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ラストシーンの撮影が一番印象的!『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』監督インタビュー

2026年1月7日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

20世紀初頭の英北部ヨークシャーを舞台に、激動の時代を生きる貴族のクローリー家と、彼らを支える使用人たちの人間模様を描いた人気シリーズ『ダウントン・アビー』。その映画版第3弾にしてシリーズ最終作となる『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』が、2026年1月16日(金)に満を持して日本公開を迎える。

本国イギリスで2010年に放送開始となったドラマシリーズが6シーズンをもって終了した後も映画版が次々と制作されるなど、15年間にわたって世界中で愛されてきた人気シリーズの完結編は、1930年の夏が舞台。舞踏会や晩餐会、アスコット競馬など、英国上流社会の社交シーンや美しい衣装はいつもながらため息が出るほどの贅沢さだが、おなじみのキャストたちの姿を見るのもこれが最後かと思うと、熱いものがこみ上げてくる。

2022年の前作『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』に続いてメガホンを取ったのはサイモン・カーティス監督。映画『マリリン 7日間の恋』で英国アカデミー賞にノミネート、『黄金のアデーレ 名画の帰還』も高く評価されたベテラン監督だ。コーラ・クローリー役の米女優エリザベス・マクガヴァンと実生活で夫婦であることでも知られている。クリスマスを目前に控えた2025年12月半ば、カーティス監督に話を聞いた。

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15年の歴史に幕。「これが自然な結末」

――2025年9月に英米で公開されて以来、『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』を日本のファンはずっと待ち望んでいましたが、ついにこの日が来ました!

「いよいよ日本でも公開と聞いて、とてもエキサイティングに思っている」

――前作に続いて、映画版で監督を手掛けるのは今回が2度目ですね。

「実を言うと、『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』を制作した時には、あれが最後の作品だと思っていた。だから、今回の脚本を手にした時は驚いたよ。制作が決定しても、俳優たちのスケジュールを同じ時期に合わせたりするのに時間がかかったけど、今作が実現して本当に良かったと思う」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――今作はどのような作品になっているのでしょう?

「『ダウントン・アビー』シリーズの最終章であり、ファンにとっては愛すべきキャラクターたちに別れを告げる最後のひとときになっている。とても感動的で、ハートウォーミングなストーリーだ。キャラクターたちはそれぞれに人生が変わる経験をしていったが、これが彼らの旅路の最終地点になる。このシリーズに関わったすべての人々にとって、『ダウントン・アビー』という作品は、ゲームチェンジャーで画期的な出来事だった」

――キャストやスタッフとの撮影はいかがでしたか?

「みんなと一緒に仕事をするのは素晴らしかった。ほとんどのキャストやクルーは前作から引き続いて一緒だったので、息もぴったりだったし、もう家族の一員みたいなものだ。一人の監督として、素晴らしい俳優たちと一緒に仕事をすることができて本当に光栄に思う」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――今作では、新たにジョエリー・リチャードソン、サイモン・ラッセル・ビール、アーティ・フラウスハンなどが登場しました。彼らはどのようなインパクトを与えましたか?

「サイモン・ラッセル・ビールは、今作のキャストに決まるまで『ダウントン・アビー』をまったく見たことがなかったそうだ。しかし、キャストに決定してから撮影までの間に全話を見たおかげで、撮影セットではエキスパートになった。ほかのみんなは昔の話なのですっかり忘れていたのに、彼は全部覚えていたからね(笑) ジョエリーは以前から私の親しい友人だ。彼女の出演が決まって大喜びだったよ。それからノエル・カワード役でアーティを見出したのは本当にラッキーだった。ノエル・カワードを演じるというのはその能力が試されることだったが、彼は見事にやってのけた」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――最終章ということで、キャストやスタッフのみなさんも感極まる思いがあったと思います。撮影中の一番のハイライトは何でしたか?

「やはり映画のラストシーンの撮影が一番印象的だった。キャラクターがお互いに別れを告げる。それを演じている俳優たちもお互いに別れを告げる。そして映画を見ている観客もダウントン・アビーの世界に別れを告げるんだ」

――ドラマシリーズがスタートしたのは、今から15年前の2010年でしたね。これまでの思い出が走馬灯のように流れるラストシーンはとても感動しました。

「15年前、世界はもっとシンプルな場所だったように思う。毎週日曜日の夜に家族が集まり、みんな一緒にテレビで『ダウントン・アビー』を見るというようにね。きっと観客もノスタルジックな気持ちになるんじゃないだろうか」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――今作の普遍的なテーマというのは何でしょう?

