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ウーナとラアンの進化、『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』の果てなき魅力とは? レベッカ・ローミン&クリスティーナ・チョン直撃インタビュー

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シーズン3の配信がスタートした大人気SFシリーズ『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』。エンタープライズ号のクルーたちが、予測不能な宇宙で新たな冒険を繰り広げる本作は、回を追うごとにその魅力を深めている。今回、ナンバーワンことウーナ・チン=ライリー役のレベッカ・ローミンと、ラアン・ヌニエン・シン役のクリスティーナ・チョンへ直撃インタビュ! シーズン3で描かれるそれぞれのキャラクターの内面の変化や、心に残るエピソードの舞台裏、そしてシリーズが多くの人々に与える影響について語ってくれた。

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1966年にアメリカでの放送が開始された『スター・トレック』 …

レベッカ・ローミン(ウーナ役)&クリスティーナ・チョン(ラアン役)インタビュー

ーーシーズン3で特に掘り下げてみたいと思ったキャラクターの側面はありましたか?

クリスティーナ:シーズン3では、彼女が少しずつ明るくなっていくの。今までは、すごく真面目で堅苦しくて、どこかスポックに似た雰囲気がある ようなキャラクターとして演じなければならなかった。だから私にとっては、少し肩の力を抜いて演じられるのがうれしかったわ。

レベッカ:それ、すごく興味深いわ。たぶん私たちのキャラクター同士がずっと近い関係にある理由でもあると思う。ウーナも似たようなキャラクターの軌跡をたどってきたから。彼女は自分がイリリア人であることをずっと隠さなければならなくて、バレることを恐れてスターフリートの規律に厳格に従うことで自分を守っていた。だから、すごくプロフェッショナルで堅物に見えるような態度を取っていたのよね。でもシーズン2のあとでウーナがついに自分らしく、イリリア人としてエンタープライズでオープンに過ごせるようになってからは、もっと自由な一面が見えてくるようになったと思う。もしかしたら、彼女の恋愛がどんな感じなのかも見えてくるかもしれないわね。

ーー本作は予測不可能なエピソードでファンたちを驚かせ、心に響く瞬間が訪れますよ。まさにその点がこのシリーズの魅力だと思います。これまでのエピソードの中で、特に印象的で、心に刻まれたエピソードやシーンを教えてください。

クリスティーナ:「明日、明日、そして明日」(シーズン2第3話)でのカークとのシーンで、彼に連絡した時、本来のタイムラインでは彼が私のことを覚えていないっていう場面。あれは私にとってすごく感情的だった。すごく心に響いたし、私自身の経験とも重なるところがあって感情が揺さぶられたわ。私は別れを言うのが苦手なの。誰かに「さよなら」を言わなきゃいけない時がすごく辛い。たぶん、見捨てられることへの恐怖があるんだと思う。みんな少しはあると思うけどね。でも「さよなら」って本当に難しい。だから、一緒に過ごした時間を覚えていない相手に別れを告げなきゃいけないっていうのは、辛かった。

レベッカ:ウーナのことについて言うと、シーズン2の「苦難を乗り越え、星へ」で彼女がイリリア人であることを理由に、違法にスターフリートに所属していたとして裁判にかけられる場面がある。彼女は自分の出自や、なぜこれまでずっと身元を隠して生きてきたのかを、すべて正直に語らなければならなかった。ずっと本当の自分を隠して、不本意な形で生きてきたことを受け止めて、なおかつそれについて裁かれる、という展開よ。

クリスティーナ:あのエピソードを思い出しながら話を聞いてると鳥肌が立つわ。今も思い返してるところ。

レベッカ:ええ。本当の自分を隠して生きなければならなかったことのある人なら誰でも、あの場面はウーナにとって感情的に一番キツい瞬間だったって感じると思う。

ーーウーナはこれまで、人から距離を置くことを好むキャラクターとして描かれてきました。でも、シーズン3では様々な人間関係が生まれています。ウーナにも将来的に、何か特別な関係が訪れる可能性はあると思いますか?

レベッカ:シーズン3では彼女がイリリア人として裁かれたあとの話だから、本当の自分として生きられるようになってるの。だから、シーズン3ではウーナが少し自由を手にした姿が見られると思う。彼女の過去の恋愛について触れる場面もあるのよ。そう、ウーナは恋をしたことがあるの。そのあたりの展開がシーズン3で描かれることになる。今の時点で言えるのはここまでよ。ごめんなさい。

ーークリスティーナはミュージカル女優としても活躍していますよね。今後、もっとミュージカルエピソードを見ることができますか?

