英BBCの大ヒットミステリー『SHERLOCK/シャーロック』にてジョン・ワトソン役を演じたマーティン・フリーマン。同作は彼をスターダムへと押し上げた代表作となっているが、オーディションの段階では決して上手くいったとは言い難い内容だったようだ。しかしながら、ある出来事が彼の運命を大きく変えることになる。米Screen Rantが、マーティンのオーディション秘話を伝えている。
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ジョン・ワトソン役にマーティン・フリーマンが選ばれたワケ
イギリスBBCの大ヒットミステリードラマ『SHERLOCK』。かの有名な名探偵シャーロック・ホームズを現代に蘇らせ、相棒のジョン・ワトソンとともに最新テクノロジーを駆使して難事件を解決していく物語だ。
シャーロック役のベネディクト・カンバーバッチと、ワトソン役のマーティン・フリーマンは、本作をきっかけに世界的なスターダムを駆け上がった。特にマーティンにとって、ワトソンはまさに代表作と言える存在である。
本作のクリエイターであるマーク・ゲイティスとスティーヴン・モファットは、マーティンこそが自分たちの求めるワトソンだったと、過去に語っている。しかし、当のマーティン自身は、ワトソン役を手にするまでの道のりは決して平坦ではなかったと記憶しているようだ。
「うまくいかなかった」マーティンを救った“化学反応”
今年2月、『SHERLOCK』15周年を記念したELLE誌のインタビューで、マーティンはオーディション当時を振り返っている。
シャーロック役を勝ち取ることになるベネディクトが「大変だったけど楽しかった」と回想する一方で、マーティンは自身のオーディションを「あまりうまくいかなかった」と告白。ゲイティスが語る印象とは正反対で、本人の手応えは芳しくなかったことがうかがえる。
しかし、その後にベネディクトと読み合わせを行った際、格段に良いものが引き出せたと実感。この“相棒”との出会いによって生まれた化学反応が、マーティンに自信を与え、ワトソン役への道を切り開いたのだ。
“もう一人のワトソン候補”マット・スミス
マーティンのキャスティングが決定する以前、ワトソン役のオーディションには『ザ・クラウン』や『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』で知られるマット・スミスも参加していた。
モファットによると、マットは非常に良い演技を見せたものの、彼らが求めていたワトソンというよりは、明らかにシャーロック・ホームズそのものだったという。さらに、マットにはどこか突飛なところがあり、真面目なキャラクター像を追い求めていたモファットとゲイティスは、彼をワトソン役に相応しくないと判断した。
結果的に、彼らの選択は正しかったと言えるだろう。マットはその後、『ドクター・フー』の11代目ドクターとして個性的な演技を披露し、モファットとゲイティスはマーティンに白羽の矢を立てるという最高の英断を下したのだ。
完璧なコンビネーションが作品の成功を決定づけた
ベネディクトはシャーロック特有の仕草や奇癖を見事に体現し、一方のマーティンは、シャーロックの衝動的な行動にも冷静に対応する、地に足の着いたリアルなワトソン像を確立した。
この二人が生み出す絶妙なバランスこそが、現代版ホームズとワトソンの魅力を最大限に引き出し、作品の成功を決定づけたのは周知の事実である。もしも、マーティンではない他の俳優がワトソン役を演じていたら、果たしてこれほどまでに魅力的な作品に仕上がっていただろうか。
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参考元:Screen Rant