『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』シーズン1、宇宙海賊ゴー☆ジャス直撃インタビュー

世界中で大ヒットを記録したアメコミ映画シリーズ『X-MEN』を新たにTVドラマシリーズとしてよみがえらせた『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』。映画シリーズの生みの親であるブライアン・シンガーが製作総指揮を務め、豪華キャストで贈るX-MEN最新作だ。今回は、第10話に登場する研究所技術者の声を担当した宇宙海賊ゴー☆ジャスさんを直撃! 普段とは違うシリアスな声を披露した収録や、本作の魅力などを語ってもらった。

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――吹替収録を終えてみて、手ごたえはいかがですか?

手ごたえ的なものは、正直に言いますと何も分かりませんでした(笑) 声優さんがいる中で収録して、迷惑をかけて収録時間が長くなったら嫌だなと思っていたので、すごく緊張していたんです。だけど実際は一人での収録だったので、緊張はありましたけど、これなら何回も録り直しさせてもらえるんだろうなという甘い考えがありまして(笑)

――予定よりも早く収録が終わり、演出家の方も褒めていました。

本当ですか? 完成して、どんな風になっているのかを聞かないと安心できないですね。それまでは震えながら眠る毎日になりそうです(笑) 今回、クランクインとともにクランクアップということで、収録は一瞬でしたけど、これでまた何かほかの役の声を演じる機会があったり、演じた役がシーズン2に再び出てくれるとありがたいですね。

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――今回は技術者役でしたが、毎回違う技術者の役で出演するのも面白いですね(笑)

うまいと褒められたから何か来るのかなと思っていたら、役名は与えられないんですね(笑) そうですね。脇を固めたいです(笑) ただ、吹替のレギュラーになったら、僕は胃が荒れるでしょうね。アフレコは神聖なものだと思っているんです。海外ドラマがすごく好きだから、その世界観を崩しちゃいけないという思いがあるんですよ。それもあったから、今回は「宇宙海賊」としての持ち味を出さない方がいいと考えていました。本名で臨んでもいいぐらいの勢いだったんですけど、そこはゴー☆ジャスでオファーされたので、しょうがないですね(笑)

――吹替のオファーを受けた時のご感想は?

マジかよ?と思いましたね(笑) 僕のような芸人の仕事は現場にフラッと来て、パッとやって、サッと消えていく感じがするんです。でも、声優の仕事は作品として残るじゃないですか。だから、ありがたい反面、責任も負ったなというのもあります。恥ずかしいものは残せないなと感じました。

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――以前、アニメ作品に声優として参加されたことがおありですよね。

そうなんです。実は、アニメの声優になりたくて上京したんですよ。でも、途中で気づいたんです。駄目だなと(笑) それでいろいろとやっているうちに宇宙海賊になったら、グルッと一周してアニメの仕事が来て、夢が叶いました(笑) 宇宙海賊になることが夢を叶えるための最短距離だったんですよ。代々木アニメーション学院(以下、代アニ)が最終学歴なんですけど、学んだことで覚えているのは「マイクの距離はこのぐらい」というぐらいです(笑)

――収録中、マイクから声が外れていないか演出家の方が気にしていましたけど、音響の方が「大丈夫です」と言っていました。

それは代アニの力ですね(笑) でも、僕も人間の年齢として現在39歳。宇宙年齢でいうと、寿命が5億歳なので、今はまだ赤ちゃんなんですけど(笑) 当時は会ったことがなかったんですが、代アニの同期もベテランぐらいになっているんですよね。白石稔さんとお仕事で一緒になった時、「同期ですよ」と言われて驚きました。

――これを機に吹替の仕事で同期の方と会うかもしれませんね。

でも、僕は海外ドラマが大好きなので、視聴者でいるのが一番です(笑)

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――アニメと吹替で、声優としての違いや難しさなど何か感じることはありましたか?

片側から原音の音声が聞こえるヘッドフォンですね。外画の吹替は初めてで、片耳をふさがれている状態じゃないですか。だから違和感があって不安でした。原音の声を聞いてからしゃべればいいのか、一緒のタイミングでしゃべればいいのか悩みましたけど、普通にやりました(笑)

――演出家の方が「まず、原音を聞いてください」と指示していた時も、原音を聞きながらタイミングを計って練習されていましたね。

僕の役以外を声優さんが先に収録された音声を聞かせてもらったら、元の音源とはちょっと違う熱量だったんですよ。それで、ちょっと変えないとダメなのかなと思ったんです。やっぱり会話の掛け合いが大事ですからね。いろいろと考えましたけど、演出に従わないといけませんしね。自分の色は絶対にここで出す必要はないなと思いました。

――宇宙海賊は封印ということですね(笑)

「宇宙海賊が外画のアフレコを荒らしに来たぞ!」みたいな感じですかね(笑)

――荒らしに来たけど、ちょっと真面目になっちゃったと(笑)

そうですね。真面目になっちゃいました(笑)

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――かなりシリアスな作品ですが、演じてみていかがでした?

