『グレイズ・アナトミー』シアトル・グレースはこんなハレンチな病院だった!

全米で高視聴率を獲得、そして日本でも大人気のドラマ『グレイズ・アナトミー』。シアトル・グレース病院という大病院を舞台に描かれているドラマだが、『ER 緊急救命室』や『シカゴ・ホープ』のような医療ドラマとはひと味違う。実は、キャストたちの人間関係・恋愛関係のグチャグチャ・ドロドロが、『ビバヒル』や『メルローズ・プレイス』並みにスゴイのだ!

 

上司、同期、患者...、恋愛関係は"何でもアリ"!

先にまとめた相関図をひもとき、これまでに成立したカップルをグループ分けして少し整理してみよう(もちろん、キャストは重複あり!)。

●上司と部下:「メレディス&デレク」「クリスティーナ&バーク」「アレックス&アディソン」

第1シーズンでは、「メレディス&デレク」「クリスティーナ&バーク」の2組のカップルが成立。この2組は真剣な交際に発展するが、メレディスたちはくっついたり離れたりの繰り返し。クリスティーナとバークは婚約に至るが、第3シーズンの終わりにバークが別れを告げるかたちで破局を迎え、バーク役だったイザイア・ワシントンもドラマを去った。

また、第3シーズンでは、「アレックス&アディソン」が結ばれる。アディソンはそこそこアレックスに本気だったものの、アレックスにとっては単なる衝動的な行動。この2人の関係は、一過性のものに終わっている。

なお、「メレディス&デレク」は、途中でデレクに妻(アディソン)がいることが発覚し、一時期は不倫関係に。デレクがアディソンと別れたことで、不倫は解消されるけれど、第4シーズン後半からは、デレクが看護師のローズと交際。さらに、第4シーズンの最終話でメレディスとの元サヤに収まるという、結構メチャクチャな展開となっている。まあ、メレディスとデレクのくっついたり離れたりは、「水戸黄門」の印籠シーンのようなもの。このドラマのお楽しみの1つだからしょうがない!?

●同期同士:「イジー&アレックス」「メレディス&ジョージ」「ジョージ&イジー」

同期同士では、「イジー&アレックス」が第2シーズンでカップルになるが、タイミングが合わずに短期間で破局。
その後、あちゃーっ!という展開を見せたのが「メレディス&ジョージ」。本気だったジョージをメレディスがもてあそんだかたちとなり、一時はかなり気まずい関係に。家でも職場でも毎日顔を合わせる相手(この時2人はルームメイトだった)と"ノリ"でHしちゃうのはマズいでしょ。しかも一方が本気だったのならなおさら...。
さて、メレディスのことでは辛い思いをしたジョージ。今度は彼自身が禁断の果実に手を伸ばす! 同じ職場にカリーという妻がいながら、同期のイジーとベッドイン! この後、お互いに本気になってしまった「ジョージ&イジー」は、ジョージの離婚を経て、ようやく結ばれるものの、最終的にはセックスの相性が合わないという理由でThe end! まさに、セックスに始まりセックスに終わった2人なのであります...。

●医師と患者のカップル:「イジー&デニー」「アレックス&レベッカ」

医師と患者といえば、とにかく強烈だったのが「イジー&デニー」の関係。お互い本気だったゆえに、この2人の結末はすさまじいものに。心臓病を患うデニーに少しでも早く心臓移植を受けさせたいと考えたイジーは、狂気に満ちた行動に走り(くわしくは第2シーズンを見てください!)、結果的にデニーを死なせてしまうのだ! 一方の死というかたちで終わりを遂げたのは、今のところ後にも先にもこのカップルのみ。ただし、ここで終わらないのがこの番組のスゴイところ。第5シーズンでは、死んだデニーが番組に再登場しちゃうのだ。どんなかたちで再登場するのかは見てのお楽しみ...。

そして、もう1組は「アレックス&レベッカ」。レベッカ(当時の通称はエヴァ)は事故で重傷を負い記憶喪失になった妊婦。何の先入観も持たずに自分を見てくれる彼女に、アレックスは徐々にひかれていく。しかし、記憶を取り戻したレベッカは、夫の元へ帰ることに。しかし、レベッカ自身もアレックスへの思いを断ち切れず、やがて病院に舞い戻ってくる。結局、第4シーズンの終盤で、レベッカは精神不安定となり自殺未遂に至る。アレックスは、自分の無力さに涙しつつ、彼女を精神科の専門施設に移すことに同意。非常に悲しい結末を迎えている。

●その他:「デレク&ローズ」「カリー&マーク」「カリー&エリカ」

先にも書いたように、第4シーズン後半では、メレディスと別れたデレクが看護師のローズとの交際をスタート。ローズは本気だったものの、デレクの心の中にはいつもメレディスが...。最終的に第4シーズンの最終話で、振られることとなったローズ。ちょっとかわいそうです。

また、「カリー&マーク」は体だけの関係。カリーは、同性のエリカへの想いを打ち消そうとするため、マークとのセックスにいそしんだ時期も。しかし、第4シーズン最終話では、ついにカリーはエリカへの恋心を認め、彼女にキスで気持ちを伝える。ここで、「カリー&エリカ」のレズビアンカップルが誕生! ちなみに、『グレイズ・アナトミー』における同性愛のカップルは、ほかにもう1組。みんなの行きつけのバー「ジョーの店」を営むジョーがゲイです(パートナーはウォルター)。

●...で、現在進行形のカップルは?