クリスティーナ:私が歌うわけじゃないんだけど、もしかしたら他の誰かが歌うかもしれないわね。でも…この場を借りてちゃっかり宣伝させてもらうと、私のシングルが7月25日にリリースされるの。イーサン・ペックも参加していて、曲のタイトルは「Baby Blue Day 」よ。以上、宣伝でした。質問ありがとう。

レベッカ:ええ、完璧ね。

ーーシーズン3第4話では、『新スタートレック』の「宇宙空間の名探偵」へのオマージュのようなものでした。本エピソードで別のキャラクターを演じた感想を聞かせてください。

レベッカ:あれは本当によく書かれたエピソードだと思った。まず、ホロデッキというコンセプトを初めて導入して、ローランがそれをテストする役になるっていう設定。それから、その中で開かれる殺人ミステリーパーティーが、実は『スター・トレック』誕生の歴史をうっすらと隠して描き直したような内容になってるの。私はルシル・ボール のようなキャラクターを演じることになった。ルシル・ボールって聞いてコメディアンとして有名な彼女を思い浮かべる人も多いけど、ここでの彼女はプロデューサーとしてのルシル・ボールで、『スター・トレック』の最初の企画を承認した人なの。だからあの物語の語り方は本当に素晴らしいと思ったし、脚本もすごくよくできていて、演じるのもとても楽しかった。私たちのエピソードでは、新しいキャラクターや今演じているキャラクターの別バージョンを演じる機会がたくさんあるけど、あれはその中でもキャラクター的に一番大きく振り切った回だったと思う。みんながまったく違うキャラクターを演じることができて、枠にとらわれない感じで、本当に楽しかったわ。

ーー『スター・トレック』は多くの人々、そして宇宙飛行士にとってもインスピレーションになってきたと思いますか?

レベッカ:ヒューストンのコンベンションに行った時、すごい発見があったの。NASAがある場所ね。そこで、NASAで働いているファンから今まで受けた中で一番興味深い質問をされたのよ。それは「どうしてあなたたちのことを“宇宙飛行士”と呼ばないんですか?」っていう質問だった。

クリスティーナ:ホントに?

レベッカ:ええ。で、その質問を聞いてすぐに、ショーランナーのアキヴァとヘンリーのところに行って、「実際の宇宙飛行士からすごく面白い質問をもらった。なんで私たちのことを“宇宙飛行士”って呼ばないのかを聞かれた」と伝えたの。そしたら彼らも「それはいつかその話をエピソードに入れないとね」って言ってた。つまり、「宇宙飛行士」という言葉がスターフリートの中では時代遅れになった瞬間があったのよね。今はもう“宇宙飛行士”じゃなくて“スターフリート”、要するに宇宙空間における軍組織みたいなもの、ってことになるかな。私は子どもの頃に母と一緒に再放送でオリジナルシリーズを見ていて、それがきっかけで“好奇心”とか“探検”とか「他の惑星に生命はあるのか?」ということについて、すごく面白い会話をたくさんするようになったの。あとは、「私たちはこの宇宙で唯一の存在なのか?」っていう疑問もあった。でももちろん、そんなはずない。だって、もしそう思ってるなら、それはすごく自己中心的な考えだと思う。

クリスティーナ:ええ、そうよね。

レベッカ:この広い宇宙で唯一の存在だなんて。思うんだけど、『スター・トレック』っていう作品全体が、そういう会話や発想のきっかけをたくさん生んできたと思う。特に親子でシリーズを見てた人たちは、よくそういう会話をしてたんじゃないかしら。何世代にもわたって、多くの人にとってインスピレーションの源になってきたと思う。私自身もそうよ。

クリスティーナ:そうね。それにコンベンションに行くと、すごくステキなことがある。この前、私と似たようなバックグラウンドを持つ、小さな女の子に出会ったの。たしかお母さんが東南アジア系でお父さんは白人。そんな彼女にとって、自分に似た人がエンタープライズに乗ってて、テレビに出てるのを目にすること自体がすごく大きな意味を持ってる。しかもそれはプリンセスのエピソードで、私はその回でプリンセスの役を演じてたの。彼女にとってはそれがとても印象的だったみたい。そうやって彼女に見てもらえてうれしいし、小さな子どもたちが番組から刺激を受けたって聞いて感動したわ。

ーーレベッカ、あなたは強い女性を演じることで知られています。『X-MEN』のミスティーク、『ファム・ファタール』のリリーなど、ウーナもその路線から大きく外れていません。これらのキャラクターには、破滅的な欠点もありますね。そういった欠点を持つ強い女性キャラクターを選ぶのは、どのような影響からなのでしょうか?

