『LOST』ファンが『フロム -閉ざされた街-』を見るべき理由3つ

2022年に米Epix(現在はMGM+)にて放送開始し、日本では今年の6月からU-NEXTにてシーズン1が配信されているサバイバル・ホラー『フロム -閉ざされた街-』。本国アメリカでは今月からシーズン3がスタートするこのシリーズは、『LOST』のマイケル役で知られるハロルド・ペリノーが主演を務めているが、それ以外にも『LOST』を彷彿とさせる要素がある。

 

孤立した舞台設定

『フロム -閉ざされた街-』はドライブ中の一家が見知らぬ街に迷い込むところから物語がはじまり、閉ざされた街の中で徐々にさまざまな人間関係や問題が見えてくる。特に最初の2シーズンは街の謎について探究し、街を支配するルールやモンスター、そして不穏な歴史について説明してきた。まだシリーズは始まったばかりだが、この街とそれを囲む森は、『LOST』の島と同じくらい複雑で視聴者を満足させる舞台になりつつあり、『LOST』ファンには馴染み深い設定に感じるだろう。

ミステリー、人物ドラマ、ホラーを融合

『LOST』と同様に、『フロム -閉ざされた街-』は複雑な人物像と緊迫した人間関係を、超自然的な要素とミックスして伝えている。シーズン1では、離婚寸前の夫婦が子どもたちとともに街に閉じ込められ、子どもたちのために結婚生活を続けることの難しさに直面。少ない登場人物たちを巧みに動かして、街に蔓延る恐怖とは別に、人間ドラマとしても説得力のあるストーリーを展開している。

もちろん、『フロム -閉ざされた街-』の軸となるのは街の謎であり、『LOST』と同じく脚本家たちはそれを暴くまでの道のりにもこだわっている。これまでの2シーズンでいくつかの疑問は解決されたが、各シーズンのフィナーレでは新たな謎が残されて終わっており、このもどかしさも『LOST』ファンにとっては懐かしく、堪らないものだろう。

2作品の明確な違いは、ホラーの取り入れ方。前者は怖い描写こそあるものの、その軸はミステリーや人間ドラマだったが、後者はホラーをテーマの一つにしており、登場人物たち孤独を克服すべき課題としてだけでなく、生きていく上での恐ろしい現実として描いている。『LOST』にはないこの要素は、新たなファンを獲得するきっかけになるかもしれない。

見落とし注意なヒント

『フロム -閉ざされた街-』は多くのプロットが交わっており、まずは包括的な謎を把握しようと必死になるかもしれない。しかし、実は初見では見逃してしまいそうな小さな手がかりが散りばめられている。何度も見返すのは怖いかもしれないが、今のうちにおさらいして新シーズンに備えておく価値はありそう。

『フロム -閉ざされた街-』U-NEXTで独占配信中。(海外ドラマNAVI)

 

Photo:『フロム -閉ざされた街-』© 2022 EPIX Studios LLC. All Rights Reserved.