米CBSにて、2005年より15シーズンにわたって放送された人気犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。リブート版『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪:エボリューション』(=シーズン16)は、すでにシーズン2(全体ではシーズン17)への更新も決まっている。米Colliderが「オリジナル版で最も恐ろしいエピソード」を選出しているので、今回はそのうち5つを紹介しよう。
目次
「人形遣い」(シーズン8第10話)
この回で行動分析課チームはアリゾナ州へ飛び、被害者の遺体を異様な状態で遺棄する連続殺人犯を捜査する。アダム・レインというアンサブ(犯人)は昏睡状態から目覚めたばかりの老人で、前頭前野に深刻なダメージを受けていた。その影響により子どものように精神状態が退行したレインは、不幸にも自分の父親が殺害された事件を再現するため、人を誘拐して関節を脱臼させ、マリオネットのように劇に出演させる凶行に及ぶ。精神が若年化し、子どものように純粋な心に戻っているはずの人物が、このような凶悪犯罪を考えついて実行に移す展開が非常に恐ろしく、また、子ども向けの音楽や玩具を使うことで、さらに緊張感と不気味さが高まっている。
「リーパー」(シーズン4第18話)
ホッチは行動分析課で初めて担当した、21人を手にかけた“死神”と呼ばれる連続殺人鬼が起こした事件の捜査を10年ぶりに再開する。10年前、死神に襲われて唯一生き残ったジョージ・フォイエと話をするため、チームはボストンへ飛ぶ。数々の襲撃を回避することができなかったチームは、後にホッチにとって宿敵となるフォイエが述べた証言の矛盾に気づき、フォイエが死神であることを突き止める。死神による残忍極まりない殺害方法と、自らの殺人を捏造するために行なった手口により、このエピソードは非常に不気味なものとなっている。また、「リーパー」は人間の本性が予測不可能であること、見た目で人を判断できない恐ろしさを伝えている。
「殺人ピエロ」(シーズン13第17話)
このエピソードでは、家宅侵入と強盗、住宅の所有者であるマーク・ウィルソンの死を調べるため、行動分析課のメンバーがオクラホマ州の小さな村、ガイモンへ向かう。チームはウィルソンの7歳の息子ディランが、犯人がピエロの衣装を着ていたとの発言が本当なのかどうか判断しなければならなくなる。ピエロなどを見て怯えてしまう道化恐怖症の人は、ピエロが残忍な殺人に及んだとき、その不気味な姿にかなり怖い思いをするかもしれない。
「母の祈り」(シーズン5第16話)
ヴァージニア州アッシュバーンの公共の場で幼い子どもが行方不明になる事件が相次ぎ、アニタとロジャー・ロイスウッドが夫婦で協力して被害者を誘拐していることが判明。二人が子どもを誘拐する理由が、ストーリーが進むにつれて明らかになっていく。このエピソードは恐怖と真実味に溢れている。子どもの誘拐は現実でもよく起こる事件であるうえ、キャストの迫真の演技により、シリーズの中でも最も恐ろしい回の一つとなっている。例えば、アニタが寝ている子どもに童謡を歌ってから、その子を火葬場に押し込んで生きたまま焼くシーンなどは凄惨としか言いようがない。
「消えた女子高生」(シーズン2第7話)
ペンシルベニア州の田舎町ノースマーモンで、サッカー部の女子チームメイト三人が精神異常者の男に誘拐され、奇妙なゲームに参加させられる。犯人は三人に、「一人だけが死んで残りの二人は生きられる」と告げ、食料も水もなく孤立している間、日に日に体調を崩して弱っていく少女の一人を死なせるかどうか、残りの二人は決断を下さなければならなくなる。他の多くのエピソードとは対照的に、この回はアンサブの代わりに、地下室に入れられた被害者が加害者になる可能性が主題となっている。また人間の本質や、生き残るために人間がどんなことをするかというテーマが、印象に残るストーリーとなっている。
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Photo:『クリミナル・マインド FBI行動分析課』© ABC Studios