アメコミもそうなんですけど、『X-MEN』シリーズが超好きだったんです。このドラマは『X-MEN』シリーズと続いている世界観なんですよね。劇中でも「X-MEN」とか「ブラザーフッド」という名前が出てくるから、これは面白いなと感じていました。映画は『LOGAN/ローガン』でひと区切りついたじゃないですか。映画シリーズも新しい作品がまた作られるという話を聞きましたけど、海外ドラマの『ギフテッド』がこんなに充実しているなら、こっちを観てもいいと思いました。

――『X-MEN』シリーズがお好きだと、映画と本作の設定がどう関係してくるのか気になりますね。

そうですね。ウルヴァリンが超好きで、デッドプールも好きなんですけど、このドラマでまた彼らと接点が出てくるのか、過去のキャラクターも出てくるのか、そういうのが見どころというか、興味深いところですね。視聴者として広めていきたいと思わせるドラマです。オススメしたいですね。

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――本作で気になった点は?

事前に観られたのは序盤だけだったんですけど、今日の収録ではいつの間にかローレンとアンディというストラッカー姉弟が捕まっていたから驚きました(笑) 気になったのは、その姉弟の力ですね。二人で力を合わせると、凄い能力が発動するんです。これまでのミュータントの能力は単体の力が多かったじゃないですか。それと、どうしてミュータントの力が姉弟に発現したのかという理由も気になりますね。

――実はこれまで映画版に出ていたミュータントだったとか、いろいろな伏線として利用できますからね。

そうかもしれませんね。映画版を好きな友達がそんなことを言っていました。どうなるんだろう。気になるな...。すみません、完全に視聴者気分になっていますね(笑) そういったところや、僕の出番のシーンも楽しみにしてご覧になっていただきたいです。

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――ブライアン・シンガーが第1話の監督を務め、原作者のスタン・リーがカメオ出演していることも話題の作品ですが、映画シリーズと比べて面白いと思ったことは?

反ミュータントの政府組織「センチネル課」ですね。映画ではセンチネルって巨大なロボットでしたけど、本作では新しいデザインで小さいロボットが出てきますよね。技術が進歩して小型化に成功したんだなとか、そういうところを見ちゃいます。それと、スタン・リーが出てきたってことは時系列的にどうなっているのかも気になりますね。彼は一体何歳なのかって話になるじゃないですか。実はスタン・リーがミュータントなんじゃないかと思いますよ(笑) それから、登場したミュータントがどういう活躍をするのか、早く続きが観たいですね。

――ブリンクは、映画とドラマ版で役者は違いますが、『X-MEN:フューチャー&パスト』に登場しています。ほかに原作にも登場するのはサンダーバードやポラリスです。原作だとポラリスはマグニートーの娘という設定ですね。

え!? マグニートーの娘ってドラマ版でも出てくるんですか?

――ドラマ版だとそこにはまだ触れていませんが、ひょっとしたら今後の展開でそんな話が出てくるかもしれませんね。いろいろなミュータントが登場しますが、お気に入りは?

やっぱりエクリプスですね。すごく光るだけじゃなくて、光線にもなるんですよね。どんな能力なのかと思いました。拷問の仕方も面白かったです。目をつぶっていても、光で目をつぶしちゃうぞって。いろいろな能力をどう戦いにつなげるのかが面白いですね。

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――ミュータント以外で印象的な登場人物は?

センチネル課のターナー捜査官ですね。良い人なんだけど、センチネル課とミュータントとの間で揺れているところがいいです。物語の序盤ではそんなに行動を起こしていませんけど、親としての理解がある感じで、キーパーソンじゃないかと思っています。そのほかにも気になることが多くて、DVDを買わなきゃいけないなと。また観ないといけない作品が増えますね(笑)

――ドラマ版を観ると映画版をまた観たくなったり、その逆もあるかもしれませんね。

そうですね。『X-MEN』シリーズは本当に好きなので、止まらないですよ。(映画とTVシリーズということで)さらに広がりがありますよね。いつかは『ギフテッド』にウルヴァリンも登場してほしいです。

――海外ドラマがお好きだそうですが、どんな作品をご覧になっているのですか?

