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『シカゴ』シリーズの新スピンオフを提案!?『シカゴ P.D.』ジェイソン・ベギー(ハンク・ボイト役)直撃インタビュー

2025年7月24日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

シカゴ P.D.

シカゴ警察21分署特捜班の活躍を描く人気ドラマ『シカゴ P.D.』のシーズン11がアクションチャンネルにて8月8日(金)22:55より独占日本初放送。それに合わせて、同作で特捜班リーダーのハンク・ボイトを演じるジェイソン・ベギーが初来日を果たしたので、シリーズを当初から引っ張る彼を直撃し、作品の魅力や彼が思い描く理想のクロスオーバー、日本の感想などについて語ってもらった。ボイト役とは異なり、素顔のジェイソンは冗談も笑顔もたっぷり。ほのぼのとする瞬間も多々あったインタビューをどうぞ!

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5月10日(金)からAXNにてシーズン5が日本初放送中で、シーズン4が6月5日(水)よりDVDリリースとなる『シカゴ P.D.』で、キム・バージェスを演じるマリーナ・スコーシアーティを直撃! シーズン開始当初からレギュラーとして出演し、他の『シカゴ』シリーズにも参加している彼女に、役柄の魅力、和気あいあいとした撮影現場…

「ボイトと私は親友みたいな関係」

シカゴ P.D.

――今回が初めての来日とのことですが、日本に到着して最初に感じたことは何ですか?

「誰も英語を話さないってことかな。冗談だよ(笑) 日本に到着してワクワクした。日本の文化は昔から大好きで、今回は息子と一緒に来ているので二人で新たな日本を探索中なんだ。来日してからまだ2、3日しか経っていないから、いまだワクワクが続いているよ」

――日本の映画やドラマをご覧になったことはありますか?

「(歌って)トットロ、トットーロ、トットロ、トットーロ。宮崎駿の作品は全部大好きだよ。美しい。あとは日米合作だけど、新しい方の『SHOGUN 将軍』もすごく面白かった。ほかにはかなり前に見たものだけど、白黒映画の『羅生門』をはじめとした黒澤明や三船敏郎の作品もいいね。日本の芸術、建築、侍などの文化も素晴らしい」

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――日本の好きな都市は?

「3日前にやってきたばかりで、東京以外の都市にまだ行っていないから、東京が好きな都市になるだろうね。でも、行ってみたい場所はいくつかある。例えば、京都は気に入るだろうな。木造建築をはじめ、より古い日本が感じられるからね」

――日本の好きな料理は?

「今夜は神戸牛をいただく予定なんだ。鮪などの鮨も美味しいね。昨日は、30代の男性がやっている店に行った。フィレンツェで修行した日本人で、日本料理とイタリアンのフュージョン料理を作るんだ。大豆の代わりにトマトを使った醤油や、バジルのアイス、鰻入りのラビオリなどが凄い発想だし美味しかったよ」

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――『シカゴ P.D.』は日本でも多くのファンに愛されています。日本にファンがいることについて、どのように感じていますか?

「皆さんが我々の仕事ぶりと番組を楽しんでくれているのは非常にありがたく、光栄でもある。大好きなことを仕事にできるなんてありえないぐらい光栄で本当に幸運だし、感謝の気持ちでいっぱいだよ。皆さんに楽しんでもらえてありがたいので(皆さんの気持ちに応えられるよう)我々も皆で頑張っているよ」

――『シカゴ P.D.』シーズン11の見どころや、ファンに特に注目してほしい点を教えてください。

「シーズン11を一言で表すとしたら、“ほろ苦い”かな。ネタバレはしたくないけど、このシーズンではアプトンとボイトの関係にとって非常に重要な展開がある。さらにボイトは、通常自分のことはあまり考えず、人のことばかり気にしているタイプだけど、このシーズンでは初めて自分自身と向き合わなければならない局面を迎える。非常に面白いよね。そしてシーズンのラストでは誰もが予想もしていなかったサプライズとして、愛されキャラが戻ってくるんだ。素晴らしいよ」

