

@therealraywise
『ツイン・ピークス』において、最も視聴者の記憶に刻まれた人物の一人が、レイ・ワイズ演じるリーランド・パーマーであることに異論を挟む者はいないだろう。尊敬を集める弁護士でありながら、最愛の娘ローラの死に直面し、常軌を逸した悲しみのなかで狂気に取り込まれていく父親。レイは、見る者の心に深い傷跡を残すようなトラウマ級の演技を披露した。その圧倒的なパフォーマンスは、前日譚となる映画版『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』、さらには2017年に放送された復活版『ツイン・ピークス The Return』でも遺憾なく発揮され、シリーズの魂とも言える存在感を示し続けた。
テレビドラマ界では数多くの作品にその名を連ねており、悪魔を演じた『REAPER デビルバスター』をはじめ、『ママと恋に落ちるまで』、『フアン家のアメリカ開拓記』、『エージェント・カーター』、『MAD MEN マッドメン』といった人気作に出演。さらには、アメリカのソープオペラ界を代表する長寿番組『The Young and the Restless(原題)』にも登場するなど、ジャンルを問わず第一線で活躍し続けてきた。
特筆すべきは、78歳を超えてなお、その端正な容姿と独特のオーラに陰りが見られないことだ。映画界においてもその存在感は健在で、クリス・パインが監督・主演を務めた『プールマン』(2023)で見せた怪しげな佇まいは、まさに彼にしか出せない「味」であった。
プライベートでは1978年にカス・マクラスキーと結婚し、それ以来、長きにわたり連れ添っている。二人の間には、息子のギャノンと娘のカイナという二人の子どもが誕生。ハリウッドという激動の世界に身を置きながらも、公私ともに充実した歩みを続けている。
メッチェン・エイミック(シェリー役)

@madchenamick
『ツイン・ピークス』で脚光を浴びた後、映画版と復活版『ツイン・ピークス The Return』でも再び同役を熱演したメッチェン・エイミック。彼女にとってシェリー役は、まさにキャリアの原点と言えるだろう。
その後、90年代は主に映画を舞台に活躍。米The CWの人気シリーズ『リバーデイル』ではメインキャストに名を連ねる。全7シーズンにわたり、元新聞編集者のアリス・クーパー役を演じ、複雑な内面を持つ強烈な母親像を提示。新旧のドラマファンにその圧倒的な存在感を見せつけた。ほかにも、『ドーソンズ・クリーク』、『ギルモア・ガールズ』、『ゴシップガール』といった青春ドラマの金字塔から、『アメリカン・ホラー・ストーリー』のようなエッジの効いた作品まで、枚挙にいとまがないほどの有名シリーズに出演してきた。さらに、2025年にはドラマ『Brilliant Minds(原題)』にもゲスト出演を果たすなど、その勢いは衰えを知らない。
華やかなキャリアの一方で、メッチェンの私生活は驚くほど堅実で愛に満ちている。1995年に結婚した夫のデヴィッド・アレクシスとは、30年近く経った現在も理想的な関係を築いており、ハリウッドでは稀有な「おしどり夫婦」として知られている。二人の間には、娘のミーナと息子のシルヴェスターという二人の子どもがおり、家族の絆を何よりも大切にしているという。
ララ・フリン・ボイル(ドナ・ヘイワード役)

@amandaefriedman
主人公ローラの親友ドナ・ヘイワード役を演じ、一躍スターダムにのし上がったララ・フリン・ボイル。同作の映画版や2017年の復活版といった関連作品には姿を見せなかったものの、その後のキャリアで着実に実力派としての地位を確立していく。その代表格といえるのが、全8シーズンにわたって放送された法廷ドラマの金字塔『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』だ。ララは同作でメインキャストを務め、エミー賞助演女優賞にノミネートされるなど、テレビ界において確固たる評価を獲得。端正な容姿に宿る知的な演技は、多くの視聴者を虜にした。
映画界においても、ララの存在感は際立っている。カルト的な人気を誇る『ウェインズ・ワールド』(1992年)から、人間の業を描いた『ハピネス』(1998年)、そして世界的大ヒット作『メン・イン・ブラック2』(2002年)でのセクシーかつ冷酷なヴィラン役まで、その役幅は極めて広い。
一時スクリーンから遠ざかっていた時期もあったが、2023年には映画『Mother, Couch(原題)』で再び銀幕に復帰。往年のファンを喜ばせたことも記憶に新しい。私生活では、2006年にドナルド・レイ・トーマスと結婚。ハリウッドでは珍しく、20年近い歳月をドナルドと共に歩み続けており、公私ともに充実した足跡を刻んでいる。
シェリリン・フェン(オードリー役)

