『サバイバー:宿命の大統領』インタビュー【1】キーファー・サザーランド(トム・カークマン役)「本作を通してアメリカがどうなっていくかを表現したい」

スーパー!ドラマTVにて12月4日(火)より放送中のヒューマンドラマ『サバイバー:宿命の大統領』。『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアー役でおなじみのキーファー・サザーランドが主演・製作総指揮を務める本作は、大統領以下の閣僚が爆弾事件で一斉に命を落としたことで思いがけず大統領に任命された「指定生存者」、トム・カークマンの奮闘を描く。そのキャスト、スタッフが語るインタビューを全8回にわたってお届け。第1回は、主人公トム・カークマンを演じるキーファー・サザーランド

――本作はどんなドラマですか?

「指定生存者」は憲法にも規定されている実在するもので、政府が一般教書演説のような重要な議会を開催して閣僚が一堂に会する際には、閣僚の一人が隔離されてFBIやシークレット・サービスに保護される。そして、もしも議会がテロや自然災害などに見舞われて非常事態に陥った場合は、その人物が大統領を継承することになっているんだ。そんな背景があるこのドラマで、私が演じるトム・カークマンは内閣の中でも序列が下の閣僚で、住宅都市開発長官を務めている。大統領に気に入られている閣僚とは言えないために、「指定生存者」に指名されるんだ。誰もが望むような役目じゃないからね。過去の歴史に敬意を表して行われているんだ。そうして、トムは一般教書演説に参加することを認められないわけだが、議会議事堂が大きなテロ攻撃を受けたことで大統領になるんだ。

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――あなたが演じるキャラクターについて教えてください。

とても情に厚い男だと思うね。トム・カークマンが素晴らしいのは、恵まれない人々のことをとても気にかけている点なんだ。でもそれが原因で大統領と相容れない状況になる。彼は低価格住宅に関する政策を推進しようとするけれど、大統領と考えが合わなかったことで「指定生存者」に指名されることになるんだよ。一方で、彼は良き父親であり良き夫だ。私自身、楽しんで演じられる役だし、視聴者も気に入ってくれるようなキャラクターだと思う。そんな心優しくて穏やかな人間が、世界で最も影響力を持つ立場の人間になることを余儀なくされる。気の弱い人間じゃ務まらないし、家族が危険に晒される可能性があることも思い知らされる。図らずもスポットライトを浴びる姿は、見ていてすごくやきもきさせられるんだ。

――出演を決めた理由は?

最初の脚本はデヴィッド・グッゲンハイム(『デンジャラス・ラン』『クリスマス・クロニクル』)が書いたもので、15ページぐらい読み飛ばして真剣に読んでいなかったんだ。読み飛ばして申し訳なかったけれど、改めてちゃんと読んでから、このドラマのプロデューサーであり友人でもあるマーク・ゴードン(『グレイズ・アナトミー』『クリミナル・マインド』)に「この役をやらせてくれ」と言ったんだよ。25ページくらい読んだところで最初に戻って、今度は真剣に読んだ。とにかく良くできた脚本だよ。キャラクターがきっちりと描かれていて、他の脚本家たちにとってもストーリーのイメージが脹らむような脚本だと思ったんだ。

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――混乱に陥るアメリカというタイムリーな内容を本作が取り上げていることについてどう思われますか?

アメリカで起きている状況について思いを巡らすきっかけを与えてくれる作品なんだ。前回の大統領選挙以来、なぜこの国は不満を抱いているのか多くの問題が議論されているように、このドラマではそんな問題を取り上げている。この国の経済や人種問題や、国外の予測不能な問題やあらゆることに関して、かなり知的な会話が繰り広げられているよ。キャラクターはよくできているし、右派と左派それぞれの知的な視点もうまく表現できていると思っている。僕個人は、双方の政党が優秀であればこの国は最高の力を発揮できると信じているから、すでに議論されていることもまだ議論されていないことも、このドラマを通してこの国がどうなっていくのかをいろんな形で表現していきたい。

――トム・カークマンは大統領になる心構えができていたのでしょうか?

彼はまったくもって心の準備ができていなかったし、誰もがオープニングで起こる衝撃的な展開を予想できなかった。一晩のうちに大統領になる準備ができる人なんていないだろうね。大統領になるには大抵の場合、政治家としてしばらく公職に従事して、大統領選で争えるようになるには少なくとも数年はかかる。本来であればそのプロセスを通して、大統領として必要なことが何かをよく理解できるようになるんじゃないかな。

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とはいえ彼は善人だ。善悪の区別ははっきりできているし、理解するためにベストを尽くすだろう。ドラマが続く中で楽しみなのは、昔から言われる疑問にどう答えるかだよ。腐敗した人間が権力の座に就くのか、それとも権力を持つことで腐敗するのか。彼のような善人が長い道のりの中でどうなっていくのか楽しみなんだ。まだ先の脚本は読んでいなくて私も今後の展開を知らないんだ。読むのを楽しみにしているよ。

――なせ視聴者はこのドラマを見たくなるのでしょう?

その理由はすごくシンプルなことで、このドラマが非常に丁寧に作られているからだと思う。脚本家も監督もその他のスタッフもキャストも全員が、作品をどう見せたいか、どんなペースで進めるか、そして何よりもこのドラマで言いたいことは何なのかを、よく考えながら取り組んでいるんだよ。最終的にはこのドラマが視聴者から受け入れられて、話題になって、新たな視点を持つきっかけになることが重要だと思っている。それに、このドラマには中心となるストーリーラインが3つあって楽しんでもらえるはずだよ。3つのストーリーが絡み合ったり離れたりすることで、脚本家たちにはストーリーを自由に描く余地が生まれるんだ。我々には素晴らしい脚本家が揃っているし、慎重ながらも楽観的な見方をしているんだ。

<『サバイバー:宿命の大統領』インタビューリレー>
【2】エイダン・カント(アーロン・ショア役)「キーファーのことをじっと見てるよ。よく観察してるんだ」
【3】イタリア・リッチ(エミリー・ローズ役)「"ジャック・バウアー"にやかましく言うシーンの撮影はクレイジーだったわ」
【4】カル・ペン(セス・ライト役)「新しい大統領との、おそらく史上最悪の対面だと思う」
【5】ラモニカ・ギャレット(マイク・リッター役)「この主人公はいつのまにか腐敗してしまうような人間じゃない」
【6】マギー・Q(ハンナ・ウェルズ役)「キーファー効果は絶大。陰謀に関してすごく刺激的な展開が見られるはずよ」
【7】ナターシャ・マケルホーン(アレックス・カークマン役)「『24』を一度も観たことがなくて良かったわ」
【8】マーク・ゴードン(製作総指揮)「キーファーの"普通"の人間役に視聴者も納得してくれると確信している」

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『サバイバー:宿命の大統領』はスーパー!ドラマTVにて放送中。
[二]毎週火曜 22:00~ ほか
[字]毎週火曜 24:00~ ほか
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Photo:『サバイバー:宿命の大統領』
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