人気ドラマ『グッド・オーメンズ』や『プロディガル・サン 殺人鬼の系譜』で知られるウェールズ出身のマイケル・シーンが、昨年末にウェールズ国立劇場が閉鎖されたことを受け、地元の芸術を盛り上げる野心的なプロジェクトに取り組んでいることが分かった。
地元ウェールズの物語、業界を守るため立ち上がる
ウェールズ芸術協会からの支援が打ち切られたことにより国立劇場が閉鎖されたと知ったマイケルは、英BBCのインタビューで「非常に悲しいですね」と心境を語り、自ら資金を提供して劇場の芸術監督を務めることで、劇団の復興を目指すという。
マイケルは、舞台を通じて大勢の観客に壮大な物語を届けることを目標とし、ウェールズの劇作家と地元の物語、ウェールズの俳優を劇団の中心に据える事業に「全力を尽くす」と、意気込みを語っている。
「この国がずっと持ち続けてきた豊かな文化を表現するものにしたいですね。自分たちが満足するだけでなく、世界を感動させたいと思います。大きな舞台で大勢の観衆に向けて、壮大な物語を語れるようにしたいのです。野心と大胆さ、創造性と革新性をもって上演すれば、人々は作品に反応すると思います」とも述べたマイケル。
劇場閉鎖のニュースが行動を起こすきっかけになったそうで、「もし前へ進む新しい道を模索しなければ、再びウェールズが国立劇場を持つ機会が訪れるのは、かなり先のことになるかもしれない――いや、二度と訪れないかもしれないと気づいたんです」ともコメントしている。
マイケルは、自ら資金を提供して復活させる劇場で、復活後最初の上演作となる舞台に主演する。その詳細は数ヵ月以内に発表予定だ。また、昨年のクリスマスに再上演された舞台『Gavin & Stacey(原題)』が大ヒットしたことにも触発されたそうで、芸術やエンターテインメントには人々の生活や価値観を反映しつつ、ポジティブで希望に満ちたものを提供できる力があると訴えた。
マイケルは、2011年にウェールズ国立劇場で上演された初の舞台であり、最も著名な作品の一つである『ザ・パッション』で教師を演じたことを振り返り、それが役者として成長を促す経験になったとも振り返った。
地元の芸術をサポートするマイケルの新たな取り組みを応援していきたい。
『グッド・オーメンズ』シーズン1~2はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)にて配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:英BBC、英Radio Times