@sherilyn_fennxo
主人公ローラの同級生であるオードリー・ホーン役を演じ、世界的なスターダムにのし上がったシェリリン・フェン。2017年の復活版『ツイン・ピークス The Return』の4エピソードでも同役を再演しており、ファンにとって彼女とオードリーは今なお切り離せない存在だ。
シェリリン・フェンは2017年のGlamour誌のインタビューで、この作品がいかに自身のキャリアを劇的に変えたかを振り返っている。「あの作品は私のキャリアを完全に変えてしまったわ。エミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ、メディアの注目も凄まじかった。キャラクターは成長し続け、進化していった。ああいう役には、そう滅多に出会えるものではない。突然、あらゆる扉が開いたのよ」
テレビ界では、1998年から3シーズン続いたシットコム『Rude Awakening(原題)』で主演のビリー・フランク役を務めたほか、『ギルモア・ガールズ』、『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』、『シェイムレス 俺たちに恥はない』、『S.W.A.T.』、そして『ギルモア・ガールズ』といった数々の人気シリーズにゲスト出演を重ねている。日本で見られる最新出演ドラマはApple TVのアンソロジーシリーズ『リトル・アメリカ』だ。
2025年には医療ドラマ『Brilliant Minds(原題)』にも姿を見せており、その圧倒的な存在感は今なお健在である。映画界においても、1992年の名作『二十日鼠と人間』をはじめ、近年では『Immortalist(原題)』(2021年)や『Upon Waking(原題)』(2023年)など、日本では未公開ながらもジャンルを問わず着実にキャリアを積み重ねている。
華やかなキャリアの一方で、私生活においては二人の息子の母親としての顔を持つ。ミュージシャンの元夫トゥールーズ・ホリデイとの間にマイルズ、ディラン・スチュワートとの間にクリスチャンを授かっている。
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ダナ・アッシュブルック(ボビー役)

@danaashbrook
『ツイン・ピークス』のボビー役で鮮烈な印象を残したダナ・アッシュブルック。主人公ローラ・パーマーの恋人で、危うい魅力を放つ不良少年役は、ダナにとって最初の大きな転機となった。その後、前日譚となる映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』でも同役を続投。さらに2017年の復活版『ツイン・ピークス The Return』では、計7エピソードに登場し、歳月を重ねたボビーを見事に演じきった。一連のシリーズにおいて、欠かすことのできない作品の顔の一人だ。
その後のキャリアは、特定のイメージに留まることなく非常に多岐にわたる。テレビ界では『チャームド〜魔女3姉妹〜』や『ドーソンズ・クリーク』、『シカゴ P.D.』、『欲望は止まらない!』といった、時代を彩る人気シリーズへ次々とゲスト出演。2025年にも話題作『ハイ・ポテンシャル』でゲストスターとして登場するなど、その需要は今もなお衰えを知らない。
俳優として息の長い活躍を続けるダナだが、その私生活もまた平穏で充実したものだ。2015年には女優のケイト・ロガルと結婚。現在もなお円満な関係を築いてる。
ペギー・リプトン(ノーマ・ジェニングス役)

