実は年齢制限あり?仮装内容も慎重に!ハロウィン新常識&非常識

今や世界中で認識されているハロウィンイベント。毎年この日には各地で盛り上がりを見せるアメリカでは、ハリウッドのセレブたちも気合いの入った仮装姿をSNSに投稿するのがお決まりになってきている。だが、時代が変われば、どんな風習も多少は変化するもの。そのような昨今でのハロウィン新常識・非常識を、海外ドラマとともに追ってみよう。

ティーンエイジャーは駄目?何歳までがトリック・オア・トリートできる?

ハロウィンをめぐる議論の一つに、年齢制限がある。特に、ティーンエイジャーくらいの子どもが、家々を回ってお菓子をもらうトリック・オア・トリートをすべきかどうかという点だ。ハロウィンは年齢に関係なく誰もが楽しめるものだと主張する人もいれば、この伝統行事は小学生くらいまでの小さな子どもたちだけに限定するべきだと考える人もいる。

Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン2第2話「変わり者たちのハロウィン」では、ウィル、マイク、ダスティン、ルーカスが、映画『ゴーストバスターズ』の衣装を着て中学校に行く。だが、彼ら以外に仮装している生徒はおらず焦る4人。「いつ仮装なしになったんだ?」「去年はみんなしてたよ」「陰謀だ」という台詞が面白いシーンだが、中学生くらいは実はちょうどハロウィンを楽しんで良いのかどうかという際どい年齢なのだ。

アメリカ・バージニア州チェサピークでは、トリック・オア・トリートができるのは14歳以下までで、門限は20時という法律がある。2019年にこの法が可決されたが、実はその以前はもっと厳しく、12歳以上はハロウィンを楽しめないことになっており、法を犯した場合は最長半年の懲役刑、そして最大100ドルの罰金だった。お隣のカナダでも、以前は13歳までしか駄目だったトリック・オア・トリートを15歳以下までに、そして門限を19時から20時までに引き上げた町もある。だが、15歳以下までというと高校生はできないということになる。

こういった規制の背景には、治安の問題等いろいろあるだろう。家のドアを開けて迎え入れる側からすると、大人のようにも思える体格の高校生くらいで、しかも仮装のマスクをして顔も解らなければ、警戒することもある。このことに関しては、大人の見解も世代で分かれており、高齢になればなるほど、ハロウィンは小さい子どものものだという意見が多い。昨今では仮装を目的に楽しむティーンも多いため、年齢的に10代に近い20代・30代には「高校生くらいでもハロウィンを楽しんでいいのに」と思う人が増えている。

毎年恒例のハロウィンエピソードが面白い『モダン・ファミリー』シーズン2第6話「我が家のハロウィーン」では、何度着替えてもセクシーな仮装をしたがる女子高生ヘイリーに、母クレアが怒る。ティーンになるとこのようなことも懸念材料となり、ハロウィンイベントに反対する保護者もいるようだ。

モダン・ファミリー

大人はどんなお菓子を子どもにあげるべき?

ハロウィンで配るお菓子も時代とともに変化してきている。ヘルシーなものを好む大人もいれば、昔ながらのお菓子にこだわる人も。懐かしいところでは、『ビバリーヒルズ高校白書』シーズン2第13話「ハロウィーン・パーティー」で、ジャンクフードは配りたくないとしてレーズンを用意するウォルシュ夫妻に、息子ブランドンが「レーズンはちょっと…」と言う。そこへオモチャのマシンガンを持ったギャング姿で訪ねてきたディランが、無言のブランドンが出したカゴの中身を覗いて「レーズンかよ!」と露骨に嫌そうにするのだ。レーズンのことは、『フラーハウス』シーズン2第4話「最高に怖いハロウィーン」でも描かれている。マックスの親友テイラーが、フラー家のハロウィンをバカにして、「この家、装飾はダメだし、キャンディの代わりにレーズン配るし」とあげつらう。このように、ハロウィンで人気のないお菓子の定番として、昔からレーズンはよく挙げられる。

また最近では、オーガニックや自然系食品のブームもあり、アメリカならではの凄い色のキャンディや甘すぎるお菓子をやめて、ヘルシー系を配りたいと考える家もいるようだ。さらに、お菓子だとナッツなど人によってはアレルギーを引き起こす成分が含まれている可能性もあるため、食べ物の代わりにシールや小さい文房具のようなものを渡す家もある。筆者の子どもがデイケアにいた時は、マジックでジャック・オー・ランタンの顔を描いたみかんが配られたこともあった。ヘルシーで、なかなか面白いアイデアだなと感心したのを覚えている。

文化の盗用に注意!昔は良くても今は駄目?

最近、「文化の盗用」という言葉をよく耳にする。一言で説明するのが難しい表現だが、一般的には自分とは違う社会の人たちの文化、アイデア、慣習を不適切に使用することと言われている。かなり大雑把な例だが、白人の人間が顔を黒く塗り、ドレッドヘアのカツラを着けて仮装したりするようなことだ。

ミシガン州のミシガン大学公式ウェブサイトでは、ハロウィンに関する注意事項が学生向けに提示されており、先述のような仮装は避けるようにとの記載がある。自身と異なる性別・人種などに姿を変えるのではなく、動物やお化け、何かの職業といったコスチュームがおすすめとされている。

スーパーで勤務する店員たちを題材にしたコメディ『Superstore(原題)』シーズン4第4話「Costume Competition(原題)」では、どういう衣装が「文化の盗用」に当たるのかとスタッフ間でミーティングを開くシーンがある。『アグリー・ベディ』のベティ役で知られるアメリカ・フェレーラの演じるエイミーは、スーパーマリオに仮装。それを「女性がヒゲをつけたイタリア人男性に仮装するのは良くて、なんで自分が(ジャマイカ発祥の)ドレッドヘアをするのは駄目なんだ」と非難する白人男性のマーカス。エイミーが「これはマリオというキャラクターで、彼はたまたまイタリア人男性なの」と説明すると、マーカスは「じゃあ僕は、たまたまジャマイカ人だったボブ・マーリーになればいいんだ?」と反論する。ほかのスタッフも巻き込んで、何が良くて何が駄目なのかという、誰も明確に線引きができない議題が適当に終着点を迎えていくのが面白いエピソードなのだが、このような部分も昨今では気をつけないといけない。

ちなみに、このエピソードで紹介されたドレッドヘアに関しては、関係する人種・出身の人たち以外がやるのは完全にタブーとされている。だが、マーカスの言うように、「特定の人物」や「キャラクター」ということであれば、そこは人によって解釈も異なるかもしれない。

アメリカでは、ハロウィンは子どもも大人も一年で一番楽しむイベントと言っても過言ではない。だがこのように悩ましい問題がいろいろあるのも事実。そこで、海外ドラマ作品もこれまで以上にこうした世間の議論をストーリーに取り入れてきている。そうやって時代とともに変化し続けるハロウィンを、ユーモラスに、そして鋭い切り口で描くことで、視聴者に現代のハロウィンについて考えさせているのだ。

(文/Erina Austen)


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Photo:Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』独占配信中/『モダン・ファミリー』© 2010-2011 American Broadcasting Companies. All rights reserved./『フラーハウス』© Michael Yarish/Netflix