『DOC－わたしを思い出す日まで－』インタビュー【2】「普通じゃない状況を探求するのが面白い」

2025年2月18日 2025年2月17日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

日本でも人気を博したイタリア発のメディカルドラマ『DOC（ドック）あすへのカルテ』のアメリカ版リメイク『DOC－わたしを思い出す日まで－』が、WOWOWで2月20日（木）23：00より日本初放送・配信開始！

2025年1月から全米で放送中の同作の主人公は、交通事故に遭って直近8年間の記憶を失ってしまった内科医エイミー。その間に夫と離婚し、最愛の息子を亡くしたことも忘れていた彼女の再生を、スリリングな医療場面とともに描く。オリジナル版では男性だった主人公を女性にし、より繊細にドラマティックにアレンジ。主人公が働く病院も大きくなり、米国流エンターテインメントらしい味付けがたっぷりだ。

同作の日本初放送・配信を記念し、キャスト＆スタッフ合計9人の貴重なインタビューが公開となったので、4回に分けて紹介していこう。2回目の今回登場するのは、エイミーの元夫で病院の医療責任者マイケル役のオマー・メトワリー（『アフェア　情事の行方』）×エイミーの彼氏でチーフレジデントのジェイク役のジョン・エッカー（『Queen of the South　～女王への階段～』）。

『DOC』アメリカ版リメイク、『9-1-1：LONE STAR』以来の好調な滑り出し！

「どの役にも輝く瞬間がある」

――この作品への出演が決まった時、どんなお気持ちでしたか？

ジョン：ものすごく嬉しかったです。医療ドラマに出演したこともなかったし、医者役をやったこともなかったので。なので、共演者と一緒に思い切って挑戦したいと思いました。

オマー：私もマイケルを演じるのがすごく楽しみでした。いろんなことが起きている役ですから。素晴らしい挑戦になると思いました。

――作品の見どころを教えてください。

オマー：それはちょっと難しいですね。そもそも私もまだ第1話しか見ていないんです。もちろん物語は分かっていますが、編集で時々変わることもあって、出演している私たちですら本編を見て驚くことがあるんです。ただ、どのキャラクターもシーズンのある時点で物語の中心になります。どの役にも輝く瞬間があるので、見ている皆さんはすべての役の内面を知ることができると思います。

ジョン：あるシーンを思い出そうとしているんですが、私は撮影が終わると忘れる傾向にあるんです。でも個人的には、自分がオーディションで演じたシーンを演じるのが面白かったです。そのシーンを何度も演じて、やりすぎというくらいリハーサルもするので、実際にセットに行ってそのセリフを言うと、現実じゃないみたいな思い出深い瞬間で面白かったです。

――撮影現場の雰囲気はどうですか？　チームワークはいいですか？

オマー：俳優によって役作りはそれぞれ違うと思いますが、今回のキャストはすごく団結力があって、シーンや役柄の関係性についてもよく話し合うんです。私は俳優として、共演者が自分の役との関係性をどう考えているか、どう思っているのか聞くことから自分の役についてたくさん学べると思っています。共演者たちとそうやってどんどん掘り下げられることは、自分にとってとても価値があることなんです。

――それぞれの役の見どころは？

ジョン：脚本家たちが素晴らしい仕事をしてくれて、どの役にもすごく深みがあります。そのおかげで、どの役にも共感できると思います。誰もが人生で傷心や失恋を体験し、その相手との距離を置かなくてはいけなくなることがあるものです。僕が演じるジェイクの場合、相手（エイミー）が記憶を失うという究極な理由による傷心で、普通じゃないわけです。それを探求するのが、すごく面白いですね。

オマー：マイケルはかなり辛い経験をしています。家族の悲劇もあり傷ついています。でも、その瓦礫から人生を建て直していて、そのおかげで自分がどんな人間かが分かっています。だけど、今の彼の面白いところは、自分がどんな人間かを分かっているはずなのに、記憶をなくしたエイミーがいる状況下で、自分がどんな人間なのかを再び試されるところです。エイミーが記憶を失ったことで、永遠に閉ざされたと思っていた扉がいきなり開くわけですから。俳優として、それを探求するのは非常に面白いです。良い人間が不可能な状況に置かれて、非常に困難な決断を迫られるんです。

――大変だったシーンはありますか？

ジョン：出演が決まった時から心配していたのは、医療用語が詰め込まれたセリフです。それをしっかりと習得して当たり前のように言うのは、ほとんど外国語を学ぶようで一番大変でした。しかも、医療的緊急事態の場面で、緊迫してかなり速いペースで言わなくてはいけなくて…本当に難しかったです。

オマー：ほかの医者に比べたら、私のキャラクターは医療用語を話さなくても良かったので幸運でした。ただネタバレは避けるとして、私の役は自分の子どもを亡くすというかなり重い悲劇を経験しています。役者としてそういうことを演じなくてはいけない場合、常に難しいものです。私自身は、そうした喪失を知りません。でも演じる時、そういうことを実際に体験した人になんとか敬意を表したいと思っています。この役を演じる時にはそういう責任を感じています。