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癒やしの象徴であるダブル・R・ダイナーのオーナー、ノーマ・ジェニングスを体現したペギー・リプトン。オリジナルシリーズから映画版、さらには2017年の復活版に至るまで一貫して同役を演じ、作品の精神的支柱としてファンに愛され続けた。スクリーンでの活躍はテレビ界に留まらず、ケビン・コスナー監督・主演作『ポストマン』(1997年)や、ロマンティック・コメディ『みんな私に恋をする』(2010年)、そして愛犬と飼い主の絆を描いた『僕のワンダフル・ライフ』(2017年)など、数々の映画作品でその確かな存在感を示してきた。
1974年には、音楽界の伝説であるクインシー・ジョーンズと結婚。1990年に離婚に至るまでの間、二人の間にはキダダ・ジョーンズとラシダ・ジョーンズという二人の娘が誕生した。次女のラシダは、母と同じ俳優の道へと進み、シットコム『Angie Tribeca(原題)』や、2002年の舞台『Pitching to the Star(原題)』で親子共演を果たしている。母娘であり、同志でもあった二人が見せたアーティスティックな共鳴は、今もなお多くの関係者の記憶に刻まれている。
2019年5月、ペギーは結腸癌により72歳でその生涯を閉じた。
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【訃報】『ツイン・ピークス』ノーマ役のペギー・リプトンが72歳で逝去
デヴィッド・リンチ監督が手掛けたカルドドラマシリーズ『ツイン・ピークス』のノーマ・ジェニングス役で知られ、ミュージシャン、クインシー・ジョーンズの元妻でラシダ・ジョーンズ(『セレステ∞ジェシー』)の母親でもあるペギー・リプトンが、癌のため72歳で逝去したことが明らかとなった。英The Guardianが報じている。 【…
マイケル・オントキーン(ハリー・S・トルーマン役)

@tpukevents
デイル・クーパー捜査官の無二の親友であり、この奇妙な街の良心そのものを体現したのが、ハリー・S・トルーマン保安官役のマイケル・オントキーンだった。しかし、2017年の復活版『ツイン・ピークス The Return』に、彼の姿はなかった。オリジナルキャストが続々と復帰を果たすなか、ハリー保安官の不在は多くのファンに衝撃を与え、その動向を危惧する声が上がったのは記憶に新しい。
『ツイン・ピークス』以降、マイケルの露出は決して多くはなかったが、着実にキャリアを継続させていた。ハワイを舞台にしたドラマ『ノース・ショア』や、カナダのコメディシリーズ『Sophie(原題)』などにゲスト出演し、その円熟味を増した演技を披露している。
そして、彼にとっての最新の出演作となったのが、2011年に公開されたアレクサンダー・ペイン監督、ジョージ・クルーニー主演の映画『ファミリー・ツリー』。この作品で彼は従兄弟のミロ役を演じたが、これが俳優としての現時点でのラストパフォーマンスとなっている。長らく表舞台から遠ざかっているマイケルだが、ニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、すでに俳優業を完全に引退しているという。かつてブラウン管の中で正義を貫いた保安官は、現在、静かな隠居生活を送っているようだ。
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リチャード・ベイマー(ベンジャミン・ホーン役)

@universolynch
町を支配する狡猾な実業家ベンジャミン・ホーンを演じたリチャード・ベイマー。オードリーの父としても強烈な印象を残した彼だが、そのキャリアの源流はハリウッドの黄金時代にまで遡る。1959年の映画『アンネの日記』のペーター・ファン・ダーン役で頭角を現し、1961年の不朽の名作『ウエスト・サイド物語』では主人公トニーを演じて一世を風靡した。シリーズ放送後も、『スター・トレック/ディープ・スペース・ナイン』や『X-ファイル』、『ジェシカおばさんの事件簿』といった数々の成功したドラマシリーズへ客演し、その確かな演技力を披露し続けてきた。
その後、リチャードは俳優業から長く遠ざかることになるが、16年という長い沈黙を破って復帰を決めたのは、やはり自身を象徴するあの役であった。2017年の復活版『ツイン・ピークス The Return』において、再びベンジャミン役として登場。かつての野心溢れる実業家とはまた異なる、時の流れを感じさせる深みのある演技を披露し、これが彼の俳優としての現時点での最後の出演作となっている。
俳優としての顔を持つ一方で、リチャードはドキュメンタリー映画監督、写真家、画家、そして彫刻家としての才能も開花させている。2016年の『Richard Beymer’s Before…the Big Bang(原題)』や、翌年の『Behind the Red Curtain(原題)』など、独自の視点を持つ映像作品を次々と発表。2014年には、長年の盟友であるデヴィッド・リンチとのインド旅行を記録した映画『It’s a Beautiful World(原題)』をリリースし、彼らの深い絆と芸術観を世に示した。90年代以降、アイオワ州フェアフィールドに拠点を移し、豊かな自然と静寂に包まれながら、一人の表現者として今もなお旺盛な創作活動を続けている。
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ジェームズ・マーシャル(ジェームズ・ハーレイ役)

