『DOC-わたしを思い出す日まで-』インタビュー【3】「ぶつかり合うのは、どちらも最高の医者になりたいから」

日本でも人気を博したイタリア発のメディカルドラマ『DOC(ドック)あすへのカルテ』のアメリカ版リメイク『DOC-わたしを思い出す日まで-』が、WOWOWで2月20日(木)23:00より日本初放送・配信開始!

2025年1月から全米で放送中の同作の主人公は、交通事故に遭って直近8年間の記憶を失ってしまった内科医エイミー。その間に夫と離婚し、最愛の息子を亡くしたことも忘れていた彼女の再生を、スリリングな医療場面とともに描く。オリジナル版では男性だった主人公を女性にし、より繊細にドラマティックにアレンジ。主人公が働く病院も大きくなり、米国流エンターテインメントらしい味付けがたっぷりだ。

同作の日本初放送・配信を記念し、キャスト&スタッフ合計9人の貴重なインタビューが公開となったので、4回に分けて紹介していこう。3回目の今回登場するのは、エイミーの元友人でありライバル、彼女に代わって内科部長となったリチャード役のスコット・ウルフ(『ナイトシフト 真夜中の救命医』)×ジェイクに片思い中のレジデント、ソニア役のアーニャ・バナジー(『ブラックリスト』)×エイミーの元患者でインターンとなったTJ役のパトリック・ウォーカー(『レジデント 型破りな天才研修医』)。

DOC-わたしを思い出す日まで-

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「素晴らしい家族ドラマとも言える」

――この作品への出演が決まった時、どんなお気持ちでしたか?

アーニャ:私はソニアの人物像を読んで、本当に嬉しくなりました。彼女には情熱があり、やる気があり、野心があるところも気に入りました。それから、彼女とエイミーが似ているのも面白いと思いました。二人はよくぶつかり合っているけど、ぶつかるのはどちらも最高の医者になりたいと思っているからです。それに、二人とも人生に起きた困難や悲しみを乗り越えようとしています。

パトリック:まずは、こんにちは。はじめまして。僕は、この役に決まった時、正直言ってすごくナーバスになりました。医者には独特の感情やエネルギーがあるので、それを演じるのは難しいと思いました。これまでそういった役を演じたことがなかったので、僕にとっては大きな挑戦でした。ただ、挑戦だと思えた役こそ思い切ってやるべきだという持論があるので、可能な限りリサーチをして、しっかりと勉強もしました。僕の叔母が医者で、故郷のフロリダ州ジャクソンビルには野外広告を出しているくらいなんです。従兄弟も医者ですし。なので、もしかしたら僕にも同じことができるかもしれない!と思いました(笑) 結果的にこうしてうまくいきました。本当に素晴らしい共演者にも囲まれているので、どうやってしっかりとした医者になればいいかを学んでいます。

スコット:最初に脚本を読んで役柄と物語を知り、すぐに魅かれたので、どうかこの番組に出演させてほしいと願っていました。私の役は複雑な役で、本当は良い医者なのに、エイミーとは非常に複雑な過去があります。大事にしていたのは、どのようにその複雑な世界観を演じるのか、でした。第1話の脚本は本当に素晴らしかったし、シーズン通してその質は変わらず、むしろどんどん良くなっていきました。なので、素晴らしい共演者たちとともに出演が決まりすごく嬉しかったです。自分でも誇りに思っています。

DOC-わたしを思い出す日まで-

――作品の見どころを教えてください。

アーニャ:先に言っておくと、ソニアとリチャードに大変なことが起きます。第7話です。ネタバレはなしです(笑) でも、それは覚えておいてください。

スコット:この番組は始まりから典型的な医療ドラマで、症例があり、生と死があり、命を救うために奮闘しています。しかしその中で、人間関係や過去などもたくさん描かれています。例えば、主人公のエイミーは人生の8年間の記憶を失っているわけですが、それが彼女自身の人生にどう影響するのかだけではなくて、エイミーと特別の関係を持つ周りの人たち全員にどう影響するのか。各自がそれぞれの分野の専門家で優れた医者ではありますが、人間であり、失敗も犯します。とりわけ私の役は、何かをします(笑) 可能な限り曖昧にしておきますが…そのせいで、彼の自意識や病院での立場も試されます。番組によっては、決まった役の共演シーンだけが見どころだったりもしますが、この番組の場合はどの役との共演シーンも見どころです。それぞれの関係性が独特でパワフルなんです。私とソニアの関係性と、私とTJの関係性はまったく別ですし、私とエイミーとの関係性も異なります。だからこそ、シーズンを通して素晴らしいシーンがたくさん生まれたと思います。最も感動するのは、脚本を読んだ時にあまりに良く書けていて、それがパワフルだと思える時です。その脚本を素晴らしい共演者たちと演じることで、出演者全員から最高の演技が引き出されるのです。

DOC-わたしを思い出す日まで-

――撮影現場での雰囲気はどうですか? チームワークはいいですか?