第4シーズンの終了時点で復縁を決めた「メレディス&デレク」、カリーのキスで関係がスタートした「カリー&エリカ」のみが現在進行形。なんだかんだで長く続いているカップルは少ないのが現実...。


■いちばんハレンチなのは? 意外とモテるタイプって? 危険な女は?

さてさて、このようにそれぞれの関係を整理してみると、最もハレンチな人物や、意外とモテる人物、深入りすると泥沼にはまりそうな人物が見えてくる。それは...?

●栄えあるハレンチ大賞はマークに決定!

やっぱり、関係した相手の数でいえば、ぶっちぎりのナンバーワンはマーク。第4シーズンでは、彼に遊ばれた看護師たちがオペのストライキを始めるほどだから、相当な数を相手にしてきたに違いない(詳細はドラマ内でも語られていないが...)。このおかげで、マークだけでなく病院の職員全員が、同僚との性関係を書類で申告させられるハメに。しかしながら、いくら組合から苦情を受けたからといって、性関係を書類で提出させる病院というのもスゴイ。

●両極端なタイプの2人が意外とモテる?

アレックスは一匹狼で、どちらかといえばひねくれたタイプ。一方のジョージは、人当たりがよくてお人好しで、第1シーズンではゲイ疑惑が持ち上がったほどソフトなタイプ。しかしながら、フタを開けてみると、マークに次いでお盛んなのがこの2人だ。どちらも、同期、上司と関係を持ち、不倫も経験するというオールマイティぶり。ちなみにこの2人、看護師のオリビアを介して性病をうつしうつされた関係でもある。

●危険な女といえばイジー!

男ならいちばん近寄ってはいけない危険な女は、ルックスナンバーワンのイジーでしょう。ただし、イジーが危険な女たるゆえんはその美貌ではなく、恋愛にのめり込んで猪突猛進してしまう彼女の気質なのだ。

前述したように、彼女の行動がきっかけで当時の恋人デニーは死亡。もちろん、この件では大いに凹んだイジーだったが、そのほとぼりも冷めぬうち、今度は既婚者のジョージに手を出しちゃうんだから困ったもの。しかも、結果的にはセックスの相性が悪くてジョージと別れちゃうんだからな~。シアトル・グレースのまっとうな男性陣には、「君子危うきに近寄らず」という言葉を贈りたい。

■番外編:こんなHな患者もいま~す!

シアトル・グレース病院がみだらなせいか、ハレンチな患者もたびたび登場。番外編として、そんな患者たちもちょっぴりご紹介しよう。

●○○が元に戻らず病院に駆け込んだスティーブ

メレディスと一夜をともにしたスティーブ。なんと、勃起したまま元に戻らなくなり病院に駆け込むという失態を演じてくれた。スティーブの診察の担当がデレクだったというのは、メレディスにとっては皮肉な話。

●男女が相部屋に!? そのままセックスに発展したジェリーとハリエット

文句ばかり言って、イジーとアレックスを困らせていた患者、ジェリーとハリエット。とても手に負えないとイジーたちから相談を持ちかけられたベイリーは、この2人を相部屋にするという、とんでもないアイデアを出す。文句ばかりの相手にうんざりし、どちらも早く退院したがるだろうと見込んでのことだったが、意外にもこのうるさーい2人、意気投合してそのまま病室でセックスを始めちゃう! おかげで2人の文句が収まった点は結果オーライだけれど、男女を相部屋にしちゃう病院って一体...。

●オペの直前、病室で初Hしちゃうベスとジェレミー

ベスとジェレミーはお互いに脳腫瘍を患った患者。治療を通じて知り合った2人はやがて愛し合うようになり、どちらも臨床試験の被験者としてシアトル・グレース病院にやってくる。もし処置が失敗すれば互いに命の保証はないという状況の中、ジェレミーとの初Hのチャンスは今しかない!と考えるベス。そんな彼女の希望をバックアップしたのがデレクとメレディスだった。彼らを病室に2人きりにして、誰も中に入らないようドアの前で見張り番。こうして、ようやく結ばれたベスとジェレミーのエピソード自体はとても切なく、涙モノだったが、医師が患者同士のセックスをお膳立てするというのは、当然ながらあまり聞いたことがない...。

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というわけで、みなさんもシアトル・グレースがどんな病院か少しおわかりいただけたでしょうか!?

しかし、どうか誤解しないでいただきたい。
『グレイズ・アナトミー』、本当におもしろいドラマなんです!

セックスや恋愛がエピソードの多くを占めてはいるものの、もちろん本来の医療ドラマとしての魅力だって十分。医療専門スタッフの監修がついているから、医療現場もなかなかリアル。なおかつ、コメディとしてのおもしろさもハイレベル。脚本が秀逸で、テンポよくエンディングまで誘われちゃう。

そして、なんといっても最大の魅力は個性豊かなキャラクターたち。たとえ大病院の医師であろうと、不安や焦り、悲しみや失望といった感情は、一般人である我々とそう変わらない。「完璧な人間などいないんだ!」、と共感する場面もしばしば。なにせ、ヒロインのメレディスからして、コンプレックスを抱えた根暗タイプだし...。

そんな『グレイズ・アナトミー』、第5シーズンの放送がついにWOWOWでスタート。新キャラの軍医オーウェン(『ROME[ローマ]』のルキウス・ヴォレヌス役)も登場し、最近は恋愛に縁のなかったクリスティーナに恋の予感!? 死んだはずのデニーの再登場もあるし、第5シーズンも要注目です!

Photo:(c) ABC Studios