@celebrityevangelist
ローラ・パーマーの秘密の恋人であり、バイクを駆る孤独な青年ジェームズ・ハーリー。このナイーブさと力強さを併せ持つキャラクターを演じたのが、ジェームズ・マーシャルだ。ジェームズは、オリジナルシリーズ終了後も、前日譚となる映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』、そして2017年の『ツイン・ピークス The Return』に同役で復帰。多くの共演者たちと同様に、四半世紀以上の時を経て再びツイン・ピークスの世界へと戻り、ファンに変わらぬ存在感を示した。
『ツイン・ピークス』でブレイクを果たした直後、映画界でも華々しい活躍を見せる。1991年にはボクシング映画『ファイティング・キッズ』で主演を務め、同年にはトム・クルーズ主演の『ア・フュー・グッドメン』にも出演。ハリウッドの次世代を担う若手俳優として大きな注目を集めた。
その後も、2000年の『Luck of the Draw(原題)』や2016年の『Badlands of Kain(原題)』といった作品にコンスタントに出演。2022年にはRokuのシリーズ『The Pact(原題)』に参加するなど、小規模なインディペンデント作品からドラマシリーズまで、その活動の幅を広げ続けている。
1998年には女優のレニー・グリフィン(『ハリウッド・ブルバード II』)と結婚。二人の間には息子ジェームズが誕生しており、結婚から25年以上が経過した今もなお、円満な家庭生活を築いている。
ウォーレン・フロスト(Dr.ウィリアム・ヘイワード役)

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街の検視官であり、ドナの父でもあるドクター・ウィル・ヘイワードを演じたウォーレン・フロスト。『ツイン・ピークス』の共同制作者であり、ショーランナーを務めるマーク・フロストの実の父親でもあった。息子が創造した不可思議な世界において、父が良心を体現するキャラクターを演じたことは、作品に独特の温かみと深みを与えていた。
オリジナルシリーズ終了後、25年の時を経て制作された『ツイン・ピークス The Return』。ウォーレンはここでもドクター・ヘイワード役として復帰を果たした。登場は1エピソードのみではあったが、その存在感は健在であり、旧作からのファンに大きな感動を与えた。
しかし、米The Hollywood Reporter誌などの報道によれば、この復活版への出演が彼にとっての遺作となった。2017年、ウォーレンは91歳でこの世を去ったが、その最期まで俳優としての矜持を失わず、自らの代表作へと戻ってきたのだ。
エヴェレット・マッギル(ビッグ・エド・ハーレイ役)

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ジェームズの叔父であり、給油所「ビッグ・エド・ガス・ファーム」を営むビッグ・エド・ハーリーを演じたエヴェレット・マッギル。復活版『ツイン・ピークス The Return』の計2エピソードにも同役で登場。25年以上の時を経て、再び「ビッグ・エド」としてカメラの前に立った彼の姿は、旧作からのファンに深い感慨を与えた。
オリジナルシリーズの放送終了後、エヴェレットは映画界でも印象的な役柄を次々と演じてきた。1991年にはウェス・クレイヴン監督のカルト・ホラー『壁の中に誰かがいる』に出演。その後も、1996年のコメディ『元大統領危機一発/プレジデント・クライシス』などで確かな存在感を示した。
また、1999年にはデヴィッド・リンチ監督の感動作『ストレイト・ストーリー』に出演。派手なキャラクターではないものの、作品のリアリティを支える重厚な演技は、リンチ監督がいかに彼を信頼していたかを物語っている。
テレビシリーズでは1999年に『犯罪捜査官ネイビーファイル』へゲスト出演したのを最後に、エヴェレットは俳優業から事実上の引退状態にあった。ファンやメディアの前から姿を消し、静かな生活を送っていた彼を、再び表現の世界へと引き戻したのは、やはり『ツイン・ピークス』の復活であった。2017年の復活版は、彼にとって18年ぶりの映像作品であり、現時点での最新かつ唯一の出演作となっている。
パイパー・ローリー(キャサリン・マーテル役)