「『ダウントン・アビー』のすべてのシリーズに言えることだけど、ともに暮らす人々への愛と感謝の気持ちだろうね。ジュリアン・フェロウズの作品には人間愛や人情といったものが描かれている。この映画は、ヒューマニティを祝福するものだと思う」

――『ダウントン・アビー』で描かれる貴族の生活や階級社会は興味深いものがあります。シーズン1で描かれた1910年代と今作の舞台となる1930年代では、わずか20年の間に時代が大きく変化しました。また、ダウントン・アビーに住む貴族と使用人のそれぞれにも世代交代がありましたね。

「どの時代も重要だし、どの時代にも変化が起こる。特に現在の世の中は急激に変化していると思う。今作のテーマの一つは女性のエンパワーメントだった。以前よりも女性たちが強い主張や影響力を持つようになったという時代の変化も描かれている」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――メアリーはシリーズを通して、恋に落ちて、結婚して、夫を失って、再婚するなど波乱万丈の人生を送っていますが、今作では女手一つで子どもたちを育て、ダウントン・アビーの管理を引き継ぐなど、強くたくましく生きる姿が印象的でした。この結末は最初から決まっていたものだったんでしょうか?

「その質問には私は答えられないな。クリエイターのジュリアン・フェロウズに聞いてもらわないと(笑) ただ、これが自然な結末だと感じたのは確かだ」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――屋敷の中の肖像画で、バイオレット・クローリー役のマギー・スミスが登場することに感動しました。マギー・スミスの思い出話を聞かせてください。

「マギーとの思い出はたくさんある。前作はもちろん、30年前にダニエル・ラドクリフ主演の『デビッド・コパーフィールド』(1999年のドラマシリーズ)でも一緒に仕事をしたからね。歴代最高の女優で、一緒に仕事ができたのはこの上ない名誉だ。撮影現場でのマギーは、挑戦的で、ユーモアがあって、常に素晴らしかった」

――『デビッド・コパーフィールド』といえば、子役のダニエル・ラドクリフが素晴らしくて、のちに彼が『ハリー・ポッター』シリーズの主役に選ばれた時は嬉しかったのを覚えています。

「ダニエルがハリー・ポッター役に選ばれたのは、(マクゴナガル役の)マギー・スミスの尽力もあるんだ。『デビッド・コパーフィールド』で共演してマギーはダニエルのことをとても気に入って、『ハリー・ポッター』の製作陣に推薦したという話だよ」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――それでは、ダウントン・アビーの物語が世界中でこんなにも愛されている秘密は何でしょう?

「それぞれのキャラクターが持つ人間愛がその理由だろうね。ドラマを見る者は、キャラクターを自分や周囲の人々に同一視したりして共感を得る。視聴者みんながお気に入りのキャラクターを持っているんだ」

――ちなみに、カーティス監督のお気に入りのキャラクターは?

「やはりコーラと言うべきだろうね(笑)」

――それは当然ですね! ご家庭でドラマの話をしたりするのですか?

「ああ、もちろんだ」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ

――ダウントン・アビーの世界には、まだまだ語られていない物語がありそうです。続編、前日譚、スピンオフなど、今後また復活することはあるんでしょうか?

「私からはこの質問に答えられないけど、『ダウントン・アビー』シリーズはこんなにも成功を収めて、ブランドとして認識されているので、誰かが前日譚やスピンオフなど、何らかのヴァージョンのアイデアを出す可能性はあると思う」

――将来それが実現することを期待しています。監督自身の今後のご予定は?

「2本の映画について話し合いをしている。詳しいことはまだ言えないが、来年そのうちの1本を制作することができたらと思う」

ダウントン・アビー/グランドフィナーレ
――最後に日本のファンへメッセージをお願いします。

「これまで『ダウントン・アビー』を応援してくれたことに感謝している。ついに日本のファンがこの映画を見ることができて、とても嬉しく思う。この映画をエンジョイし、我々と同じように愛してくれることを願っている」

『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』は2026年1月16日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開。


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(取材・文/名取由恵 / Yoshie Natori)

Photo:『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』©2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

  • この記事を書いた人

名取由恵 / Yoshie Natori

イギリス在住ライター・翻訳者・英国ドラマ愛好家。 1993年に渡英、在英28年。歴史ドラマ、文芸ドラマ、ファンタジー、ミステリーが好き。ライフワークは英国エンタメ・英国文化・イギリス人の研究。

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