――シーズン11の撮影中に特に印象に残っている出来事や舞台裏のエピソードがあれば教えてください。

「今手元になくて見せられないのが残念だけど、素敵な写真がある。二度と会えないだろうと誰もが諦めていた登場人物が戻ってきた時に、素敵なことが起きたんだ。その人物は私、つまりジェイソンにとって親しい友人で役者としても尊敬している。だからその人と再び会えた時は抱き合い、お互いに涙を流したし、スタッフも皆泣いていた。感動的で美しい、特別な瞬間だったので一生忘れることはないよ」

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――『シカゴ P.D.』シリーズは10シーズン以上続いていますが、ここまで続けてこられた理由やモチベーションは何ですか?

「シリーズが始まった当初から、この作品は視聴者のためのものであって自分たちのためのものではない、というのがプロデューサーやほかのキャストとの共通認識だった。作品のスターはこのドラマそのものなんだ。だから我々は常に全力でこのドラマに挑んでいるし、ドラマにとって何が最善なのかをいつも考えている」

「そして私はボイトを演じている期間が長いので…ジェイソンとしての私は、常に変化して進化して成長していきたい。それができるから私は何事に対しても興味を持ち、生きている実感があり、ハッピーで前向きでいられる。それはボイトにも当てはまることだと思う。ボイトにも進化し続けてほしい。ずっと同じ人ではいられない。変化がまったくない人間なんてつまらないよ。だからボイトは変化し続けているし、それが面白い。新しい発見があるから楽しいのさ」

「私が一番好きなアートの名言は、ピカソの言葉なんだ。ある日“ゲルニカのような作品は事前にどのような計画を立てて描いていくのですか?”と問われたピカソはこう答えた。“作品の全容が知りたくて私は絵画を描くのです”と。だからペイント・バイ・ナンバー(キャンバスに描かれた番号に対応する色を塗る塗り絵)なんかとはまったく違う。(作り手にとっても)発見なんだ。ワクワクさせられるし、次に何が起こるかは分からない。それがいいんだ」

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――ボイトを演じることで、ご自身が影響を受けたりといった変化はありましたか?

「ボイトと私は親友みたいな関係で、その友情から私は影響を受けている。親密な関係だよ。彼に影響を受け、そして彼も私に影響される。新シーズンが始まるごとに“ボイトにどの程度ジェイソンを投入するべきか、そしてジェイソンにどの程度ボイトを投入するべきだろう”と自問自答する。(ボイトとジェイソンの)二人でダンスを踊っているようなものなんだ。私が最も影響を受けたのは、彼の恐れ知らずなところだ。それによって私自身も昔に比べて恐れることが減ってきた。ボイトが何も恐れないのは、明日がどうなるかとか昨日がどうだったかとかいったことに捉われていないから。彼は常に今この瞬間に集中していて、そのおかげで私もより今を楽しみ、余計なことに気が取られなくなり、“関心を持たれる存在”よりも“いろんな物事に関心を持つ存在”でいられるんだ」

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――ボイトは非常に強く複雑なキャラクターですが、演じる上で特に意識していることはありますか?

「不思議に思うかもしれないけれど、そこはあまり考えていない。シーズン11にもなると、彼がどういう人間かは熟知しているので、彼について考える必要がなくなった。ただ、自分でもびっくりするような演技になることはあるし、ボイト自身も自分の決断に驚かされることもある。私はその場の状況を理解することによってボイトの心情を把握する。例えるなら、オレンジを丸ごと食べるようなことなんだ。種も果肉も皮も白い筋も全部。で、“アクション!”の声が響く直前にそれらを吐き出し、エキスだけが体内に残っていることを信じている」

――もしもボイト以外のキャラクターを演じるとしたら、誰を選びますか?

