2005年から2017年にかけて全12シーズン、246話が放送され、世界中で大ヒットを記録した人気ドラマ『BONES』(『BONES -骨は語る-』)。テンペランス・ブレナン博士を演じたエミリー・デシャネルが、撮影開始当時を振り返り、実はシーズン1で終了する危機に瀕していたことを明かしている。米Varietyが報じた。
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エミリーを追い詰めた膨大なセリフ量と過酷な撮影時間…
『X-ファイル』のデヴィッド・ドゥカヴニーによるポッドキャスト番組「Fail Better(原題)」に出演したエミリー。『BONES』のシーズン1の撮影は想像を絶するほど過酷だったと明かす。
「私たちは普通のドラマよりもはるかに長い、狂気的な時間働いていました」とエミリーは当時の状況を語る。「1日に14時間から16時間も働き、その上、夜遅くまで起きてセリフを覚えなければならなかった。“家に帰って毎晩バスタブで泣いていたのよ、あまりにも圧倒されて”とジョークを言うほどにね」と、当時の精神的な負担がいかに大きかったかを明かした。
「撮影現場に来ても、前の晩に暗記したセリフが思い出せない…。まったく眠れていなくて、頭にはセリフがあるはずなのに、どうしても出てこないの」と、極度のプレッシャーと疲労に苛まれていた様子を語っている。
遅刻が招いた呼び出し、そして降板危機
不安と疲労がピークに達していたある日、事故渋滞により撮影現場に30分遅れてしまう。この出来事が、彼女をさらなる窮地に追い込んだ。
「(クリエイターの)ハート・ハンソンが私のトレーラーをノックしたの。いつもはそんなことしないのに」とエミリーは振り返る。
そして、ハートはエミリーに厳しい言葉を告げた。「呼び出されて、“スタジオが君の仕事ぶりについて懸念を持っている”って言われたの。遅刻するし、セリフは覚えていないしってね」この言葉はエミリーに大きな衝撃を与えたようだ。恥ずかしくて、今思い出しても感情的になってしまうと、当時の屈辱を語っている。
「本当にボロボロだった。すごくショックを受けたわ。その頃の私はとても繊細な人間だった。でも、ドラマを長くやるうちに、だんだん強くなっていった。全然眠れなくて、ストレスもすごかった。もともと感情的なタイプなので、自分を見失っていた」
降板危機を乗り越え、エミリーを救ったハート・ハンソンのサポート
この厳しい忠告を受け、エミリーはその後、必ず時間通りに現場に到着するよう心がけたという。幸運なことに、この会話の翌日、追加エピソードの制作が決定したという。
そして、ハンソンはその後もエミリーを全面的にサポートした。より大きなトレーラーを用意し、セリフを練習するための時間を与えるなど、彼女が最高のパフォーマンスを発揮できるよう尽力したという。
「ハンソンは、私がもっと良くなる方法や、セリフを覚えて仕事をこなすための方法を見つける手助けをしてくれた」とエミリーは感謝を語る。「その多くは、私が出演しないシーンや休憩時間を確保することだったわ。本当に素晴らしい人なの。私たちはとても幸運だった」と、クリエイターの理解と協力があったからこそ、困難を乗り越えられたと明かした。彼女の並々ならぬ努力と、クリエイター陣のサポートがなければ、『BONES』がこれほど長く愛される作品になることはなかっただろう。
『BONES』はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Variety