アーニャ:共演者たちとのチームワークは本当に最高です。全員が初めて集まってシーンを撮影した時、真の仲間に会えたと思えました。これからこの人たち全員と楽しめるなと。実際、本当に楽しくて、パトリックはいつもジョークを言っているし、出演者もスタッフもいつも笑っています。作品としては非常に重い問題を扱っているので、その反面、現場には笑いが必要なんです。

パトリック:正直言って、撮影はすごく楽しいです。カナダの撮影スタッフも本当にいい人たちです。共演者といつも言っているんですが、誰にもエゴがないんです。撮影中または撮影しない時に、何が起きていたとしてもです。共演者とはいつもジョークを言って笑っています。おかげで素晴らしい撮影現場です。

スコット:共演者と無理やり仲良くはできません。だから、それまで共演したことのない人と一緒に仕事をする時は、気が合う人でありますようにと思ったりします。でも、ここではみんなと気が合いますし、みんなにこの物語を語るために全力を出したいという共通の情熱があります。そういう時は特別なものが生まれるものです。それは番組を見ている人たちも感じ取ってくれると思います。

――それぞれの役の見どころを教えてください。

スコット:リチャードは、人が人生で間違いを犯したらどうなるのか、非常に説得力のある例だと思います。すごくいい人にも最悪なことは起き得るものだと。だけど、それにいかに対応するかで、究極的にはその人の本当の人間性が現れます。私はこれまで出演してきたすべての番組が大好きですが、その中でも複雑で難しく、見ている皆さんがその役をどう思えばいいのか分からないような役を演じるのが特に好きです。それはすごく人間的だと思うからです。この役は非常に難しい役で、さらにチームワークが大事な番組の中で、私の役だけ孤立していました。しかも、彼はそれで構わないという態度を取らなければいけなかったので…。なので、見ている皆さんに、もし自分が同じ立場だったらどうするのか?を問いかけます。自分もリチャードのようになるか、または違う道を進むのか? 私自身は彼を演じるのが大好きです。彼は本当はいい人なのに、最高の行いができていないことに説得力があります。ものすごく難しいですが、演じるのは楽しいんです。ですので、皆さんにも私と同じように彼に共感してもらえれば嬉しいです。

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アーニャ:スコットが言っていたように、それはどんな人にも起きることで、人生において、自分ではどうすればいいか分からない事態に見舞われるものです。それが役立つ、ポジティブなことであっても、最善の自分を出し切れないことがあります。エイミーも同じですが、彼女はやり直すチャンスを得ます。事故が起きる前のソニアはエイミーの下で働いていましたが、事故の後は彼女の回復を助けることになります。そこで問題になるのは、エイミーが事故前、ソニアにとても厳しい態度を取ってきたことをなかったことにするのか、ということです。ここで面白いのは、たとえ自分に間違いを犯した記憶がないからと言って、なかったことにはならないので、その代償は払うべきだということ。つまり、過去に傷付けた人との関係性は修復しなくてはいけません。ソニアとエイミーの関係性もそうです。

DOC-わたしを思い出す日まで-

パトリック:TJには、不屈の精神の物語があります。彼はアフリカ系アメリカ人の医者で、彼以外にはアフリカ系アメリカ人の医者があまりいない中で、とにかく懸命に仕事をしています。それからTJとエイミーの関係性は、物語が進むにつれ、どんどん広がっていくのですが、エイミーは彼をある意味助けることにもなります。彼は、懸命に働くことが大事だと思っていて、それから正しい行動をするための倫理観がある人です。TJは正しいと思うことを信じているし、正しいことをするためには努力を惜しまない人で、それをエイミーからすごく面白い方法で学ぶのです。シリーズを通してそれが見られます。

DOC-わたしを思い出す日まで-

――この作品を楽しみにしている日本のファンへメッセージをお願いします。

スコット:日本のみなさん、こんにちは。みなさんは『DOC-わたしを思い出す日まで-』を絶対に好きになってくれると思います。病院を舞台にした素晴らしい物語で、これまでも病院が舞台の素晴らしいドラマはいくつも作られてきましたが、この番組はその伝統をさらに前進させるような作品です。生と死にまつわる素晴らしい物語があり、一刻も早く解決しなくてはいけない医学的な問題もあります。人の命がかかっているのでもの凄い緊迫感の中で描かれています。さらに、その中でそれぞれの個性、人間関係も描かれていて、しかも主人公は8年間の人生(記憶)を失っていて、それを取り戻そうとしています。それが一体どういうことなのかが見られるわけです。また、この番組の素晴らしいところは、役に自分自身を投影できるところです。自分はどの役に最も共感できるのかを皆さんにも問いかけます。どんなことが自分を変えるのか、または変えないのか。次に何が起きるのか分からないところも皆さんに楽しんでもらえると思います。

パトリック:それから家族の物語も見どころです。どの文化でもそうですが、日本文化においても家族は重要だと思います。すべての役が家族の中でも見られます。それが笑えたり、シリアスだったり、突拍子もなかったりして、素晴らしい家族ドラマとも言えるのです。

アーニャ:文化が違っても、国が違っても、誰にでも共感できることがあります。この番組が大事にしているのはそれなのです。なので、皆さん、ぜひ見てください!

(通訳/翻訳:中村明美)

DOC-わたしを思い出す日まで-

『DOC-わたしを思い出す日まで-』(全10話)は、WOWOWにて2月20日(木)スタート(第1話無料放送)。

【二ヵ国語版】毎週木曜日 23:00~
【字幕版】毎週月曜日 23:00~
※字幕版第1話のみ23:10より放送

★放送情報:https://www.wowow.co.jp/detail/203390
★配信情報:https://wod.wowow.co.jp/program/203390

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Photo:『DOC-わたしを思い出す日まで-』© Sony Pictures Entertainment. All Rights Reserved.