米CBS製作による『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』はシーズン21に突入した長寿シリーズとなり、『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』をはじめとする人気フランチャイズを複数生み出した。そんな人気シリーズは現実のNCISチームの任務に、どれだけ忠実に描かれているのだろうか?
担当する事件の分野は現実に近い
警察を舞台にしたドラマや刑事を主人公にしたシリーズなどと同様に、『NCIS』シリーズも捜査チームが毎日のように凶悪事件の捜査に追われ、銃撃戦を繰り広げている訳ではない。もちろん、『NCIS』シリーズでは視聴者を楽しませるために、まるでチームのメンバーは日常生活がないかのように捜査に明け暮れ、犯人を追跡するスリリングな日々を送っているかのように描かれている。
現実のNCISのWebサイトでは、「NCISは海軍省内の捜査機関であり、海軍および米海兵隊員、軍属または関連する民間人が関与する犯罪の捜査を主に担当する」と記されている。またチームは、「殺人、強姦、性的暴行、児童に対する身体的・性的虐待、強盗、窃盗などを日々捜査し、そのほかには経済犯罪、サイバーおよびテロ対策といった分野の捜査も担当する」とある。
その内容から、ドラマシリーズでチームが担当する事件の分野は現実に近いと言えそうだ。しかし米Colliderによると、2020年には海軍で11名、海兵隊7名が殺害される事件が発生し、2020年に『NCIS:ニューオーリンズ』がシーズン7をもってキャンセルされるまで、年間でシリーズ3作のエピソードが約90話放送されたことを考えると、どれだけ番組が、現実からかけ離れた数まで事件を増やさなければならなかったかが分かるだろう。
実際の捜査には数カ月かかる
また、『NCIS』シリーズではほとんどの事件が1話で完結するが、実際には事件の解決に数カ月、場合によっては数年かかることもあるという。例えば、2007年に5発の銃弾を撃ち込まれて亡くなった海軍士官コーリー・ヴォスの殺人事件は、捜査に5カ月が費やされたとのこと。実際の捜査にかかる期間も、ドラマシリーズには反映されていないことは明らかだ。
その他にも、CIAやFBI、米国国土安全保障省などと比較するとNCIS局の規模は小さく、イタリアやシンガポールなどに現地事務所や支局などがあるにもかかわらず、現実でニューオーリンズ支局に捜査官は二人しかいないのだとか。それでも『NCIS』シリーズは、CIA捜査官がテロ組織の犯行を阻止しようとする『HOMELAND』や、FBI捜査官が南米の麻薬組織撲滅に奔走する『ナルコス』など、もっと規模が大きい捜査局を描く番組と視聴率を競わなければならない。よって、主に『NCIS』の各エピソードは殺人事件で物語を始めて視聴者を引き付け、早い段階で銃撃戦や爆発などの激しいアクションを展開し、犯罪を自供した容疑者の逮捕で終わるパターンが多くなる。
現実のNCIS局の実情とドラマシリーズの共通点はそれほど多くないかもしれないが、あくまで番組はエンターテイメントであり、そこまで視聴者はリアリティを追求していないと言えるかもしれない。
『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』のシーズン1~20、『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』と『NCIS:ニューオーリンズ』の全シーズン、『NCIS:ハワイ』シーズン1はHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)
通常のHulu(月額1,026円税込)とDisney+のプレミアムプラン(月額1,320円税込)2つのサービスを利用できる。
つまりセットプランを利用すれば856円もお得に!
Huluでは日本のドラマやバラエティ、オーディション番組、Disney+ではディズニー作品はもちろんマーベルやスター・ウォーズ、さらに最新韓国ドラマやBTSなどのオリジナルコンテンツを多数配信!
Photo: CBS © 2019 CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved.