『グッド・オーメンズ』マイケル・シーン、故郷が舞台のドラマに出演した理由とは?

Amazonの人気ファンタジードラマ『グッド・オーメンズ』で知られるマイケル・シーンが、出演のみならず監督も務める英BBCのドラマについて語っている。米Deadlineが伝えた。

パンデミックを機に企画が固まる

マイケルの新作ドラマは、彼の故郷であるウェールズのポートタルボットを舞台にした『The Way(原題)』。10年近く前から企画として温められてきた同作では、『ブレグジット EU離脱』で知られるジェームズ・グレアムが脚本を手掛け、数多くのドキュメンタリーを撮ってきたアダム・カーティスとマイケルが共同監督を担当。マイケルにとっては監督デビュー作となる。

『The Way』は、故郷の町から波及していく異常な出来事の連鎖に巻き込まれた平凡な家族ドリスコル家を描いており、BBCの最注目作品の一つとして期待が寄せられている。マイケルは常に“不安の爆発”についてできる限り“信じられる”形で物語を描くということを常に意識していたため、ウェールズの周りに厳しい国境線を設けるというアイデアなどがあがってもパンデミック前には却下していたのだとか。しかし「ロックダウンがストーリーにまったく新しい息吹を吹き込んだ」ことで、企画が固まったという。

「(パンデミックが)終息した後、ストーリーを見直して、特に陰謀論や新型コロナウイルスに関するアイデアに関してより大胆になることができた。時代遅れと思われるようなものは作りたくないと考えていたけど、これほどタイムリーな内容になるとは思いもしなかったよ」と、パンデミックが脚本を固め、ストーリーに信憑性をもたらす重要な役割を果たしたと説明している。

マイケルのほかにも、ルーク・エヴァンス(『美女と野獣』『エイリアニスト』)やカラム・スコット・ハウエルズ(『IT'S A SIN 哀しみの天使たち』)といったウェールズにゆかりのある俳優が出演する同作について、マイケルはエピソードが進むにつれて「逆説的に、あらゆる不条理な性質が徐々に前面に出てくる」と解説。「これは過去10年にわたって僕たちの文化で生きる時に感じたものを反映している。自分たちが生きているのはシットコムの世界なのかホラーの世界なのか、確信が持てない状況で生きる時のね」

そんな作品の雰囲気づくりに大きな役割を果たしたのがポートタルボットというロケーション。マイケルの故郷であるこの場所は、近年売却された大手製鉄会社タタ・スティールの製鉄所があったことでも知られる。「舞台となる場所は、実際に不安にさいなまれてきた歴史があるべきだと分かっていた。その場所に未解決の問題があると感じさせる必要があったんだ。だからこそ、(当初想定していたイングランド地方ではなく)故郷を舞台にした方がいいと考えるようになった」

企画初期は故郷に戻っていたマイケルは、自分の町は「興味深い矛盾に満ちている」と形容。「海辺に美しい地域があり、その中心部には重工業がある。異常なまでにいろいろな要素が詰め込まれた場所であり、それを物語に取り入れるのはワクワクする体験だった」と故郷への思いを明かした。

マイケルとパンデミックといえば、『グッド・オーメンズ』でタッグを組んだデヴィッド・テナントとオンラインで展開する画期的なモキュメンタリー・コメディ『ステージド』が人気を集めていた。2月5日に55歳の誕生日を迎えたマイケル。今回監督業にも初めて挑戦した彼は、ますます活躍の場を広げていきそうだ。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

Photo:マイケル・シーン © James Warren/Famous