レベッカ:実は私、『ファム・ファタール』みたいな地球出身の人間のキャラクターを除けば、ずっとSFのコミックに惹かれてきたの。そういうジャンルでは女性キャラクターが強くて面白くて、演じていて楽しい存在であることが多いから。いわゆる伝統的な“女性らしさ”の型にはまっていなくて、ステレオタイプではない。そういうキャラクターたちは、男性キャラクターと同じくらい強くて、パワフルで、面白くて、多面的よ。だからこそ、私はコミックやSFジャンルのキャラクターにすごく惹かれてきたの。それに私はいま娘たちを育ててるから、彼女たちに自分の仕事を見せて、誇りに思えるキャラクターを演じたいし、強い女性像として、世の中の小さな女の子たちにインスピレーションを与えられたらいいなって思ってるの。

クリスティーナ:今まで気づかなかったけど、たしかにSFって強い女性キャラクターが多い傾向があるわね。

レベッカ:ええ。それに『ファム・ファタール』では、彼女はすごく強いキャラクターだったけど、同時に完全に犯罪者でもあったのよ(笑)

ーー劇中に出てくる技術の中で、現実でも使いたいものを3つ教えてください。

クリスティーナ:転送装置よね。

レベッカ:まず間違いなく転送装置は絶対欲しいわ。でも実際、現実世界でもそういう技術にどんどん近づいてる気がする。すでに『スター・トレック』の技術のいくつかは現実でも使われ始めてるしね。例えばコミュニケーターはスマホでしょ。

クリスティーナ:スマホね。ホロデッキは?

レベッカ:ええ、ホロデッキも欲しい。

クリスティーナ:ある意味、私たちもすでに似たようなものを持ってると言えるかも。

レベッカ:例えばバーチャル・リアリティは、ホロデッキのようなものね。でもホロデッキの方が今ある技術よりもさらに3Dよね。転送装置、ホロデッキ、そして3つ目は…宇宙旅行そのものかな。見た通り、華やかで贅沢な宇宙旅行。ええ、その3つよ。

ーーシーズン5で終了することが発表されました。まだ2シーズン残っている今の段階で終わりが見えていることをどう思いますか?

レベッカ:終わりが見えているのが変な感じかって? ええ、まあそうね。でも私たちはすごく感謝してる。もともとの構想が5年間のミッションだった。番組のオープニングでもそう言ってるわ。だから、その5年間のミッションをちゃんとやりきれるっていうのは、本当にありがたいことだと思ってる。それに、視聴者のみんなにとってうれしいのは、すでに放送されたエピソードよりもまだ放送されていないエピソードの方が多いってこと。だから、まだまだ楽しみにしていてほしいし、私たちもすごくワクワクしてる。シーズン3もだけど、シーズン4はもっと楽しみだわ。

クリスティーナ:ええ、そうね。

レベッカ:もしかしたらシーズン4がこれまでで一番いいシーズンになるかもしれない。それに、もう制作が始まってるシーズン5についてもすごくワクワクするような話を聞いてるの。だから、まだまだ楽しみにしていてほしいわ。そして、この5年間のミッションをちゃんと最後まで演じられることに、私たちは本当に感謝してる。

シーズン3 7月17日(木)よりParamount+にて独占配信開始 TM & (C) 2025 CBS Studios Inc. All Rights Reserved.

『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』シーズン1~3は、Paramount+で独占配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』TM & (C) 2025 CBS Studios Inc. All Rights Reserved.

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AKN

海外ドラマNAVI編集部。元LA在住、海ドラ歴25年以上で私生活では二人の子どもを育てるワーママ。女性が活躍するシリーズやLGBTQ作品、タブーをうまく笑いに変えてしまうシニカルなコメディが大好物。アクションより、日常を切り取ったような作品が好みなので社会派ドキュメンタリーや恋愛リアリティショーも好き。

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