「プラットかな。プラットだったら週一しか働かなくていいからね(爆笑) 彼女は面白いし。(演じるエイミー・モートンも)素晴らしい俳優だよ。面白いし、良い人だ。ちなみに、シーズン13ではボイトとプラットの関係がより親密になるんだ。友情という意味でね」

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――撮影の合間などで共演者とどんな風に過ごされていますか? チームの絆について教えてください。

「(ほかのキャストとは)とても親しい関係にある。皆、誠実な演技を心がけている。現場では自分の脆さもさらけ出さなければならず、それには安心できる環境が必要だ。互いの信頼関係が重要。だから家族みたいな関係なんだよ。それは共演者だけでなく、スタッフもそうだ。なにせ長期にわたって撮影しているからね。私は作品の顔だしほかにも共演者がいるけれど、それ以外にも脚本家、プロデューサー、カメラマン、音響係、おやつを準備する人など大勢が関わっている。まるで一つの有機体だ。互いを頼り、信頼して大事に思っている。重要で美しい関係だ。家族みたいなものだね」

――撮影は非常にハードだと思いますが、どのように体調やモチベーションを維持していますか?

「ベストを尽くしている。このドラマの主人公はシカゴの街なんだと私は昔から言っている。『ボイト P.D.』ではなく『シカゴ P.D.』だからね。シカゴは美しく、素晴らしい複雑な街だけど、同時に粗暴で冷たく、危険でハードでもある。面白くて魅力あふれる街だ。私は様々なことを経験しているし、時には体調を崩すこともあるけれど、息をしている限りは仕事に行くというのが私のポリシーなんだ。そういう時は現場に行ってとにかく頑張る。たとえ体調が優れなくても、それはさっき言ったオレンジの一部に過ぎない。そういう時は元気なフリもしない。ボイトだって体調が悪くても仕事は休まないから、私も休まない。体調が悪ければそれもシーンの一部として盛り込んでしまう。そういうものだよ」

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――10年以上ボイトを演じてきたあなたが考える、いい警官とは?

「いい質問だね。物事は、警官の捜査も含めて常に進化している。ただ気を付けなければならないのは、人間は善人、悪人の2種類に分けられるわけではないということ。いい人でいられる日もあれば、そうでない日もある。警官は人を守り、助け、人のために尽くすことが仕事だ。うまくいっている時はいいが、間違いを犯す時もある。その時に重要なのは、過ちにどう対処するかだ。そこで正しい警官かどうかが分かると思う」

――ネットやSNSで視聴者の感想をチェックすることはありますか?

「全然。ソーシャルメディアはやらないんだ。気にはするけど、どんなことを言われようと、視聴率がどのくらいだろうと、自分としてはベストを尽くすだけだ。気にしてしまうのは危険だよ。私にとっては悪いコメントよりもいいコメントの方が危険だ。人間というものはエゴのかたまりで、いいことを言われたら努力することを止めてしまうかもしれないからね」

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――『シカゴ』シリーズの特徴の一つであるクロスオーバーで、こういうストーリーをやってみたいというアイデアがあれば教えてください。

「正直なところ、クロスオーバーはすごく大変なんだ。一つの番組の一つのエピソードを撮影するだけでも、いろんな場所でのロケがあったりしてスケジューリングが大変でややこしいのに、クロスオーバーだとますます困難になる。撮影の合間に睡眠をとりたくても、一つの番組のための14時間に及ぶ撮影が終わったと思ったら、次の番組の撮影が待っているんだ。…というわけで、私が考えるクロスオーバーのアイデアは次の通りだ。ボイトが昏睡状態に陥る(笑) そして皆がボイトの命を救おうと奔走するんだ。完璧なアイデアだ。忘れないようにメモっておこう。ボイトが車にはねられるんだよ」

「付け加えておきたいんだが、もちろんクロスオーバーはすごく楽しくもある。『シカゴ』シリーズはみんな仲が良いからね。素晴らしい俳優や普段とは違う監督と一緒に仕事ができる。ただ、とにかくハードなんだ(笑)」

――あなたはシーズン10のタイミングから製作総指揮も務めるようになりましたが、それによってどんな変化がありましたか?

