ディック・ウルフが手がける米NBCの「ワン・シカゴ」ユニバースでは、キャラクターの不満の残る破局が何度か描かれてきたが、『シカゴ・ファイア』シーズン14に再び同じような別れが訪れるのではないかと、米Screen Rantが予測している。
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ヘイリー・アプトンとジェイ・ハルステッドの破局
『シカゴ P.D.』で描かれたヘイリー・アプトンとジェイ・ハルステッドの破局は、「ワン・シカゴ」の中でも特にファンの不満を買った展開だった。二人は徐々に距離を縮めて独自の形で結婚まで至ったが、ジェイの退場によって状況は一変。遠距離恋愛が成立する可能性を描くのではなく、ドラマは二人の関係を事実上破壊してしまった。
シーズン10開始前、ジェイ役のジェシー・リー・ソファーが降板を発表し、3話かけて退場ストーリーが描かれた。しかし問題は、その後に起こる。ジェイは軍に再入隊し、当初は1期限定の予定だったが、本人からの説明もないまま任期延長に。ヘイリーが連絡を試みても返事はなく、まるで“ゴースト”のように姿を消してしまう。そして、最終的にヘイリーは愛する夫を待ち続けられないと判断し、離婚届を送る。この別れは画面上でほとんど描かれず、視聴者に十分なカタルシスも与えられなかった。
本来なら、軍務に就く配偶者との遠距離関係は困難であっても維持可能であり、電話やメールを交わしながら関係を保つ姿を描くこともできたはずだ。ところが、あえて製作側はそれを描かず、唐突な破局を選択した。こうした前例があるため、『シカゴ・ファイア』シーズン14でも、同様の“不完全燃焼な別れ”が繰り返される可能性が指摘されている。
『シカゴ・ファイア』シーズン14で描かれそうな“不完全燃焼な別れ”
シーズン13最終話で、ようやくサム・カーバーとヴァイオレット・ミカミが復縁したが、その直前にカーバー役のジェイク・ロケットの降板が報じられた。カーバーはデンバーへの異動希望を出していて撤回した描写もないため、シーズン冒頭で数話を使って退場ストーリーが描かれる可能性が高い。
問題は、せっかく復縁した二人の関係が、ほとんど描かれないまま終わってしまうことだ。もし、シーズンを通して二人の関係や遠距離恋愛の困難さを見せてくれれば、別れにも納得がいく。しかし現状では、その過程が描かれずに、「理由なき破局」に終わる恐れが大きい。せめて電話やメッセージのやり取りを通して、二人が努力したが関係を維持できなかったことを示せば、視聴者に対する“敬意ある終わり方”になるだろう。
遠距離恋愛は難しいが不可能ではない。『シカゴ・ファイア』でも、マシュー・ケイシーとシルビー・ブレットが遠距離を経て最終的に結婚というハッピーエンドを迎えた例がある。ブレット役カーラ・キルマーの降板が決まったことで、ブレットがポートランドに移住し、ケイシーと結ばれる展開が描かれた。カーバーとヴァイオレットにも、こうした長期的な再会の可能性を残すことはできるだろう。
しかし、「ワン・シカゴ」ユニバースでは遠距離恋愛が成功する前例が少ない傾向から考えると、カーバーとヴァイオレットも満足いく描写なしに別れる危険性が高そうだ。長く待ち望まれた二人の復縁だからこそ、『シカゴ・ファイア』には視聴者の期待を裏切らない丁寧な別れ、もしくは希望を残す形を描いてほしいものだ。
『シカゴ・ファイア』シーズン12は8月8日(金)22:00よりアクションチャンネルにて放送スタート。Huluでシーズン1~10、Amazon Prime Video(プライムビデオ)でシーズン1~7が配信中。(海外ドラマNAVI)