アメコミが好きなので、アメコミ好きの人たちが出てくる『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』が好きですね。アメコミ関連で本当にそんなこと言っていいのかというような毒を吐くセリフもありますし、小ネタ満載で面白いです。ヒーローものに限らずいろいろ観ていますね。

――『X-MEN』シリーズのTVドラマとしては『レギオン』という作品もあります。

これをきっかけに観ようと思っています。海外ドラマは迫力が凄いですからね。一話に映画一本分のクオリティがあるので、本当に楽しみです。

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――ゴー☆ジャスさんは日本の特撮ヒーロー作品もお好きとのことですが、本作はそうした特撮ヒーローのファンも楽しめるのではないでしょうか。

僕、ヒーロー系がすごく好きなんですよ。アメコミも好きなので、面白いと思ったら、仕事と関係なくてもツイートしちゃうんです(笑) 子どもの頃から特撮が好きだったので、アメコミも好きになったのかもしれません。海外の作品は、作品自体を好きになって、キャラクターも好きになってくださいみたいなところが多いので、そういう心意気に惚れたのもあります。例えば『スター・ウォーズ』も好きなんですけど、『スター・ウォーズ』が好きだからキャラクターのグッズを買っちゃおうという感じになるんですよ。海外ドラマはそういう方向性が良いですね。

――ゴー☆ジャスさんはゲーム好きでもありますが、X-MENはいろいろなゲームにも登場しているので、本作はゲームファンも楽しめそうですね。

アクションゲームが好きだったらこのドラマにもハマると思います。『ギフテッド』がそのまま格闘ゲームなってくれれば一番いいんですけどね(笑) 今回、僕が吹き替えた技術者はゲームには登場しないと思いますが、多分シーズン2になったら、一番悪いのはあいつだったというまさかの展開で何かしてくれるんじゃないかと期待しています(笑) ゲーム好きの方もですが、みんなに観てほしい作品ですね。

――本作はCGを用いたミュータントのアクションシーンも迫力がありますが、家族ドラマとしての面白さもありますね。

そうですね。姉のローレンと弟のアンディの助け合いみたいなところもいいです。お姉ちゃんの能力が空気を操るというのも新しくて面白いですけど、単純にこの姉弟が可愛いんですよ。お母さんのケイトリンも可愛いので、普通に見入っちゃいますよね。イケメンや美人が出演すると作品が魅力的になります。ただ、登場人物の全員がそうだと面白味がなくなるので、脇にはもっと変わった人が出てもいいですけど。『ギフテッド』はイケメンやモデルみたいな人たちが多く出ていますけど、すごく観やすくて、いい作品だと思いますよ。

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――ゴー☆ジャスさんはブログで2015年にお子さんが誕生されたことを報告されていましたが、劇中で両親が子どもを心配するシーンなどに共感されたりは?

もう親目線で観ていますよ。家族絡みの作品では、お父さんの気持ちにやっぱりなりますね。実は二人目が1月に生まれるんです(※インタビューは2018年1月に実施)。どちらも娘なんですけど、二人の子どもということでは『ギフテッド』と同じだなと思いました。娘が宇宙海賊と地球人のハーフなので(笑)ミュータントみたいな能力を持っていて、二人が手を繋いでもっと凄い能力が発動したら、どうしようかな(笑)

――これまでの『X-MEN』シリーズは若者向けの作品というイメージがありましたけど、本作は親世代の人も楽しめそうですね。

家族愛があって、ファミリータイプにもオススメできる作品ですね。普通に地上デジタルで放送してほしいです。昔は『X-ファイル』とか地上波で放送していましたけど、今は難しいんでしょうね。でも、CSやデジタル配信などで観ることのできる機会が増えたから、海外ドラマが普及しているというのもありますよね。CSのFOXチャンネルだけじゃなくて、U-NEXTでもFOXチャンネルの見逃し配信をやっているので、僕が出演している第10話もそこでチェックするかもしれません。

――最後にDVDをご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。

ストラッカー姉弟、二人の力を合わせれば、世界はまだ助かる! まだ助かる! マダガスカル!!

――ありがとうございました(笑)

(文/豹坂@櫻井宏充)

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『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』シーズン1(発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)は、8月3日(水)DVDリリース。デジタル先行配信中。

Photo:
宇宙海賊ゴー☆ジャス
『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』
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