「私の意図は最初から、作品を助けることなんだ。例えば、どうにかしてコストを抑え、番組により多くのお金を投じることができるようにしているし、俳優をはじめとした皆が仕事しやすい環境を作ろうとしている。監督として自分の名前がクレジットに載ることはないが、台本に書かれたストーリーをより効果的に綴る方法は昔から提案していた。だから、製作総指揮という肩書が途中から加わっても、シリーズ当初から私がやることは特に変わっていない。繰り返しになるけど、重要なのは自分でなく皆。番組そのものがスターなんだ」

――先程、キャスト同士が親しい関係にあるというお話がありましたが、『シカゴ P.D.』はシーズン1から今もメインキャストとして出演し続けているキャストが『シカゴ』シリーズ最多の4人(※ジェイソンのほかには、キム・バージェス役のマリーナ・スコーシアーティ、アダム・ルゼック役のパトリック・ジョン・フリューガー、ケビン・アトウォーター役のラロイス・ホーキンズ)と、キャスト同士の結びつきが特に強い点も魅力の一つだと思います。そんな絆の強いチームを率いるリーダーとして、どんなことを意識していますか?

「互いをリスペクトすることが重要だ。そして我々が大事にしているポリシーは、最適なアイデアが通るということ。誰が言ったかは関係ない。いいアイデアであれば、小道具係のものでも採用される。皆がチームの一員なんだ。これまで何人かが番組を離れたが、それは彼らが新たなことに挑戦したかったからであって、クビになったわけではない。去った人たちとは今も電話で話したりと親しくしているよ。私は皆の父親的存在で、お互いに気にかけているんだ」

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――『シカゴ P.D.』は本国では今年の秋からシーズン13が始まりますね。ディック・ウルフが同じく手掛ける『LAW & ORDER』シリーズは20シーズン以上続いていますが、もしも『シカゴ』シリーズが20シーズン以上続く場合、私たちはその時もボイトを見られると期待していいでしょうか?

「その頃には、『シカゴ・ファイア』『シカゴ P.D.』『シカゴ・メッド』に続く最後のスピンオフとして『シカゴ・ホスピス』が作られているかもしれないね(笑)」

――今、世界の移り変わりが激しいですが、あなたが俳優として人として大事にしている座右の銘は?

「自分自身が面白い人であるよりも、物事に面白さを感じる人間であるべきだと考えている。今回来日して感じたのは、日本人はアメリカ人よりも互いに対して気遣いがあること。これはほかの国も学ぶべきだね」

「人間が生存し続ける可能性はないと思う。ホモサピエンスというのは、動物界において唯一、自己を見つめることのできる生き物だと思うが、最近それが過剰になっている気がする。自分の頭の中の檻から出ることができずに自分のことばかり気にしているが、そろそろ自分たちのことを気にしていかなければならない。社会の中で自分のことばかり気にしているのは、みんなが気づく前の最後の足搔きなのかもしれない。そろそろ覚醒し、手を取り合っていかなければならないんだ」

――日本では8月にシーズン11の放送が始まります。日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

「皆さんを愛しています。そして観てくれてありがとうございます。今後もより良い作品作りを目指します。楽しんでもらえたら嬉しいです」

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『シカゴ P.D.』シーズン11(全13話/字幕版)は、アクションチャンネルにて8月8日(金)22:55より放送開始。シーズン8~10(全60話/字幕版)は8月5日(火)6:00より再放送。


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(海外ドラマNAVI)

Photo:ジェイソン・ベギー © AXN Co., Ltd. All Rights Reserved./『シカゴ P.D.』シーズン11 © 2024 Universal Television LLC. All Rights Reserved.

  • この記事を書いた人

Rafael

海外ドラマNAVI編集部。英国を中心としたミステリーものが好きで、アーサー・コナン・ドイル、アガサ・クリスティーの小説も愛読。ドラマや映画もその系統を優先しがちで、原作と映像化を比較するのも趣味の一つ。意図したわけではないが好みはマイナーで、愛したものがすぐに死ぬ(番組が終わる、キャラが去る)呪いに日々苦しみ中。

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