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『NCIS』の疑問点を現役のNYPD刑事が語る!プロが困惑する“ある行動”とは?

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『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』は米CBSの看板番組だが、専門家からすると首を傾げたくなる描写や展開が少なからずあるようだ。

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『NCIS』に見る決定的な違い

米Screen Rantのインタビューで、ニューヨーク市警の刑事で鑑識専門家のマット・シュタイナーが、刑事捜査における鑑識の役割について解説している。その中で、捜査の過程において『NCIS』のような作品では見落とされがちな、刑事と鑑識の役割の根本的な違いを強調している。

「捜査には二つの側面があります。刑事は動機を重視し、人々への聞き取りや尋問、証言の取り扱いを担当します。それに対し、鑑識は証拠そのものに集中します。証拠が何を示しているのかを判断し、それを刑事の情報と照らし合わせることで、正しい理論を構築するのです」と語っている。

また、番組のように事件が容易に解決することはほとんどないことも指摘。「結論が出るのは裁判の終わりで、すべての事件が裁判に至るわけではありません。逮捕されたからといって必ずしも有罪とは限らず、集めた証拠が被疑者を無罪にする場合もあります」と発言している。

実際の刑事や鑑識担当者は事件全体に関与することは少なく、通常は犯罪現場での初期作業のみを担当し、次の現場へと移動するだけだという。「現場での情報は事件の始まりにすぎません。家族や被害者への聞き取りは行わず、その後の展開は数年後に裁判で初めて知ることもあります」とも説明している。

番組では1話で事件が解決することがほとんどだが、現実ではそうはいかないようだ。また、「大都市では捜査官は次々と異なる現場を回るだけで、事件の結末を追うことはほとんどありません」とも解説している。

フィクションならではの魅力

しかし番組の人気は、こうした現実との違いを無視しても成り立つことを示している。鑑識の結果が疑われ、刑事が事件に深く関わって解決まで追う描写は、視聴者にとってストーリーとしての魅力が大きい。シュタイナーは、「こうした描写は専門家としては不可解ですが、多くの視聴者は違和感を覚えず、むしろ現実味のある描写として注意が向くのでしょう」と述べ、娯楽作品としての脚色の必要性を認めている。

こうした現実とフィクションの違いにもかかわらず、『NCIS』シリーズとそのスピンオフは長年にわたり高い人気を維持している。シュタイナーが困惑する“事件を最後まで追わない鑑識の描写”も、視聴者にとっては逆にスムーズで見やすい構成として受け入れられている。結果として、現実の刑事捜査とは異なる手法が、シリーズ成功の鍵となっていると言えそうだ。

『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』は、シーズン1~21がHuluで配信中。新スピンオフ『NCIS:トニー&ジヴァ』Paramount+(パラプラ)で独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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海外ドラマNAVI編集部

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