Instagramアカウント@blbuckleyより
狡猾なキャサリン・マーテル役を怪演し、ゴールデン・グローブ賞を受賞したパイパー・ローリー。同作の象徴的な存在の一人であったが、後に制作されたリバイバル版にその姿を見せることはなかった。『ツイン・ピークス』出演前から、すでに映画界で確固たる地位を築いていた実力派だったパイパー。1961年の『ハスラー』を皮切りに、1976年のホラー金字塔『キャリー』、そして1986年の『愛は静けさの中に』と、計3度にわたってアカデミー賞にノミネート。清純派から複雑な内面を持つキャラクターまでを演じ分けるその才能は、ハリウッドにおいて唯一無二の光を放っていた。
私生活では、1962年から1982年まで映画評論家のジョー・モーゲンスタインと結婚生活を送り、一人娘のアンをもうけている。2023年10月、多くのファンに惜しまれつつも、パイパーは91歳でその生涯を閉じた。
ジャック・ナンス(ピート・マーテル役)

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パイパー・ローリー演じるキャサリンの夫であり、どこか憎めないピート・マーテル役を好演したジャック・ナンス。鬼才デヴィッド・リンチ監督が絶大な信頼を寄せる「常連俳優」として、そのキャリアの多くを監督と共に歩んできた。二人の絆は、ジャックが主演を務めた1977年のカルト映画『イレイザーヘッド』にまで遡る。その後も、リンチが手掛ける主要なプロジェクトには欠かせない存在となった。SF大作『デューン/砂の惑星』をはじめ、『ブルーベルベット』、1990年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『ワイルド・アット・ハート』、そして『ロスト・ハイウェイ』(1997年)と、リンチ・ワールドの深淵を支え続けた。
しかし、その俳優人生はあまりにも早く幕を閉じることとなる。1996年12月、頭部内傷を負った末に53歳の若さでこの世を去った。彼の死は映画界に大きな衝撃を与えたが、特に長年の盟友であったリンチの悲しみは深かった。2002年、その生涯を追ったドキュメンタリー映画『I Don’t Know Jack(原題)』を製作。スクリーンの中で唯一無二の存在感を放った名俳優への、最大級の献辞を捧げている。
ジョアン・チェン(ジョスリン・“ジョシー”・パッカード役)

Instagramアカウント@viewpoint.prより
キャサリンの義理の妹であり、パッカード製材所のオーナーであるジョスリン・パッカードをミステリアスに演じたのが、ジョアン・チェン。物語に彩りを添えた彼女だが、2017年に放送された続編には残念ながら登場しなかった。
『ツイン・ピークス』終了後、オリヴァー・ストーン監督の『天と地』(1993年)、『ジャッジ・ドレッド』(1995年)、『素顔の私を見つめて…』(2004年)、Netflix映画『タイガーテール -ある家族の記憶-』(2020)といった作品に出演。さらに、2024年の『Dìdi(原題)』を皮切りに、2025年には『弟弟/ディディ』、Prime Videoによる映画『なんて楽しいクリスマス!』やリメイク版『ウェディング・バンケット』、2026年には『No Other Love(原題)』と、話題作への出演が次々と控えている。1998年には映画『シュウシュウの季節』で監督デビューを果たし、批評家から絶賛を浴びた。その後も女子バレーボール中国代表の元エース、郎平を追ったドキュメンタリー『The Iron Hammer(原題)』(2020)を手掛けるなど、クリエイターとしても確固たる地位を築いている。
私生活においては、1992年にピーター・フェイと結婚。二人の間にはオードリーとアンジェラという2人の娘が誕生しており、ハリウッドでの華々しいキャリアと並行して、穏やかで幸福な家庭生活を長年築き上げている。
『ツイン・ピークス』配信情報
| 作品名 | 配信・視聴方法 |
|---|---|
| 『ツイン・ピークス』 | 動画配信なし(DVD・Blu-rayリリース中) |
| 『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』 | Hulu、U-NEXT、Prime Video(KADOKAWAチャンネル) |
| 『ツイン・ピークス The Return』 | Prime Video(レンタル配信中) |
(海外ドラマNAVI)




