『ザット'70sショー』俳優、強姦罪で懲役30年か

人気コメディドラマ『ザット'70sショー』で8シーズンにわたって出演したダニー・マスターソンが、強姦罪で有罪となった。米Varietyが報じている。

3件の強姦罪のうち2件で有罪

ダニーは3件の強姦罪のうち2件では有罪、3件目については、陪審員は評決に至らず、8対4で有罪を支持する結果となった。この2件で30年の終身刑を下される可能性がある。書記官が有罪の評決を読み上げた直後、傍聴席にいた彼の家族から息を呑む声が聞こえた。ダニーは2001年から2003年にかけて、ハリウッド・ヒルズの自宅で三人の女性を強姦した罪に問われていた。陪審は、2003年に二人の女性をレイプしたことについては有罪判決を下したが、元ガールフレンドが関与した2001年11月の申し立てについては評決に至らなかった。評決が読み上げられた後、ダニーは手錠をかけられ、身柄を拘束された。

被害者たちの声明

シャーレイン・オルメド判事は、判決が出るまで釈放しておくという弁護側の要求を却下。審問は8月4日の予定。被害者の1人で、法廷でジェーン・ドウ(匿名の人物につける仮名)2と呼ばれる人物は、ダニーが有罪になったことに安堵の意を示す声明を発表した。彼女はまた、彼女と他の告発者がダニーとサイエントロジー教会をハラスメントとストーカー行為で訴えた、係争中の民事裁判について言及した。「私の加害者であるダニー・マスターソンが、その犯罪行為に対する説明責任に直面すると知って、私は安堵、疲労、力強さ、悲しみといった複雑な感情の渦の中にいます。彼がすべての訴因で有罪にならなかったことを残念に思っていますが、彼とサイエントロジー教会、そしてその他の人々が、民事裁判で彼らの忌まわしい行為についてはっきり説明しなければならないという事実に大きな慰めを感じています」

ダニーの元ガールフレンド、ジェーン・ドウ3もまた声明の中で、「彼が私に対する凶悪な行為に対して刑事責任を免れたことに打ちのめされています」とショックを受けている心中を告白した。彼女は民事裁判で正義を求める決意を固め、被害者である三人の女性は「サイエントロジーと他の共謀者がいかにダニーの怪しげな行動を可能にし、隠蔽しようとしたかを明らかにするでしょう」と述べた。

2004年に通報していたが…

この事件は、ダニーが生涯会員であるサイエントロジーの教えに光を当てた。疑惑の被害者三人はいずれも、暴行を受けたとされる当時は会員だったが、その後に教会を離脱。また、俳優としての成功により著名な教会員となったダニーを警察に通報することを教会が思いとどまらせたと述べている。アリエル・アンソン検察官は最終弁論で、ダニーは教会の「成り上がり者」としての立場を利用して、反撃を恐れることなく被害者をレイプしたと主張した。

「他の捕食者と同様に、被告は慎重に獲物を探した。教会は被害者たちに、レイプはレイプではない、自分が原因だ、そして何よりも法執行機関に相談することは許されないと教えていた。これ以上の狩場があるだろうか? サイエントロジーでは、被告は有名人であり、手が出せないのだから」

女性の一人は2004年にダニーをロサンゼルス市警に通報したが、検察は告発しないことを選択した。2016年、三人の女性が一緒に法執行機関に出向いたことで、この事件は今回の方向に向かっていった。検察は、複数の強制レイプの時効を延長する「ワンストライク」性犯罪法に基づき、起訴することができた。ダニー側は、女性たちが出会ってこの事件について話し合った後、レイプという物語に合うように話を「いじった」と主張。「女性にはノーと言う絶対的な権利がある。しかし、その"ノー"が16年後、17年後にやってくるとしたら…それはとても、とても怖いシナリオです」

(海外ドラマNAVI)

Photo:©FAM020/FAMOUS